魔刀ルーゼ
「……よし、今回は女装スタイルで行くか」
「「「「「「!?」」」」」」
俺の発言で皆が驚く
「どうしたんだ?頭でも打ったか?」
「クロトが、自分から、女装、おかしい」
「女装するのは万歳ですがどういう風の吹き回しですか?」
「ビックリなの!」
「大丈夫かのぅ?」
「クロトの女装姿がまた見れるのか!」
各々勝手な事を言うが俺にも考えがある
「今回買う物が多いと思うからな。外見で判断する人も多いと思うから使える物は何でも使っていこうと思ってね」
最近理解した事で俺が女装すると男女問わず喜んでくれる事、微笑めば大体何とかなると分かったので恥ずかしいから絶対やらない。から、必要があればやると気持ちを切り替えた結果が今回の判断だ。お金があると言っても節約できる所は節約していこうと考えていた
「なるほど、それは確かに合理的だな」
「じゃあ、着替え、させる」
「ちょ!?」
影がズオォっと俺に襲い掛かってきた
「いやーっ!」
影の手がワキワキしながら俺の服を剥ぎ取っていく。まるでエ〇同人みたいに!
剥ぎ取ると言ってもちゃんとボタンは外してくれるし、脱がした服は畳まれていく。何と言うか俺のテンションと影の腕のテンションがあってないみたいだ
「おぉ……これはシャッターチャンス!」
「何と言うか……ご愁傷様とだけ言っておこう……」
「艶めかしいのぅ?」
「ハァ……ハァ……良い!」
「ちょっとドキドキするの……」
「これとか、どう?」
いつの間にか黒いワンピースを着せられていた
「それなら……クロトさん?髪の毛ちょっと失礼しますね?」
ディールに髪の毛を2、3本抜かれた。いったい何だ?
「ではこれをこうして……よし!完成!」
俺の髪の毛がモサモサァっと増え、長く伸びる。そして出来上がった物は……
「カツラ?……いや、この場合ってウィッグって言うのか?」
禿げている部分を隠すんじゃなくてオシャレ的な意味合いだから多分ウィッグで合ってると思うけど……
「さぁ、つけてみてください!」
「お、おう……ん?何だこのフィット感……」
ウィッグを付けてみるとまるで最初からこのくらいロングヘアだったんじゃないかと思うくらいの違和感の無さ。これはちょっと怖いくらいのフィット感だ
「元々クロトさんの髪から作ったんですから合わない訳が無いんですよ」
「へぇ……」
髪の毛を指で梳いてみる。凄い、サラサラヘアーだ
「何と言うか、もう完全に少女にしか見えんな?」
「びっくりするほど、女の子」
「髪が伸びるとまた全然印象が違いますね?」
「今のクロトは皆の妹みたいなの!」
「いやぁかわゆいのぅ?」
「これ週一で頼んじゃ駄目か?もう抱きしめたくて溜まらない!」
ルーゼに後ろからハグされて拘束される。足が地面に付かないのでもうされるがままだ
「このウィッグ凄いな?これだけ振り回されても落ちる気配全然無いや。というかどういう原理でくっ付いてるの?」
「あ、あぁそれ今クロトさんの髪と同化してますから逆さにしても髪でクロトさんを持ち上げても外れませんよ?」
それ最早ウィッグじゃないじゃん……
「あぁ、髪の匂いも素晴らしい!ほっほぅ!」
キャラ崩壊が激しいルーゼ。スンスン髪を嗅ぐのはやめて欲しい
「妾も嗅ぎたい」
「私も」
「私も嗅いでみたいの!」
「匂いも再現出来てましたか?確認させてください」
5人で俺の髪を嗅いでくる。なにこれ?どういう状況?
「はっはっは!人気者だな?クロト?」
「笑ってないで止めてくれよ……買い物に行けないだろ?」
「はっはっは、そのままだとクロトが泣くぞ?そろそろ勘弁してやれ」
ヴァイスの言葉のお陰で皆が放してくれた。だが、ルーゼ辺りの瞳がまだギラついている
「な、なんだ?どうしたのだ?」
5人の所からヴァイスの後ろに移動してヴァイスの服の裾を掴んで顔を出す。悪いなヴァイス。せっかく庇ってもらった所悪いがヘイトも頼んだ
「「「「「ズルい!」」」」」
皆のヘイトがヴァイスに全て集まった