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シルエットメイト

 路地から出て人前に戻る。


(ちょっと人より影が濃くなってるかな?)

 シルエッタちゃんが入っている影はほんの少しだけ影が濃くなっているが気になる程では無い。


(お兄さん、影の中、とても快適、住みたい、住んでいい?)

 影に住みたいですか……


(まぁヴァイスが今俺の家に住んでるし、良いんじゃないかな?)

 居候が1人増えるくらいどうってことないし、むしろ賑やかになって良い。


(やった!お家、ゲット!)

 そういえばヴァイスはぶっ倒れてたけどシルエッタちゃんはどうしていたんだ?


(シルエッタちゃんはこっちに来てからどう過ごしていたの?)


(私、色々な影、入ってた、ヴァイス様探してた)

 なるほど、影の中からヴァイスを探してたのね。


(じゃあなんで魔物に襲われてたの?)

 影の中に居るなら襲われる事なんて無いと思うけど何か事情があったのか?


(魔物の影、入ったら、バレた)

 おっちょこちょいかな?なんであれ助けられて良かった。


(シルエッタよ、よく我を見つけられたな?)


(この前、ヴァイス様の魔法、感じた)

 ひょっとして野良猫同盟と戦ってた時か?


(なるほど、あの時の魔法で我の場所に見当がついたが、移動の途中で魔物の影に潜んでバレて襲われたと)


(そうなる)

 んーやっぱおっちょこちょいな気がする


(倒せたから良いけどアイツら何だったんだろうな?)

 警報が鳴らない、電波妨害は無い、魔力が感知しにくくて今までの魔物と違う気がする。


(さてな、また出てきたら倒せば良いだけだ)

 その発想、嫌いじゃないよ?


(そうだな、出てきたら倒せば良いか。とりあえず家に帰ったらまず自己紹介しよう)

 名前は分かるけど、やっぱしっかり自己紹介しないとね。


(わかった、家に着くまで、大人しくしてる)

 別に大人しくしていなくても良いんだけどね。


 帰る途中でまた奴らが現れ……る事など無く、バスに乗り家に帰る。


 そして家に入り俺の中からはヴァイスが、俺の影からはシルエッタちゃんが出てきた。


「よし、じゃあ改めて俺は遊馬玄斗これからよろしくな?」


「ん、私は、シルエッタ、よろしく」


「シルエッタの部屋は2階の階段上がって直ぐ左の部屋を使っていいよ」

 ヴァイスの部屋はその向かいだ。


「え?影の中だけで、良いよ?」

 まさか俺の影の中に住むってそういうつもりだったのか?冗談だと思ってました。


「ヴァイスに部屋があってシルエッタに部屋がないとかそういう事したくないから」

 女の子に部屋無しとかマズいでしょ?


「ありがとうクロト、お部屋、使わせてもらう」

 あぁお兄さん呼びじゃ無くなっちゃった……


「今日からシルエッタも家で仲間が揃うまで居ていいよ」

 今まで宿無しだったみたいだし、これからは家でお世話してやるぜ……


「クロト、やさしい、好き」

 ファ!? ロリコンでは無いがその一言はドキッとするわ……


「ははっそうかそうか!冷蔵庫に作ってあったプリンがあったな、今持ってくるよ」

 ハッ……俺ってこんなにチョロかったのか……


 俺がチョロかったのは置いておいて、シルエッタにプリンとスプーンを差し出す。


「ほら、魔物に襲われて大変だったでしょ?これ食べて」

 俺の作ったお手製プリンだ。


「ん、いただきます」パクッ

 一口食べるとシルエッタの瞳が輝いている。


「んー!んまい!」

 可愛いなぁ


「クロトよ?我の分も有るか?シルエッタが食べているのを見ていたら我も食べたくなった」

 まぁまぁ落ち着き給えよ?ヴァイス君


「じゃあヴァイスにはプリンかアイスの2択を選ばせてあげよう。」


「な、アイスもあるだと……!?」

 流石にプリンもアイスも数がある訳じゃないからね。2択にしないと……


「はっはっは悩め悩め!あ、今日の晩御飯は焼肉でもやろうかな?シルエッタが見つかった記念って事で」


「焼肉だと……それを考えればアイスが良いのではないか?いや、シルエッタのあの表情を見るにプリンも相当美味しいに違いない……ぐぉクロトめ、なんて難しい選択をさせるのだ……」


「んまんま……」


 悩んでるなぁ、実は俺が我慢すれば2人ともアイスもプリンも食べられるんだけどね。

 ここは黙ってヴァイスが悩んでいる様を見るとしよう。


「ヴァイス様、楽しそう、こっちに来て良かった」


「そっかこっちの世界も楽しんでるなら良い事だ」


「多分この世界が楽しいのもそう、だけど、クロトがもっと楽しくしてる」

 シルエッタは俺のお陰でヴァイスが楽しんでいると思っているみたいだ。そっか……


「ヴァイス、プリン食べていいよ。アイスはご飯食べた後に食べたら良いさ」


「おぉ!感謝するぞクロトよ。では早速……おぉ!確かにこれは美味い!滑らかプリンと言うやつだ!」

 幸せそうな顔を見るだけでも人は幸せになれるものだ。


 そんな風にヴァイスを見ていた俺の袖を引っ張るシルエッタ


「ヴァイス様、嬉しそう、ところで、私にもアイス、ある?」


「ふふっ心配しなくてもちゃんとあるよ」

 この居候達は俺の人生を楽しくしてくれる。アイスやプリンくらい作ってやらないとな!





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