野良猫再び
「うまー!クレープ、うまー!」
シルエッタにクレープを作ってあげて食べさせたらこの反応である。
「ほら、ヴァイスも食べみ?」
ヴァイスに出来立てのクレープを差し出す。
「これがクレープ、はむっ……んおっ!この甘さ!生地の食感!美味い!」
二人には好評の様だ。
「クレープってのはまぁデザートが一般的だけど……」
二人に出したのは中にアイスとチョコソースや生クリームで作ったデザートタイプのクレープ。
「こんな風に主食にもなるんだよねぇ」
昼ご飯を一緒に済まそうと考えていた俺はクレープ生地の中にツナやハム、チーズやレタスが入ったサラダクレープを作っていた。
「それも、食べたい」
「我も、それを昼ご飯にしたいぞ」
ご要望が来たのでクレープ生地を焼いていく。
「ススーっとやってパッと!」
自分でも良く分からない掛け声と一緒にクレープ生地を作っていく。
「あぁ、見ただけで分かる。あれは我が手を出して良い代物ではない」
「あれは、手を出したら、失敗、する」
二人に生地を焼くのをやってみるかと聞いた時、帰ってきた言葉だ。クレープ生地を減らして自分の分を減らさない二人の意見が合致したのだろう。
「ほい、生地お待ちどう!好きな物巻いて良いよー」
焼けた生地を皿にのせ、二人の前に出す。きっと今日行く予定だった店で食べた方が美味しいクレープが出たかもしれないが、店では出来ないトッピング自由で二人を楽しませてあげよう。
「我は肉主体で行こう!」
「サラダ、作る」
二人は欲しい具を選び、載せていった。ヴァイスが肉主体と言っていたので少しだけ肉を焼いてあげる
「「出来た」」
二人のクレープが完成し、お互いどんなクレープになったか見せ合う
「我の特製肉巻きクレープだ!」
牛肉とレタスそれとチーズが入っている。ヴァイスが作ったクレープはガッツリ主食系のクレープとなっていた
「私の、クレープ」
シルエッタは俺のを真似たのかツナ、ハム、レタス、コーンにミニトマトが入ったサラダ系クレープに
「二人とも良い感じのクレープが作れたね」
俺もさっき作ったクレープを自分の前に置き、二人にいただきますの声を掛ける。
「じゃあ二人のクレープも出来た所で、いただきます!」
「「いただきます!」」
二人とも2枚目だというのに食べるスピードは全然落ちていなかった。
むしろヴァイスに至っては食べるスピード上がってないか?
「うむ、自分で作る料理が食べられるとは初めての経験だ!」
あぁ、ダークマター作ってたからこれが自分で作った食べられる物って感動してるのか?
「早く食べるより味わってゆっくり食べなよ?せっかく自分で作ったんだから」
ここはヴァイスが作った事にしていいだろう。具材を選んだのはヴァイスだし。
「こっちも、イケる、クレープ、無限の、可能性」
シルエッタはクレープの可能性が無限だと言っている。
「シルエッタにクレープを食べさせられて良かったよ」
「クロト、ありがとう」
「ありがとうだぞ!」
二人の感謝の言葉にジーンとする。
「これからも頑張ろうな!」
今後はシルエッタも一緒に戦ってくれる。二人と一緒に頑張っていこう!
昼ご飯も終わり、魔物の襲撃で忘れていた事を思い出した。
「シルエッタ、炊飯器出して?」
そういえば影にしまったままだった炊飯器の存在を思い出した。
「はい、これ」
シルエッタの影から炊飯器を持った影の手が伸び、俺に炊飯器の箱を差し出す。
「ありがとねー」
その箱を受け取り、開ける。
1升炊きの炊飯器の内容物に足りない物が無いかチェックしてからセットする。
「うん、良い感じだ」
セットは済んだので今日の晩御飯の分だけ米を炊いてみよう。
炊飯器のタイマーをセット出来たので居間でゆっくりしようと思ったらヴァイスがニコニコした顔で待っていた。
「クロト、忘れてはいないだろう?今日買った物はそれだけでは無かっただろう?」
俺のバッグを無断で開けなかったのは俺に遠慮したんだろう。良いぜ、今からやってやろうじゃないか。
「じゃあ、夜までやってやろうじゃないか」
夜に野良猫同盟の二人に会わなければならないので、それまでの間は闘争の時間だ。




