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クロスドレッサー・ゲームセンター

「で、見繕ったのがコレですか……」

 今現在試着室で店長さんに渡された服を持ち、困り果てる


 店長さんが俺達の所に戻って来た時は前が見えないんじゃないかと思うくらい服を抱えて来たので、皆慌てて店長さんの所に走り寄ったが、「素材が良いのでどの服も合いそうでいっぱい持ってきてしまいました」との事で持ってきた服を皆に配っていた。


「これを着れば良いのだな?」

「あの試着室の中で着替えて来たら良いよ」

 ヴァイス、ケル、シルエッタの3人は服を受け取り、試着室に入って行く


「どんな服か楽しみなのー!」

「私も」


 これで皆の服を決める事が出来るな。さて、皆がどんな服を着るか楽しみだなぁ


「何をしてるんです?お客様の分も有りますよ?」

 まぁそうなりますよね。この店長が服を3人分だけ用意するなんて事は無いと思ったよ


「さあ、さあさあさあ!この服を着てください!私セレクトです!」

 私セレクトとかいう恐怖の単語と断れない雰囲気で俺は試着室に押し込められた。そして最初に至る


 渡された服はこの前の様なコスプレファッションでは無く、普通にオシャレな服。そう、オシャレな()()の服。


「どうして俺はこんな辱めを受けているんだろうか?」

 でも、折角選んでもらったから着ないと失礼……なのか?いやいや、正常な判断が出来てないぞ俺。何故、男の俺が女性服を着なければならないのか。そうだ!俺は別に着る必要無いじゃないか!


「ほう、これは……良い仕立てだ。店員よ、いい仕事をしているのだな」


「お褒めの言葉ありがとうございます、大変よく似合っていますよ」


「この服、可愛いの!」


「私達で、これなら、クロトは、もっと、凄そう」


「着替えるまで時間が掛かると思いますが、きっと可愛らしい姿だと思いますよ!」

 oh……退路が断たれた。これで俺が着替えなければ皆ガッカリしてしまうだろう。


「いったいどんな服なんだろうか、楽しみだなぁ!」

 ヴァイスめ……更にプレッシャーを掛けてきやがって


 もうカーテンの向こうからワクワクというかなんと言うか期待感が伝わってくる。ああああ!分かったよ!着るよ!着れば良いんだろ!


 ジャージを脱ぎ捨て、渡された服を見る。うわぁ、スカートだ……


 コスプレでスカートを着用するのは多少おふざけ感があってまだ精神的に余裕があった。だけどガチのオシャレとして女性服を着るってのはコスプレとは気の持ちようが違う。コスプレと女装はこう、一線を画すと言うかこの一歩は踏んじゃいけない気がする。だが……


「早く、出てこないかな」「ワクワクするのー!」

 皆が待ってる。ええい、ここで怯んでも仕方が無い!男玄斗!皆の為に女装します!




 着替え終わり、試着室のカーテンを開く


「「「……」」」

「クックックック……駄目だ、笑いが……」


 シルエッタ、ケル、店長さんは俺の姿を見て、言葉を失い、ヴァイスは笑ってやがる……


「ヴァイスの事笑ってやろうと思ったのに似合ってるから何も言えん」

 スキニーパンツやサマーニットで全体的に爽やかさを感じるヴァイスに文句をつけるファッションセンスなど俺は持ち合わせていない。そもそもこの服装を選んだのは店長さんだから服装に文句をつけるという事は店長さんへの文句とイコールだ


「二人も似合ってるね」


 ケルの方はボーイッシュな感じで纏めたのかショートパンツに腰巻きシャツとTシャツというベルに変わったとしても違和感が無さそうな服装


 シルエッタはガウチョパンツとオフショルダーのブラウス。まぁ皆文句の付けようが無いね、流石店長セレクトだなぁ……ここまでは


「どうして……どうして3人はこんな良い恰好なのに俺は……店長ォ!!」

 俺の恰好と言えば白いブラウスと腰部がコルセット状のハイウエストな黒いスカート。俗に言う童貞を殺す服とか呼ばれている服だ


「なんで女性服なんだよォ!」

 しっかり着ている俺が言うのもなんだけど俺もヴァイスと同じ様に男性服を用意して欲しかった


「おかしいの、クロトは女の子だったの!」

「ホントに、男?」

「やはり、私の目に狂いは無かった……!」


 いや、俺が男だと認められない時点で狂ってるんだよなぁ……



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