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戻って来た日常

「むぅ……言い訳は?」

 現在俺とルーゼはシルエッタの前で正座で待機している


「「ごめんなさい」」


 俺の部屋に入って来たシルエッタは最初ドアを開けた時は


「起きてる?あ……」

「あっ」

 俺がルーゼを慰めている最中をシルエッタに見られた


「クロト、何、してる?」

「あ、あの……ルーゼが一人で心細くなっていたから……前にもシルエッタが寂しがっていた時があっただろ?その時みたいに慰めてたんだ」

「……分かった。信じる」

 一瞬俺達の姿を見たシルエッタのハイライトが消えたのをみたらゾクッとしたけどしっかり説明したらハイライトが返ってきた。ふぅ……怖かった


「ルーゼ、起きて」

 ゆさゆさをルーゼを揺するシルエッタ。うん、こう見ると小さいけどお姉さんみたいだな


「そこは、私の、場所」

 訂正、ただ場所取られて不服なだけだ


「クロト……もっとぉ」

 寝言で何を言ってるんですかね?ルーゼさん


「クロト、どういう事?」

「待て待て待て!俺はただこう撫でてただけだ!それ以外は何もしてないぞ!?」

 上からハイライトの消えた瞳で見下ろされる恐怖。頼む。ルーゼ早く起きてくれ!


「んん?あぁ朝か?」

 よぉし!やっとルーゼが起きた!これで弁解してくれれば全て丸く収まる


「クロト、さっきのまたやって欲しい。クセになってしまったかもしれない」

「クーロートー?」

 ハイライトの消えた瞳がじりじりと近付いてくる。超怖い……なんでこうなってしまうん?




 紆余曲折あって最初の状態に戻る


「あの……そろそろ朝ごはんを作りに行ってもよろしいでしょうか……?」

 自然に敬語になってしまうのは仕方が無いだろう


「分かった、クロトは、行って、良い」

「はい、では失礼して朝ごはんを作りに行かせていただきます……」

 さささっと部屋から退散して朝ごはんの調理に向かう。ドアを出る前にルーゼがちょっと泣きそうな表情になっていたけどスマン……俺にはこの圧に耐えられない。片手で謝って部屋を出る




「ルーゼ」

「はいぃ!」

 シルエッタに名前を言われただけでビクつくルーゼ


「どうだった?」

「へ?」

「クロトと、一緒に、寝るの」

 詰問されるかと思ったルーゼはその質問で間抜けな声を出してしまった


「それは……」

「正直に」

 そのシルエッタ表情は真剣そのものだったのでルーゼも正直に答える


「控えめに言って最高だった!クロトに包まれて今までに無い程の多幸感に包まれた!クロトの鼓動が不安だった私の心を安心させてくれるし、クロトの体温が温かくてとても落ち着いた。気がついたら眠ってしまっていた程だ……あっ」

 自分で言っていて恥ずかしい気持ちになったし、こんな事を聞かされたらシルエッタだってイラつくかもしれないとルーゼは不安になる。せっかくさっきクロトに安心させてもらったばかりなのに……


「でしょう?不安に、なったら、クロトの、所に、行けば、良い、言った、とおり」

「あ、あぁ……怒って、無いのか?」

「怒って、無いよ?ただ、羨ましい、だけ」

 まさかの羨ましいという理由でさっきの恐ろしい圧を出せるのか……


「羨ましい?」

「私も、前に、ベッドで、頭、撫でて、もらったけど、最近は、中々、やって、もらえない」

「そうなのか!?では私は貴重な体験をしたのか……ふへへ」

 実は貴重だったらしい体験を思い出しながら顔がにやける


「その気持ち、分かる。撫でられ、仲間」

 両手を掴まれて笑顔を向けられる。ふふっこんな事でも仲間だと言ってくれるのは嬉しい事だ


「そうだな!私達はクロトの撫でられ仲間だ!」

「でも、私の方が、撫でられ、先輩」

 ムフーっと胸を張っている撫でられ先輩シルエッタの姿を見てると自然に笑顔が出てくる


「クロトは、皆の、クロト、だから、独り占めは、ダメだよ?」

「もちろん、むしろあれほどの魅力溢れる者は私一人だけのモノに出来るとは到底思っていないさ。皆で一緒にもっと仲良くなっていこう」

「うん」

 クロトが朝ごはんをビクビクしながら作っている間にルーゼとシルエッタの仲はもっと深まっていた



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