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ヘルドッグフレンズ

「とりあえず背中洗ってもらっても良いかな?」

 ベルのお願いだった背中を洗わせてほしいという要件を終わらせて風呂から出ないと変な空気になりそうだと思ったのでさっさとお願いを叶えるとしよう


「あ、はいです!」


 イスに座り背中をベルに晒す。こうやって人に晒すのは初めてだな


「結構酷い傷だろ?嫌だったら無理しないでね?」


「そんな事無いです!話はご主人様から聞いたです。この傷は勇気の傷です!」

 ベルは俺の傷を見て、背中を洗う事をやめようとはしなかった。


「勇気の傷か、まぁ結局守り切れなかったんだけどな」


「その二人の事はどうでもいいです!そんな二人でも守ろうとしたクロトさんは本当に勇気があるです!」

 なんかそんなに褒められると照れるな


「ありがとうな、褒められるのは嬉しいよ」


「ふふ、じゃあ背中失礼するです」

 ベルがボディソープを手に付けて俺の背中に手を伸ばす。


「どうです?気持ちいいです?」

 傷に注意しながら背中を洗われる。人に背中を洗ってもらうのは初めてだけどこれ結構気持ちいいな。


「うん、気持ちいい。背中洗ってもらうのって初めての経験だけどベルは誰かの背中洗った事あるの?」


「ないです」

 経験無いのにこんな背中洗うのが上手いのか


「すごい上手いよ、初めてでこれは凄いんじゃない?」


「ありがとうです!」

 ベルも褒められて嬉しいのか少し背中を洗うスピードと力が上がる


「おっ、ちょっと強いけどこのくらいも良いなぁ」


「わわっ、強かったです?ごめんなさいです」

 力を弱め、先程より優しく背中を洗うベル


「うーん、強くても良かったんだけどこの優しい感じも良いからなんとも言えない。ただ一つ言える事はベルは背中を洗うのはとても上手だって事かな」


「えへへ……そんなに褒める事です?」

 だって褒めて欲しいって後ろから感じるんだよ?そりゃ褒めてあげなきゃ


「よし、背中洗ってもらったから次は俺が洗う番だな?」


「えぇ!?大丈夫です!自分で出来ますです!」

 俺だって自分で背中洗う事は出来るけど洗ってもらったんだからお返しはしないと……本音は俺が恥ずかしかったからベルも恥ずかしがらせたい


「さぁさぁ!イスに座って!」

 立ち上がり、ベルと場所を交代する。


「わわわ!待ってくださいです!」

 ベルが待ってと言うがそれは聞けないなぁ?


「はいはい、観念しろー」

 両手にボディソープを付け、ベルの背中を洗う。


「はぁ、ちょっと……ひゃん!」

 なんだかとってもイケナイ事をしている気分だ。


「変な声出すなよ!?背中洗ってるだけだろ!?」


「でもっ……気持ち、良くて……ひぃん!」

 流石に手を止める。これ以上はこっちの方が恥ずかしい


「えぇ……止めちゃうん……です?」

 だから!そういうのはやめろって!


「ベル……流石にそういう反応はマズい。やっぱ自分の体は自分で洗おう、な?」


「はい、です……」

 残念そうにするなよ?たぶんこのまま洗っていたらとても、とってもアブナイ事になっていたかもしれない。


 二人共若干、気まずい雰囲気の中で体を洗い、浴槽に入る。


「家の風呂は大きめだけどベルと俺くらいなら二人で入っても結構余裕だな」

 頑張ればもう一人くらい入れそう?……いや、今家に居るので入れそうって言ったらシルエッタくらいだ。こんな所に3人で風呂に入る?馬鹿言ってんじゃないよ。俺、犯罪者の仲間入りしちゃうよ


「そういえばベル達は俺らと合流する前はどうしてたの?」

 ご飯とかどうしてたのか気になるし


「ご主人様と逸れてしまったので隠れてたです」

 やっぱその辺はしっかりしてるんだな


「ご飯とかどうしてたの?」


「2か月くらいはご飯は食べなくても生きていけるです」

 2か月喰わないで生きていけるって凄いな


「ん?じゃあなんでヴァイスは行き倒れてたんだ?」


「世界を超えるってかなり力を使うって聞いたです!それで僕達がこっちに来るまで勇者と戦いながらゲートを展開し続けて、最後にゲートを壊されてしまったですから魔力が壊れた部分から抜けていってしまったとご主人様は言ってたです」


 壊れたゲートとやらを維持しながらヴァイスがこっちにやって来たから魔力がすっからかんの状態で来て、行き倒れって事か。で、こっちに来たら来たで弱体化して魔法もいくつか使えなくなったって……結構踏んだり蹴ったりだなヴァイス


「なるほどねぇそういえばなんで魔法少女に追われてたの?」


「変な奴らに絡まれて逃げたら魔法少女?とやらに攻撃されたです……」

 変な奴ら……


「それって紫の肌で人型で触覚みたいなの生えてた?」


「はい大体そんな感じです」

 やっぱりか……アイツらは何の目的でヴァイスの仲間を襲うんだ?


「そっか、災難だったな。そういえば腕の怪我は大丈夫?」


「はい!直接魔力を貰ったお陰で直ぐに治せました!ありがとうです!」

 そう言って傷跡の無い手を見せてくる。跡が残らなくて本当に良かった


「魔法少女は市民を守ろうとしてベル達に攻撃したと思うんだ。だから魔法少女達の事を許して欲しい」


「うーん、許しても良いです。でも条件があるです」

 条件とは?


「髪を洗ってくださいです!」



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