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ロスト学園2  作者: 神木界人
1 葵視点 洞窟の修行
5/51

3 原因

 八階層に戻ってみたものの、もはやすでに手遅れになっていた。

 状況はさっきまでとは大いに異なり九階層のように荒れ果てていた。


「やっぱりそういう事」


 となればもはや原因はもう上の階層へ。

 私も急いで七階層まで上がってきた。


 確かにモンスターはもはやいなくなっていたが、だが階層自体はまだ荒れていない。


「という事はここに原因が……」


 流石に私も少し息を呑んだ。七階層とは言え、待ち構えているのは確実に中位から上位のモンスター。それこそダンジョンを壊して回れるほどの力の持ち主。


 今までは圭君がいてくれたけどこれだけ大きな敵に一人で立ち向かうのはいつ以来だろうか。下手したら初めてかもしれない。


 恐る恐るではあるものの七階層を回っているとある地点から少しづつではあるものの階層そのものを震わせるような咆哮が響いてきた。


 確実に近づいている。


 そして私が一歩一歩声の方へ足を進めるにつれ、その声の響きも周りの洞窟の揺れも大きくなっていく。

 下に転がる石が声だけでカタカタと揺れるのだから振動としては相当なものだろう。


 そして明らかにその原因が潜んでいるのであろう部屋にたどり着いた。

 他に道も無いし、おそらくこの中に敵はいる。


 私は胸にぶら下がるアイスストーンに一度手を当てたのち、深呼吸。


「私がやらなくちゃ」


 怖いとか泣き言は言ってられない。何が何でもここでこの害悪は止めてやる。


 そんな思いで私は扉を開いた。

 そしてそれに反応するように今日一でものすごい咆哮を浴びる。それで怯ませようという魂胆なのではと思ってしまう程強力な鳴き声で。


 モンスターの形状は蛇。ただ、蛇といえども大きさは普通の五倍くらい。この部屋の高さ三分の二くらいは占めている。ゲーム開始前に十層ごとにボスがいるという話はあったからして、おそらくこの蛇は十階層に潜んでいたボスという事だろう。

 手足は無く、その分立派な牙をこちらに見せつけるようにむき出してそこに立つ。色はスミレのような鮮やかな紫。皮をはいで持ち帰ればそれだけで洋服などの素材にも出来そうだ。

 と、そんな暢気な分析を待ってくれるほどモンスターに理性は無いし、優しくも無い。

 グイっと体を前に伸ばし、ご自慢の牙で私をかみ砕こうと近づいてくる。スピードも早い。七階層の敵までしか戦っていなかった私にとっては想定外の強さ。


「アイスストーン発動。アイスビーム」


 その蛇の動向を止める程度にはなるかと思っていたがもはや避けれるとは。自動車レベルのスピードで走りながら自由に右左に曲がれるとか軽いチート級。


 さらに右に避けた反動をそのまま利用し回転するような形で尻尾をこちらへ。


 

 流石に魔法も剣も間に合わない。



「うぐっ…………」


 相手の繰り出す攻撃の威力そのままに私の体は部屋の壁まで弾き飛ばされる。

 さらに容赦なく、壁の側で怯む私にめがけて再び噛みつこうと。


「これまた避けられない。――――となれば」


 速攻で腰付近にある剣を引き出し縦に持ち、その蛇口につっかえ棒のようにして差し込む。

 こうすることによって何とか私がかみ砕かれるのは防げたが…………。


「めっちゃ力、つよ」


 このままではこの剣ごとかみ砕かれてもおかしくない。


「うぅ…………」


 もはや身動き一つとれずかみ砕かれないためだけに必死な私にとってはどうすることも。


 そしてその瞬間モンスターの周りが光始める。


「嘘でしょ」


 この状態でなおも攻撃してくれば私はひとたまりも無くなる。

 そんな考えが私の思考をくすぐった瞬間聞こえてきた。


光剣フラッシュソード



やっと会話できる相手が出てくるっポイ

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