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我が家

「おぉやっと起きたかのぅ!お腹がペコペコじゃ!」

「ゆっくり休めたです?」

「さぁ!ご飯ご飯!」

「疲れていたのか?扉に『すいみん中』と書いてあったから入らなかったが……」

 俺そんなの掛けた覚えないんだけど……


 扉を見ると確かに『すいみん中』と可愛らしい字でホワイトボードが掛かっていた。横に視線を向けるとスッと視線をずらすのが1名。知ってた


「また勝手に……でもゆっくり寝れたから感謝はすべきかな」

 最初の方は聞こえる様に言ったけど後半は聞こえない様に喋った。感謝はするべきだけどこんなの聞かれたら恥ずかしい


「後半、よく、聞こえなかった、なんて、言ったの?」

「さーて、皆のご飯作るぞー!」

 シルエッタを無視してキッチンに向かう。後ろからシルエッタがついて来るけどあえて答えない


「中から見てても凄いと思っていたが外から見ても凄いな?まるでショーを見せられている気分だ」

「僕達は料理全然上手じゃないからクロトさんに丸投げになってしまうから申し訳ないです。でもこれを見せられると邪魔するより見ていたい気分になるです!」

「いつ見ても凄いのじゃ!見た目も凄い、味も美味い、そして早い!これで妾達が食べたいって言った物を作ってくれるんじゃからクロトは良い嫁になるのじゃ!」

 おちょくってるのか褒めてるのか良く分かんねぇな?


「我々は既にキッチンで食材を調理する事を諦めている。不味い料理を食べて辛くなるより美味い料理を食べて笑顔になった方が健康的だろう?」

 俺だって失敗を重ねて上手くなったんだから皆にも努力して欲しいけど……流石に黒焦げになるとかじゃなくて紫色の液体になったりするってどうやったら出来るのかマジで分からないから俺は皆の健康の為にも料理を教える事は諦めた


「そういえばルーゼって料理出来るの?」

「えっ?いや、私は……」

 うん、もうその反応で分かるよ


「オッケー、今後も俺が皆の料理作ってやるから安心しろ」

 フライパンで食材を焼きながらも受け答えする。慣れれば会話しながら1品なんて簡単よ


「これだけいて皆料理出来ないってのも凄いな……流石に誰か1人くらい練習するか?」

「「「「「「……」」」」」」

 誰も手をあげない。炊き出しのお陰で沢山の量を作る事は何の問題も無いけどやっぱもう一人くらい料理出来る様になると助かるんだけどなぁ……


「エリュアス?やってみない?」

「な、何で妾なんじゃ!?」

「だって皆の中だと一番エリュアスが料理の手伝いやってるよ?」

 温度とか水とかエリュアスの力を使って超時間短縮料理を何回もやってきた


「クロトが教えてくれるのかのぅ?」

「教えて欲しいなら教えるよ?流石に難しい料理を作れとは言わないから簡単な物が出来る様になれば俺も助かるんだよ」

 エリュアスの手を握り、お願いしてみる


「そ、そこまで言うなら妾が料理を覚えるのもやぶさかではないのぅ!」

 正直エリュアスなら料理とか結構出来る気がするからしっかり教えれば俺が居なくても美味しい料理が作れるはずだ


「じゃが難しいのではないかのぅ?」

「簡単だよ。俺は包丁を使う時は確かに派手かもしれないけど料理って大体生で食べる以外だと焼く、煮る、蒸す、揚げるくらいだし、甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い、辛いの度合いをやり過ぎなかったら美味しい物になるよ」

 五法、五味の他にも五色の考えもあるけどエリュアスが作れるようになる料理はそこまで求めなくても良いと思う。でも辛味は刺激であって味に分類するのはあまり好きじゃ無いけど教えるのであればそういう自分の思想は一旦排除するべきだろう


「はい!ここで問題。エリュアスが覚えるべきものは何でしょう?」

「ん?調理法では無いのか?」

「半分正解で半分間違いだよ」

「半分?」

「だってエリュアスは俺の手伝いで焼いたり蒸したりしてるから既に五法はもう覚えてる状態なんだよ?だからエリュアスは味付けが出来ればもうほとんど料理が出来るんだよ」

「なんとぉ!?」

 難しく捉えず分けて考えればエリュアスはほとんど料理出来るはずなのだ


「やってみるかい?」

「やってみるのじゃ!」

 俺の時のように最初から失敗してじいちゃんに迷惑を掛けたのとは違い、エリュアスには成功して皆に認められた方が今後も料理をやってみたいという気分になるんじゃないかなぁと俺なりの指導方針を取る事にした



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