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ヘルドッグフレンズ

「「「「ご馳走様でした」」」」

 朝ごはんを皆で食べ、食器を片付ける。


「今日は服買いに行くぞー?」

 俺の一言を聞いた3人は各々反応する


「服?」「昨日の話なのー?」「服か」


 ケルには昨日話したが、遊園地に遊びに行くための服を買いに行こうという計画だ


「明日はケルのお願いだった遊園地に行くんだけど、今日はその遊園地で遊ぶ為の服を買っておこうってね」


「なるほど」「ふーん」

 まだ話していなかった二人も今の俺の話を聞いて何の脈絡も無く、服を買いに行く訳じゃないと気付いてくれた


「二人がどんな服を着るか、我も気になるなぁ」

 ヴァイスは二人がどんな服を買うのか気になっているが、俺としてはヴァイスも服を買って一緒に楽しみたいと思っている


「ヴァイスも肌の色は……まぁそういう人も居るかって出来そうだけど角と尻尾がなぁ……」

 そう、ヴァイスは勇者と戦った時に魔法がいくつか使えなくなってしまったのだが、その中に角や尻尾を隠す隠蔽魔法もあったらしい


「ご主人様、隠蔽が使えなくなってしまったです?」

 ベルに変わったみたいだ


「あぁ、勇者からゲートの破壊を守っていた時にやられてしまってな」


「それなら僕が隠蔽を掛けるです!」

 ベルが胸の前で右手を握り、何かを呟くとヴァイスの足元に小さな魔法陣が現れ、その魔法陣がヴァイスの体を上っていく。すると尻尾が消え、頭の角も綺麗に消えてしまった。これが隠蔽魔法という物か


「おぉ!これなら我が外出しても問題無さそうだ!助かったぞベル!」

 角と尻尾を取ってしまえばヴァイスは只の色白イケメンだ。これなら一緒に外出しても問題無いだろう。


「これはヴァイスの服も買わないとダメだね」

 シルエッタとケルは見た目は普通の人間だが、ヴァイスはちょっと人から離れていた。隠蔽のお陰でやっと普通のイケメンになったのなら皆で遊べる。ヴァイスだけ俺の中に入って皆で楽しむ……だとやはりヴァイスだけ疎外感がありそうなので隠蔽のお陰でその心配も無くなった


「流石に3人分の服となると少し高いのでは無いか?」

 ヴァイスがお財布を心配するが、その心配は俺の持つこの紙が解決してくれる


「それは!」


「おう、all-rounderの3割引券」

 俺が散々弄ばれた店の割引券、まさか使う事になるとは思いもしなかった。でも、使わないよりは使った方がお得だし、これをずっと持っていても意味はないので消費させてもらおう


「クロトが着せ替え人形にされた店の物ではないか!」

 その言い方は傷付くわ。それに、そんな話を聞いた女の子達は……


「ヴァイス様、クロトの、着せ替え人形の話、詳しく」

「クロトは女の子の服も似合いそーなの!」


 ほらぁ、食い付いちゃったじゃん。これは俺がまた着せ替え人形にされるパターンだよ?


「ベルは俺の味方だよね?」

 最後の砦である俺と似た境遇(?)のベルに助けを求める


「ごめんなさい、僕には止められない……です」

 あぁ、ハイライトが消えてる……最後の砦は儚く崩れてしまった様だ。もう俺に逃げ場はない


「はぁ、諦めるよ。偉い人も諦めが肝心だって言ってたし」

 自分にそう言い聞かせる。悲しいねぇ


「いや、待てよ?この前は蒼音ちゃん達に生贄として着せ替え人形になったが今回はシルエッタやケルも居る!」

 ベルの方はきっと危険を感じて店ではケルと交代する事はないだろう


「それに、もしかしたらヴァイスが餌食になる可能性も0%じゃない。これは俺が犠牲になる可能性も大分減ったのでは?」

 短絡的な発想で今回は店に行っても俺は無事に過ごせると考える


「きっとそんな事は無いと先に言っておこう」

 あまり不吉な事言うなよ?


「とにかく、皆でモールに服を買いに行こう!」


 今までの様に、俺の中で隠れてもらって一緒に移動するのではなく、皆出て来た状態で一緒に歩けるという事がとても楽しみなクロトであった



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