21話 実食!
食材を探し終えたライは食材を二人に持ってもらい厨房に戻ってきた。
「さて、お手並み拝見だね」
「私も期待してますよ、ライ君」
(この二人に見られながら作るの!? すっごいやり難いんですが…、はぁ~しかもピーマン無かったし、あれが有ると苦味が出て美味しんだよなー、無いもんは仕方ない、んじゃ、いっちょ作ってみるか。)
「…」
厨房の調理台に届かず見上げるライ、それを見た料理長は噴き出す。
「ぷ、あはははは! 身長が足りてないよ坊や、あはは! あー可笑しい」
「わ、笑っては、し、失礼ですよ」
肩を震わせながら言うバーダには言われたくないと思う料理長。
(っく! まだ幼児だから仕方が無いだろ! くっそー! いつか笑い返してやる~! ぐすん、しかし実際届かないのはどうするよ、踏み台みたいなのは…有っても俺自身が上れる気がしないし、…ここは恥ずかしいけどバーダさんに持ち上げてもらうしかないかな…お願いするか。)
「ばーたしゃん、もちあげちぇ、くだしゃい!」
「す、すいません、…ふー…、ええ良いですよ」
笑いから復活したバーダはライを抱え調理しやすいように高さを調整した。
「これで良いですか? ライ君」
「あい」
そして危なげだが幼い手でテキパキと食材を切っていく。
(うん、切るのはそんなに問題は無いな…ただ出来れば包丁が欲しかった、ナイフだとやり難い、ちなみにちゃんと猫の手にしてますよ? ちょっとどころか凄く怖いからね初ナイフでの料理は。)
ネギ、玉ねぎ、チーズを刻んで塩少々準備しボールに入れて卵を割ろうとして気付く。
(しまった! こんなに小さい手で卵割れないじゃん、しかもこの後フライパン使うのに持てないよな…、ええいもう全部料理長のおばちゃんに任せよう。)
「あにゅ~、おB…おねぇーしゃん、おねぇがい、しましゅ」
「…え! あたいかい?」
「あい」
「坊や、あたいをお姉さんって言っても何も出ないよ?」
料理長はまんざらでもない感じで言う。
「らい、ひちょりで、できにゃい、これ、おねぇがい、しましゅ」
「あいよ、どうすれば良いんだい?」
「たまごぉを、わっちぇ~、ぼーりゅの、にゃかに、いれぇて、にゃかのと、いっちょに、まぜぇまぜぇ、おねぇがい、しましゅ」
「えーっと、卵の中身をボールの中に入れて中のと一緒に混ぜれば良いんだね?」
「あい」
料理長は言われた通りにこなす。
「これで良いかい?」
(ん~卵足りなかったかな? もう一個入れてもらって…味はどうだろう?。)
ライは人差し指をボールの中に入れて味見をする。
(うん、味はまーこんなものか、正直言えば醤油が欲しいがない物ねだりは駄目だからな、どのみち自分で作る予定だから完成するまで我慢しよう。)
「たまごぉを、もういっこ、おねぇがい、しましゅ」
「あいよ、……これで良いかい?」
「あい!」
(後は焼くだけだから任せて良いかな?。)
「あちょは、やく、だけ」
「どっちで焼くんだい?」
(ん?どっち? まさかオーブンあるの!?。)
バッと周りを見て調理器具が自分の思っている以上に揃っていたことに驚く。
(この世界の進歩具合が分からん、オーブンはあるのに豆スープは無さそうだし本当に分からん、慣れなきゃいけないのと色々調べよう。)
焼き方などの説明をしながらなんとか完成した、出雲家風オムレツ、なぜ風なのかはピーマンと醤油が無かったからだ。
「ん~見た目は美味しそうだけど、これはどうなんだい? バーダさん食べてみておくれよ」
「? らい、たべりゅよ?」
「…ライ君、毒見は良いのですか? 私はこれでも毒耐性スキルを持っているので多少の毒物なら食べても問題ないですよ?」
この発言にライは頬を膨らませて講義をする。
「らい、しっぱぁい、しにゃい! ちゃーん、と、できちぇる!」
「すみません、ライ君が失敗したとは思っていないんですが一応ライ君は幼いので少量の毒でも危ないんですよ、ですから毒見を申し出たのです」
「ごめんよ坊や、ラウル様やメア様で習慣で言っちゃたんだよ、悪気は無いから許しておくれ」
「うぅ~、あぁい」
(納得はいかないけど納得しよう、ここは貴族の家だもんな毒見があるのを忘れてた俺も悪いだろうし。)
「じゃー、たべりゅ」
オムレツを食べる為にスプーンを持ってバーダに椅子に座らせてもらう。
「いたたきましゅ」
(ん、美味しい! チーズが良い味出しておいしい、ただやっぱりピーマンの苦味が欲しかったな~、醤油が出来たら色々作ってやる! 最終目標はちゃんと美味しい納豆だな。)
「では私も、……これは美味しいですね」
「どれあたいも、……なんでこの食材だけで…チーズの風味も良いけど玉ねぎの甘みも良いね」
「ええ、思っていた以上ですね」
「さすが、料理32だね~あたいも頑張らないと」
(作ったのほぼ料理長さんだけどね、あ、ちなみにフツマのご飯は作っておいたよ? 外でムシャムシャ食べ始めたから大丈夫だろう、作ったのはスルメを湯がいてふやかした物と甘い緑の果物、中は白かったから多分リンゴみたいな物だろう、当の本人は喜んで食べてたから良いだろう。)
食べ終わり、カーリが待っている部屋に行こうとすると料理長に色々聞かれたがバーダがまずはカーリとの話を優先することを伝えて諦めさせていた、フツマを拾ってカーリが待つ談話室に移動する。




