表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/367

クロスドレッサー・ゲームセンター

「お客様、本当に男性なんでしょうか?チャレンジのつもりで用意したのですが……まさかその服をそこまで着こなせるとは……」

 勝手に人をチャレンジさせるんじゃないよ……


「俺は男だ!」


「「「いやいやいや」」」

 なんでそんな「またまたご冗談を」的な感じなん?


「ヴァイス、皆になんとか言ってよ」

 もう女性3人組は俺の話を聞いてくれる感じがしないのでヴァイスに助けを求める


「うむ、これは男には見えぬな。我もこちら側だ」

 そう言って女性3人組の方に歩き、完全に4対1の状態になった


 うん、正直こうなるのは分かってたよ。試着室を出る前に鏡を確認したけど、まぁ見事に見た目女の子でしたね……


「俺は……俺は男なのに……」


「見た目は仕方ないが、別にどんな服でも似合うのは良い事ではないか?」

 向こうに付いたはずのヴァイスがどんな服でも似合うなら良いと、あれはフォローしてくれているのか?


「そうですよ!男女どちらの服を着ても似合うって事はファッションが人より倍楽しめるんですよ?これは悲しむ事ではありません!むしろ、喜ぶ事ですよ」

 そうかなぁ?


「クロトは、どんな、恰好でも、クロト」


「かっこいいし、かわいいのー!」

 そうかなぁ!


 皆の言葉を聞いてるとなんだかこの恰好も悪い気もしないな。オシャレだし、そこまで否定する事無かったかな?


「この恰好、良いかも?」


「そうですよ!とてもお似合いです!」


「じゃあ、これ買っちゃおうかな……」

 皆良いと言ってくれてるし、他にも買っちゃおうかな?


「よし、じゃあ今皆着てる服全部買います!」

 皆似合ってるから買って遊園地に行くときに着ていこう


「お買い上げありがとうございます!ところで、遊びに行くとはもしかしてエルドランドですか?」


「はい、ここの皆で明日行こうかと」


「なるほど、!でしたら少々お待ちください」

 店長がスタッフオンリーの扉の向こうへ行ってしまった


「ねぇねぇ、エルドランドってなんなのー?」

 店長とは普通に話していたが、皆は知らないのが当然だよね


「エルドランドってのは明日俺達が行く遊園地の名前だよ。アトラクションとか多くて凄いよ?」

 俺も昔じいちゃんに連れて行ってもらった事はあるけどあそこは凄かったなぁ


「明日、楽しみにしてるのー!」


 エルドランド、俺も実はかなり行くのが楽しみなのだ


「今はこの服を買って、この後どうする?遊んでいく?」

 明日は明日、今日は今日。楽しみなのは変わりないが、せっかく皆でモールに来たのだから遊んでいかないとちょっともったいないかなと思う


「遊んでいこうではないか!」「遊ぶのー!」「遊ぶ」

 皆遊ぶ気満々だし、ゲーセンにでも寄って行こう


「オッケー、じゃあ遊んでいこうか」

 まずは店長さんが帰ってこない事にはどうしようもないけど


「お待たせしました。これどうぞ!お客様のお陰で新しい客層も呼び込む事に成功したのでこれはお礼です」

 店長がエルドランドのペアチケット2組分を手渡してきた


「当店をよく利用されるお客様などにご優待キャンペーンの一環として用意していた物なのですが、私が楽しませていただいたお礼です」


 うん、パークのチケット2組分だから4人。俺、ヴァイス、シルエッタ、ケル(&ベル)全員で行くことが出来る。とても嬉しいけど、やっぱ俺で遊んでいたんじゃないか!


「ありがたく使わせていただきます。服の会計お願いします」

 ここまでしてもらって買わないという事など出来る訳も無い。試着したままだが会計する事を許してくれたのでついでにと他にも用意してもらった服も一緒に買う。せっかくだから3割引券も使わせてもらった


「お買い上げありがとうございました。またお客様がご来店して下さる事を切に願っております!」

 目がギラッギラしてる。今度来たらどんな服を選ばれる事か……


「ま、また来まーす……」

 ふわふわした言葉を残し、皆を連れてall-rounderからゲーセンに向かう事にした



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ