終息
「せっかくだから1本いっとくか」
「「1本?」」
風呂を上がり、女湯から皆が上がってくるまで待つ間瓶のフルーツ牛乳を1本飲むことにする
「まぁ様式美というかこういう所に来たらやっておきたいというか……2人もどうだ?」
「いただくです!」「貰うぞ!」
「どれが良い?牛乳、フルーツ牛乳、コーヒー牛乳ってあるけど?」
「じゃあフルーツ牛乳が欲しいです!」「では我はコーヒー牛乳を」
「はいよー」
売店で3本買って2人の所に戻る
「これをな?腰に手を当ててグイっと飲むんだよ」
一気飲みは流石にちょっと辛いので半分くらいで一旦止める
「なるほど!こう!」「こ、こう!」
2人も腰に手を当ててそれぞれグイっと飲む
「ぷはぁ、美味しいです!」「うむ!冷えていて美味いぞ!」
2人も半分程飲んで感想を言う。好評かな?
「あ、クロト」「いやぁあのおばちゃん達の勢いというのは凄いのぅ?」「絡まれて疲れた……」「おぉ?瓶牛乳ではないですか!一度飲んでみたかったんですよ!」
女湯から上がって来た4人はやはり湯上り故か色っぽく見えた
「はいはい、牛乳、フルーツ牛乳、コーヒー牛乳の内好きなの選んでくれよ?」
「コーヒー」「じゃあフルーツ牛乳を貰うのじゃ」「そうですねぇ……ここはコーヒー牛乳が欲しいです」「コーヒー牛乳とかフルーツ牛乳は良く分からないが牛乳なら分かるな。牛乳で頼む」
「まさか、アレは、牛乳の、力?クロト、やっぱり、私も、牛乳に、する」
何がとは言わないけど気にする必要は無いと思うんだけど……口にしたら余計に気にしそうな気がするからここは黙っておこう
皆の要望通りの物を買って腰に手を当てて飲むという事を教える
「おぉ!これが風呂上がりの1杯って奴ですね!」「かぁ~~!うめぇのじゃ!」「スッキリとした味わいで美味い牛乳だ」「……凄い」
飲んでいた姿を見ていたけどルーゼは飲んでいる最中に一部がぷるんぷるん揺れていてそれを見たシルエッタが愕然とした表情でそれを見ていたから流石にフォロー入れておくか?
「俺は外面より内面を見るタイプだから、気にするな」
「私、何も、言ってない……」
ジトッとした目で言われた。これはミスったか?
「すまん!俺が勝手に勘違いした!ゴメン」
「勘違いは、してない、合ってる。でも、ありがとう」
セーフ……ここで失敗してたら変態かなんかレッテルを張られるところだった
「牛乳が美味いのは分かったが……そのフルーツ牛乳というのはどのような味がするのだ?」
「ん?飲んでみるか?」
半分残っていたフルーツ牛乳の瓶をルーゼに渡す
「おぉ!これは凄い!果実の甘味が牛乳がマッチしている!」
ゴクゴクと俺のフルーツ牛乳の残りは全部ルーゼに飲まれてしまった
「はっ!すまない!美味しくてつい……」
「いーよいーよ、とりあえずこの後ご飯だから皆飲み終わったら瓶はあそこに返してね?」
ルーゼから空になった瓶を受け取り、プラスチックのコンテナに瓶を返す
「この手際、流石、元魔王……油断、ならない」
「あのようにいきなり間接キスをするとはやり手じゃのぅ?」
「やりますねぇ?」
「あっ、いやいや!そんなつもりじゃ!」
間接キスでどうこう騒ぐのもどうかと思うけど……その事実を後から言われるとちょっと気恥ずかしい
「これ、あげる」
シルエッタが半分中身が残った牛乳瓶を差し出してきた。これは飲めって事か?
「えっ、いや……」
「ん」
有無を言わさぬこの圧力。ここで受け取らなかったら多分シルエッタを傷つけてしまうかもしれない
「分かった。貰うよ」
「ふふっ」
シルエッタから牛乳瓶を受け取り1口飲む。普通の牛乳も美味いな
「全部、飲んでも、良いよ?」
「牛乳は大きくなるのに良いから飲んどけ」
「むぅ~!」
「ん?身長の話だぞ?」
勘違いしてそうだったから訂正しておく
「ん?コーヒー牛乳も要るか?」
ヴァイスが瓶を差し出してきたけどそれは断っておく
「これ以上飲むとお腹タプタプになっちゃうからね、止めておくよ」
晩御飯前に牛乳でお腹パンパンにするのは勘弁願いたい