ヘルドッグフレンズ
「ピーンポーン」
チャイムが鳴る。
事前にベルに説明したのでシルエッタの影経由で隠れてもらう
「いらっしゃい、遅かったね?何かあった?」
何かしていた張本人がつらっとしていますがこれも皆の為なんです。
「お邪魔します遊馬さん!大変でしたよ、詳しくは話せませんが昼頃話していた魔物は無事討伐出来たので安心してください!」
ほうほう、ちゃんと俺が建てた筋書きの様に動いてくれているのかな?
「そっかーそりゃあ良かった、心配してたけど見た所怪我も無い様だし……弁当もしっかり食べてもらえたかな?」
「それはもちろん!皆綺麗に食べましたよ!支部長は感動して泣いてました」
えぇ……そこまで?
「そ、そうなんだ……来週も作れば良いんだよね?」
「お願いします!皆楽しみにしてますから!」
楽しみにしているならしっかり作らないとな
「任しとけー、来週もしっかり作ってやるぜぇ?」
「ははー、クロト様には頭が上がりません。何卒、何卒おいしいお弁当をお願いしますー」
なんかノリノリだな
「では、帰ります」
空の弁当箱を預け、玄関を出ようとする蒼音ちゃんに声を掛ける
「ちょっと待ってて?」
帰る前にお土産だ。
キッチンに行き、お昼の待ち時間に作ったクッキーをホイルで包み、トースターで少し加熱する。
これで少ししなっとしたクッキーもサクサクに戻るから蒼音ちゃんに持たせるのに丁度良いだろう
透明な袋にクッキーを入れ、玄関で待っていた蒼音ちゃんに持たせる
「はいこれ。皆で分けるか一人で食べるかは蒼音ちゃんに任せるよ」
「わぁ!クッキー!支部の皆と一緒に食べますね!ありがとうございます!」
「気を付けてね?」
「はい!遊馬さんには感謝しかありません!それではさようならー!」
蒼音ちゃんが玄関からから出ていくので手を振りながら見送る
(行ったな?)(行った)(行ったです?)
俺の中から3人の声がする
「出てきて良いぞー」
声を掛けると3人が出て来た
「急に帰ろうとしていたのを止めたりするから焦ったぞ?」
「確かに出来るだけ一緒の時間は減らした方がバレにくいけどいつもと様子が違うのは怪しいからな。いつも通りの感じでついでにお土産くらい持たせた方が怪しまれないかなってな」
「演技、完璧」
騙すのは良くないんだけどな、これもヴァイス達を守る為だ
「さんきゅー」
「すごいです、クロトさんは色々考えているのです!」
なんだか照れるなぁ?
「ほら、ベルも一つどうだい?」
そう言って皿に置いている温め直したクッキーを指差す
「良いんです?」
「もちろん。皆で食べちゃって良いよー」
今日からケルベートも家の仲間だからな、歓迎会の料理は流石に今日は出せないけどせめてクッキーくらいは食べて欲しい
「では、頂きますです……ほわぁぁ、美味しいです」
うんうん良い反応だ。作った甲斐がありますなぁ?
「我も」「私も」「私もなのー!」
おや?ベルからケルになった様だ。まぁ共有していても実際に食べたいという事なのだろう
「サクサクでイケるぞ!」「流石、料理、上手」「うまーなの!」
好評の様だ。良かった良かった
流石に家の中でケルベートが元に戻るのはヤバいが、ケルとベルの姿で過ごしてくれるのでありがたい限りだね
「よし、じゃあケル達の部屋はシルエッタの部屋の隣で良いか?」
こういう事は悩んでいてもしょうがないのでささっと決めてしまう。
「お部屋!?お部屋もらえるのー?」
「今日から家の仲間だからな、部屋は有るよ?」
「ご飯もお部屋も……クロト大好きなのー!」
ケルが抱き着いてきた。ヴァイスを探してコソコソしていたのが、ヴァイスは見つかってしっかり休める場所とご飯が食べられるとなればそりゃこうなってしまう……のか?
「むぅ……クロト、私も、好き」
なんかシルエッタまで抱き着いてきた。なんだなんだ?
「はっはっは、流石クロト!我も好きだぞ!」
なんでヴァイスまで抱き着いてくるんだ!?
「なんだなんだ!?急にどうしたんだ?」
「なんでも、無い」「なんでも無いぞ!」「なんでもないのー!」
なんでも無いと言いながら皆ニコニコしてるが……まぁ皆楽しそうだからいっか!




