野良猫再び
「このくらいで良いかな?」
多分1時間くらいやってたと思う。
「ありがとうクロガネ」「はぁ~気持ちよかった」
二人とも満足してくれたのかベンチから立ち上がる。
「また、頼むよ」「次もお願いします!」
また、か……
「本当は次なんて無い方が良いんだけどな……まぁ約束だし、次があったらまたご褒美してあげよう」
二人は野良だし、怪我などしたら政府に保護という名目で捕まる可能性だってある。あっでも北一支部だったらなんか大丈夫そう……かな?
「でも、これだけは約束してくれ」
「「なんだ?」」
「ヤバいと思ったら逃げる事、死んじゃったら俺は二人にご褒美出来ないからな。絶対無理はしない事!」
同じ野良仲間として二人には死んでほしくない。もちろん支部の子達も死んでほしくないが、支援の無い二人が無理をして死に掛ける事だけは避けたい
「無理をするなはこちらのセリフだクロガネ」
およ?明星に怒られたけど無理してる……?
「そうだぞ!昼の時だってあんな戦い方したらクロガネの方が先に死んじゃうぞ!」
確かに、あの時シルエッタが影の腕で援護してくれなかったら俺は確実に殴られていた。
「そう……だな確かにあれは無理があった。俺も無理しない様、気を付けるよ」
心配させる様な戦い方は他の人の精神面に影響する可能性がある事を考慮していなかったな
(心配してくれるのは良いが今のクロガネならあのくらいの攻撃なら耐えられるぞ)
今その情報出すかね?ヴァイス君……まぁ耐えられるとしてもこれからは出来る限り無茶はしない
「お互い、無茶はしないようにしよう」
二人は森から去る為、式神を呼ぶ様だ。
明星とマーシャルもそうだが、俺だってヴァイスとシルエッタが居るんだ。無茶して俺が死んだら二人も死ぬかもしれない。
「そうだな、お互い気を付けよう。じゃあな!明星!マーシャル!」
明星が呼び出した式神に乗り、森から去る二人を見送りその場に残る俺。
「シルエッタ、影の力を俺も使える様になりたいから練習付き合ってくれ!」
俺は新しい力を自分の意思で使える様になる為、シルエッタに頼み込む。
(むぅ……)
なんか拗ねてらっしゃる様だ
「どうかしたの?何か悪い事でも言っちゃった?」
(教えるのは、良い)
影の力の使い方を教えてくれる様だが……何だろ?
(私も、なでなで、欲しい)
そう言って、シルエッタは俺の影から出てきてベンチに座る。変身解除しなくてもシルエッタは出られるのね……
「シルエッタも撫でて欲しかったの?」
「うん」
そっかー、あの二人結構気持ちよさそうにしてたもんなぁ。どんな感じか気になったのかな?
「教えてもらうんだし、そのくらいお安い御用さ。ほい、良いよー」
また、ベンチに座り、今度はシルエッタの頭をふとももの上に乗せる。
「シルエッタ様ーどうか影の力の使い方をお教え下されー」
なでなで
「あぁ、良い、良い」
「シルエッタ様ーどうかこれでー」
もみもみ
「あぁ~、あぁ~、良い!」
なんかちょっとイタズラしたくなっちゃったので耳に息を吹きかける。
「ふぅ」
「きゃふぅ」
ビックリした様だが何故かふとももの上で溶けた様にぐでーっとするシルエッタ
「どう?」
「気持ち、良い、クセに、なる」
半分液体になったんじゃないかと思うほどぐでーっとした影の講師様は果たして授業出来るのだろうか?
とりあえず10分程頭をなでたり、揉んだりしてシルエッタの機嫌を取る事に成功した俺は漸く、影の使い方をレクチャーしてもらえる様だ。
「まず、影が無いと、影は、使えない」
至極当然だが、影を操るんだから操るものが無いとどうしようもない。でも基本的に自分の下に影はあるんだからそうそう使えない状況は無いだろう。
「影の腕は、自分の、腕と、一緒」
「早速分からないです」
これは扱えるようになるまで時間が掛かりそうだ。




