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復旧

「うわぁ!ライブキッチンみたいになってます……って、えぇぇぇ!?」

「玄斗さん!?何やってんの!?」

「えぇ……?」

「朝ごはんはここでって言われましたけど……なんでここに玄斗さんが居るんですか?」

「エプロン……良い、じゃ無くて……ご協力感謝しますね玄斗さん」

 魔法少女達(+支部のオペレーターの方々)がやってきた。ラッシュ時間が過ぎた後にやってきたお陰かそこそこ仕込み済みの料理を出せる準備が整っていた


「へいらっしゃい。朝ごはんの用意出来てますよ」

 ごく自然に馴染んでいると言っても良いだろう。今ここは俺の領域だ


「へいらっしゃいじゃなくて……なにしてるんですか!?」

「ご飯作ってる」

「なんで遊馬さんが?」

「知り合いに頼まれたからやってる。さぁさぁ、皆もご飯食べて復旧作業頑張ってくれよ?」

「「「「えぇ……」」」」

 事情を知らない4人は困惑している。梓さんはどうやら話を聞いているらしく特に驚いた様子はない


 家の皆はご飯を食べた後満足して俺の中に戻ったので今は俺しかキッチンには居ないから特にバレる要因は無いと思う


「でも、まさか莉緒ちゃんと知り合いだったとはねぇ?」

「まぁあの人に助けてもらった過去があるんで恩返しみたいなものです。あと俺の家も燃えちゃったんで、修復を待ちながら力になれればなと」

 それを言うと魔法少女の4人がビックリした表情になった


「遊馬さんの家燃えちゃったんですか!?」

「すぐに直しに行かないと!」

 蒼音ちゃんと黄衣ちゃんは俺の家をすぐに直そうと言い出すがそれを止める


「それはやめてくれ。俺の家の損傷度的には優先度は下の方だから優先するのは良くない。それに俺の家が修復されたら俺が炊き出ししなくても良いかなぁ……」

 家が壊れているからホテルに泊めてもらっている、それはじいちゃんのお陰だから家が修復されたら俺は家に帰るし、炊き出しをする義務は無い。そもそも頼まれたからやってるだけだしなぁ……


「「ぐっ……」」

 どうやら家を直したい良心と炊き出しを食べたい食欲とで戦っているみたいだ


「まぁクロガネちゃんのお陰でぇ被害もぉある程度はぁ抑えられたからぁ順当に直してもぉそこまで時間は掛からないんじゃない?」

「そうですね、直していけばその内玄斗さんの家も直す事になりますよ!」

 あ、これ他の魔法少女にも俺の家バレんじゃね?


「ハッ!玄斗さんの家が分かれば美味しい物も貰えるんじゃ!?」

「恐ろしい事言うのやめてもらえない?皆の分までお弁当以外で作れって言われたら食費で借金する事になっちゃうよ」


 冗談っぽくでも実際お弁当作りで食費が嵩んでいるのは本当なので若干じいちゃんからの支援金を少し増やしてもらおうかと考えていたくらいだ。でもそこまで言えば流石に他の皆も理解はしてくれる


「そういえばあのお弁当って玄斗君が自費で作ってたの?」

「はい、そうですけど?」

「玄斗君、今度からお金払うわ。あのお弁当はタダで食べるのはあなたにも良くないもの……」

「ええ……いや別に」

「お金を払って玄斗君の料理を食べたいの!」

「えぇ……」

 押しの強さで今後はお弁当代は払うという取り決めが決められてしまった。政府所属の組織として民間人から無償でそういうのはマズい……とかなんとか言われちゃったら俺も従うしかない


「とりあえず朝ごはんどうですか?後ろの人達も待ってますし……」

「そうね、貰うわ」

 問答していても埒が明かないので朝ごはん提供のカードを切って強制終了させた。ご飯はやはり役に立つな


 オペレーターの方や、魔法少女達も用意されたテーブルで朝ごはんを済ませながら会話をしている。楽し気に会話しているな


「お疲れ様、玄斗君。休憩しちゃって良いよ?」

「お昼用にもう少し下拵えしてから休みます」

 神名さんがやってきて休憩しても良いと言ったが、下拵えがまだ済んでいなかったので終わらせてから休憩すると言った


「こっちから頼んだ事だけど良く頑張るなぁ?お給料出した方が良い?」

「さっき自分でボランティアだって言ってたじゃないですか……」

「なんかここまで頑張ってもらうとボランティアで済ませるのはちょっと……」

「家直してもらうからそれのお礼ですよ。後はじいちゃんの力になりたいだけですから」

「うぉぉ、玄斗君が眩しい……」

 会話をしながらも下拵えの手は止めない。俺の事を眩しいって言うけど有休使って救援に来てる神名さんだって十分眩しい存在だと思うけどなぁ……



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