戻って来た日常
「今日はちょっと遅かったのぅ?」
「そういえばそうなの!いつもは早起きなのにどうしたの?」
「じゃあ朝ごはんはまだですか……」
「ごめん。今から作るから……」
皆は既に起きていたらしく、テレビを見ながら待っていた
「妾も手伝うのじゃ!」
エリュアスが朝ごはんを作るのを手伝ってくれるみたいだ。助かる
「ありがとう。とりあえず人数分作っちゃうからエリュアスは自分が食べたい物作っちゃっても良いよ?手伝ってくれる特権だ」
「おぉ!好きな物を作って良いとな?では肉を焼くのじゃ!」
朝から肉か……まぁ良いけど
「何か、あったのかのぅ?」
「ちょっと、修羅場になりかけた……」
キッチンには俺とエリュアスしか居ないのでエリュアスに打ち明けた
「ほぅ?話してみるのじゃ」
「実は……」
他の皆には聞かれない様にこっそりと要約してルーゼとシルエッタの事を伝える
「それは羨ま……こほん、多分何の問題も無いと思うのじゃ」
「え?」
「多分そろそろやってくるじゃろぅ。ほら」
エリュアスとご飯を作っている間に2人もやってきた。ちょっと扉のすりガラスから見える姿にビクッとしてしまう
「おはよう!」
「おはよう」
笑顔の2人がドアを開けて現れた
「心配するな、ただ語り合っていただけだからな」
「ルーゼは、大事な、友達」
シルエッタとルーゼが隣り合ってテーブルに着いた
「ん?どうした?やけに仲良くなっている気がするが……?」
「「秘密」」
「くぅ~妾も自慢したい……」
「何を言ってるんだ?」
エリュアスの謎の自慢したいという言葉も特に意味が分からなかったからスルーして完成した朝ごはんを並べていく
「遅くなってごめんね。はいどうぞ」
「おぉ!この美味そうな匂い!待ちきれないぞ!早くいただきますしよう!」
「今日のご飯も美味しそうなの!」
「やっぱご飯食べてる時が一番生きてるって気がします!はよはよ!」
「朝ごはん、食べよ」
「食べよう食べよう!美味しい朝ごはんだ!」
「じゃあ妾はここで食べるとしようかのぅ」
エリュアスはシルエッタとルーゼが居る面のルーゼの隣に座った
「それじゃあ皆」
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
各々好きな場所に座って朝ごはんを食べる。エリュアスが焼いた肉があるので朝から結構ガッツリだけど今後はこういうのもアリだと思う
「妾はクロトの歯磨きをしてやったこともあるんじゃぞぅ?」
「羨まっ!」
ご飯を食べながらおしゃべりをしてるけど、その話はちょっと恥ずかしい奴だからやめて……
「何々?何の話ですか?」
ディールが食い付く
「何、前にクロトの歯を磨いてやった事を自慢しておったのじゃ!」
さっきまでコソっと喋っていたのにディールが食い付いたお陰でオープンな会話になってしまった
「私はまだ一緒に寝ただけなのに!」
「私は、もう少し、先、いった」
俺は両手で顔面を覆う。こんなの羞恥プレイじゃん……助けてケル
「私は一緒にお風呂に入ったのー!」
俺は地に伏した。もう完全に言い逃れも何もできない、皆に手を出してる最低野郎と言われても仕方が無い状況だ
「中々凄い事してますねクロトさん?」
「これが全てがクロトからではなくこちら側からというのだからクロトの魅力よ」
俺としては節操無しみたいで嫌なんだが……
「嫌がらなくても、良い、私達が、勝手に、やって、クロトが、受け入れて、くれた。だから、クロトは、悪くない。感謝、してる」
「「「そうそう」」」
そうなのか?なんか乗せられてる気もするけど俺が正当化されていると言って良いのかな?
「私もクロトさんに色々して良いって言われたら色々やりたいですねぇ?」
なんか嗜虐的な笑みを浮かべるディール。何考えてるんですかねぇ……
「ディールは俺の写真撮りまくってただろ」
「あっそういえばクロトさんの女装姿(パンチラ写真)を撮ってました!てへっ」
「その写真詳しく!」
騒がしい朝ごはんだが楽しい時間でとても幸せな気持ちになる。炊き出しの時の忙しい感じも良いけどやっぱり俺はこっちの方が好きだな