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復旧

「シルエッタが動き、ケルとベルが俺の存在感を薄くして、エリュアスは触られた時の為に体温の誤魔化しで、ディールは声を誤魔化しだな。で最後の問題は見た目なんだよなぁ……」


 光の加減とかで出来るだけどこに居るか分かりにくく、見られてもある程度問題無いくらいの見た目が無ければ……


(これなんて使えないか?デコイ)

 ポンッと目の前に人形の様な物が現れるとポコポコと音を立てながら俺に似た姿になった


「おぉ!凄い!どう?見た目似てる?」

 スルッと俺からヴァイスが出てきて俺とデコイを見比べる


「うむ、見ただけではほとんど変わらんな?」

「ルーゼのお陰で最後のピースが埋まったな。これで何とかなる!」

「我の力は……?」

「おう、ヴァイスは休んどけ。ルーゼのお陰でなんとか目途が立って良かったよ」

(デコイはとても単純で見た目だけなら真似出来るが動かないせいであまり使われない魔法だったのだが……見た目が必要と言っていたからな。これで何とかなるか?)

 触った感じ人間に触れたのと同じ感覚だけど体温は感じない。外の気温と同じだからこれを直接触られるとバレるな……でもエリュアスで体温を与えれば問題は無い


「とりあえずやってみるか。変身(リリース)

 ヴァイスの手を握ってこっちに戻す。クロガネに変身しても目の前には玄斗のデコイが立っている。なんて言うか不思議な気分だ……


 そしてデコイの玄斗に相談していた処置をしてみた


『こんにちわ』

「ちょっとこれ怖いな……」

 目の前で自分の声で挨拶する自分と同じ姿のデコイが手を振っている……自分で動かしてるけどこれは怖いな分かってはいるけど自分が偽物になった気分だ


(これは見破れないな……我が保証しよう)

 ヴァイスがデコイを見ても見破れないと言うのなら心配はないだろう。ヴァイス以上に俺と一緒に過ごしたって言えばじいちゃんしか居ないから多分見破れるとしたらじいちゃんだけじゃないかな?


「成功したのは確認出来たし戻ろうか。このデコイは一旦影に入れて準備が全部終わったら出せば問題無いだろ」

 俺の姿をしたデコイが影に吸い込まれていく。吸い込まれていく時右手を突き上げて親指をグッと上げながら沈んでいく。ちゃんと想像どおり動いているな

『あいるびーばっく』


 ふざけてるけどこれはただの確認作業だから……


「すいませんちょっと時間掛かっちゃいまして……」

 変身を解いてキッチンに戻った


「丁度味付けが終わった所だよ」

「ありがとうございます。助かりました」

 俺が戻った頃には肉だねに味付けが済んでおり、後は焼くだけ……という所まで進んでいるらしい


「ハンバーグの焼き加減に関しては俺よりずっと店長さんの方が上だと思うので巨大ハンバーグの焼き加減は任せても良いですか?」

「え?でもここは君の方が皆が喜ぶんじゃないかい?」

 店長さんには悪いけどこれからの俺はちょっと()()()な状態になるから店長に任せたい……


「皆が期待してると思うからこそ失敗出来ないんです……ここまで大きい物を作るとなると正直焼き加減は分からないのでお店を開ける程美味しいハンバーグを焼ける店長さんにお願いしたいんです」

「そうか……分かった!しっかり任せてくれ。絶対玄斗君には恥をかかせないよ」

 よし!これで俺の作戦は成功の見通しが立ったな。人を利用するのは心苦しいけど俺の正体がバレない為にも店長さんも利用させてもらう




「では準備が完了しましたのでこれから始めたいのですがよろしいですか?」

「分かりました。スカーレット?行けるかしら?」

「いつでも行けます!」

 火の準備も鉄板の準備も完了した。後は俺がクロガネになる為には一度ここから脱出しなければならないが電話が掛かって来たは流石にもう白々しいから別の方法で一瞬抜け出してデコイ玄斗と入れ替わろう


「そういえば切り分けとかどうするんです?この鉄板サイズのを包丁で切るんですか?」

「あ、その事忘れてたわ……」

 それ結構大事だと思うんだけど……


「まぁ焼いてから考えますか……お皿持ってきますねー」

「あはは……お願いねー」

 計画通り……俺はこの場から離れる事に成功した



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