復旧
「これで……良い、ですか?」
「感激……」
「うおぉぉぉ!」
「可愛い……」
「あれ……無理矢理?それとも自分から?あぁ、そそられる……」
晩御飯が終わった後スカートに着替えて撮影会(?)に行くと歓声が上がった。やめてくれよ……
「気が変わらないうちに早く際どい写真撮っちゃいましょう!」
「逃がすなっ!」
過激派2人は後回しにしてやろうかな?
だがもうここまで来たらもう演じるしかないな
「じゃあまずは復旧を頑張ってくれていた隊員さんから一緒に撮りましょう」
「しゃっ!」「よしっ!」
ガッツポーズする隊員さん達を前に俺はにこやかに笑う。今の俺は女の子だ
「どういう感じで撮りましょう?」
「じゃあ横に並んでピースサインでお願いします!」
「はーい。ピース!」
「ピ、ピース……家宝にしよ」
「俺もそれでお願いします!」
「はいピース!」
「はぁ……最高かよ……」
(それは役なのか素なのか分からんな?)
(変な事言わないでくれる?こっちも真剣なんだ)
(おっとそれはすまなかったな?頑張って女の子をやってくれ……クククッ)
笑うんじゃない。今正気になったら笑顔でこの人達と接する事が出来なくなる……今俺は俺自身を騙して女の子になりきってるんだ。余計な事を言うんじゃない
「はい次の人どうぞ!」
「あの、普通に並んでくれるだけで良いので……」
「はい!チーズ!」
「近っ!」
ぴったり横について写真を撮った。分かるよ?俺だって男だから女の子がぴったり真横にくっ付いてくれるって嬉しいよな?
「ありがとうございます!」
「あはは……」
90度の礼とかしなくても良いのに……
「次お願いします!」
次は女性の隊員が来てキラッキラした目でやってきた
「はい、どうしたら良いですかね?」
「じゃあ手を引いてる感じでお願いします!」
「えーっとこういう感じで良いですか?」
「はぁ~最高!それです!早く撮って!」
両手で女性隊員さんの手を握り、引っ張る感じのポーズを取ると喜色満面になった
「こんな子がこの世に居るなんて……神様」
こんな感じで要望に応えていった。ただやっぱり隊員さん達は俺の事は美味しい料理を提供してくれる人と理解しているからか要望もそこまで激しい物じゃ無い。物じゃ無いが……
「許可さえ取れればどんな写真でも撮らせてもらえるって!?」「許可さえもらえれば裸エプロンの写真が撮れるって!?」
暴走する2人(梓さんと神名さん)この2人どうしてくれようか……
「あ、カメラ撮ってくれる方?ちゃんと撮ってくださいね?」
「はい、しっかり撮るんでどうぞー」
「じゃあ神名さん?写真撮りましょうか?」
「え?えぇっとじゃあはだけた服装が……」
「たまにはこっちから指定しても良いですよね?」
「え、でも……」
「良いですよね?」
「え、えぇ……」
威圧感たっぷりの笑顔で押し切る
とんっと神名さんを押し倒し、寝かせた後うつぶせにする
「いったいどんな写真を撮るつもり?」
何を期待しているのか知らないが今の俺はそろそろ化けの皮が剥がれそうなんだ。そろそろ鬱憤を晴らさせてもらおう
「まぁまぁ、ちょっとくらい乱れてる写真もあっても良いじゃないですか?」
「それは……確かに」
耳元で囁いたら神名さんを納得させることに成功した
(イカンぞ?エッチなのはダメじゃぞ!?)
(心配すんな。お仕置きするだけだから)
そして俺はうつぶせになった神名さんの両足をスッと持ち上げる
「ちょ、ちょっと?そういうのはもっと人が居ない所で……」
「人が居る方が良いじゃないですか?」
そして俺は両足を脇に抱えてそのまま逆エビ固めを掛ける
「ちょ!?痛だだだだだっ!!ギブッ!ギブギブッ!!」
「カメラさん!撮影お願いします!」
「は、はい!」
きっと酷い表情になっているであろう。だが、これは必要な事だ
十数秒くらい技を掛けて神名さんのタップが激しくなったから解放する。これ結構苦しくなる技だから掛け過ぎは絶対厳禁だ
神名さんの足から手を離すと地面でピクピクしている。ソレから目線を梓さんの方に移す
「梓さん?際どい写真、取りますか?」
ブンブンと首を横に振って遠慮しますと断られてしまった。よし、裸エプロンは回避出来たな
「変な事さえなければ明日の朝ごはんも美味しい物作るんで皆さん明日も頑張ってください!」
「「「「「はい!」」」」」
何となくだけどこの瞬間だけこの場のトップに立った気分だった