イレギュラーショッピング
「「「「一緒に買い物しましょう!!」」」」
女の子と買い物っていったいどうしたら良いんだよ?
「え、えぇと……お言葉は嬉しいんだけど……」
拒否しようとしたら蒼音ちゃんが泣きそうな目をしていた。
「私達と買い物は嫌ですか……?」
それはズルい。これで断るとか出来る訳ないじゃん。
「分かった、一緒に買い物行こう、な?」
俺が一緒に行くと宣言したら蒼音ちゃんがニコっと笑い、泣きそうな顔はスッと消えていた。
「ふふっ遊馬さん言いましたね?じゃあ5人で買い物です!」
まさか演技か!?やっぱ女の子って怖いわ。
「今日は遊馬さんで……おっと、遊馬さんと一緒に遊びましょう!」
今、「遊馬さんで」て言ったよ?俺で遊ぶ気なのか……まじで勘弁してほしい。
「俺も買いたい物があるからそれを買ってからでも良いかな?」
とりあえず少しでも遊ばれる時間を減らしたい。
「まぁ良いでしょう、でも買う物を買ったらすぐ来てくださいね?」
あれ?なんでこんな主導権握られてるの?
「わ、分かりましたすぐ向かいます」
おかしいなぁ?こっちは25歳なんだけどなぁ?
「ははっ!完全に主導権取られてる!礼奈この人これで25歳なんだぜ?」
「何言ってるんですか黄衣さん?そんな訳ないじゃないですか」
ごめんな、礼奈さんとやらホントに25歳なんだ。
「見た目こんなだけど本当に25歳なんだ……」
「えぇ!?私達とほとんど変わらないじゃないですか!?」
それは言い過ぎじゃないですかね……流石に体は中学生レベルだぞ?駄目だ、自分でフォローして余計にダメージ受ける奴だ。
「魔物に襲われた後遺症ってやつだからあまり言わないでもらえると助かる」
「あ、ごめんなさい。傷つけるつもりは無かったんです」
もう慣れたからいいんだけどね。
「気にしないで、ところで君は支部の新人さんかな?」
そろそろ聞いておくか、どうせ買い物で一緒に回る事になるんだろうから。
「はい!不知火礼奈です。魔法少女スカーレットをやってます!」
自己紹介出来るのは良いけど魔法少女が簡単に正体をバラすのは良くないぞ?
「ご丁寧にどうも俺は遊馬玄斗。引っ掛けぽくて悪いけどあんまり魔法少女が正体バラしちゃだめだよ?」
「あっそうですよね、魔法少女名も一緒に言ったらダメですよね」
「そうそうこれからは気を付けてね?で、昨日の料理は美味しかったかな?」
「はい!とっても美味しかったです!」
「そりゃあ良かった、作った甲斐があったよ」
新人さんも料理に満足した様でよかった。昨日の話でなんとか平静を取り戻してきた
「そういえばぁケーキ美味しかったですよぉ」
お?まさか琴乃さんがロシアンシュー当たったのかな?
「ロシアンシュー当たっちゃった?」
「シューが当たったのは支部長さんですよぉ」
あぁちゃんとケーキ分けてくれたのね、支部長さんには感謝だ。
そして支部長さんご愁傷様です。
彼女達と会話しているとバスがやってきて乗り込み、モールへと向かう。
何故かバス内で俺は窓際の席を選んだら他の子が詰めてきて逃げれれない。
「なんで皆一番後ろの席座らないの?広いのに」
「座ってもいいですけどその場合遊馬さんが逃げるかもしれないと思いまして」
逃げるってそんな事する訳ないじゃないですか~ ちっ
「やっぱり遊馬さんの買い物についていきます。このまま野放しにするとモール内から逃走のおそれがあります。」
「よし、まぁそのくらいはいいぜ?あの店に行くなら玄斗さんが居た方が楽しそうだからな!」
え、何?俺何処に連れていかれるの?
「……ふふふ」
琴乃さん?なぜ笑ってるの?怖いよ?
俺は果たしてゲームを買って帰る事が出来るのだろうか……
バスはモールにたどり着き、俺の両サイドを蒼音ちゃんと琴乃ちゃんが押さえている。
布陣は完璧か……
悩んでいても仕方がない。俺の買い物もさっさと終わらせて彼女達の用事に付き合うとするか。