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侵略

「ご馳走様でした。さて、停電は何が原因かなぁ」

 スマホを使ってどの辺りが停電になっているのか等の情報を調べる


「うわっ、ここら一帯全部停電かぁ……というか変電所が爆破?というかなんだこの城?」

 この世界の物とは思えない城の写真がネットにアップされていた。魔物が出てくる世の中だからこそ携帯の基地局も強化されて停電になっても自家発電等で使える様になっている為スマホで情報を集める事も出来る。停電したらスマホが使えないなんて事は殆ど無いのだ


「どうしたのだ?」

「これ見てよ。なんか変な城が現れたみたい」

 スマホに城の写真を全画面表示にしてテーブルに置いて皆で見る


「これは……どうみてもこの世界の物ではないな?」

「こんなの、持ってきたら、力、凄い、持っていかれる」

「これのせいで停電したです?」

「酷いデザインですね……城はもう少し綺麗な物だと思うんですが……」

「まぁ妾はこれのお陰で良い思いが出来たからちょっと複雑な気分じゃ」

 これ、そういえば何処に出来た城なんだ……?


 そういえば場所を見てなかった


「えっ!?」

 場所を見て驚きレースのカーテンを開けて窓の外を見る


「おいおいおい……皆すぐに行くぞ!」

「ん?見えるのか?」

「あ、あそこは」

「どこです?」

「あそこは北一支部……蒼音ちゃん達の居る場所だ。力を持ってない人だって居るはずだからすぐに助けに行くぞ!」

 魔法少女だから助けなくていいなんて理由にはならない。あそこには梓さんだって居るんだ逃げ遅れが居ないか確認しに行かないと


「影……いや飛ぶぞ!変身の準備は良いか?」

「行けるぞ!」「良い」「行けるのじゃ!」「行けるです!」「やってやりましょう!」

 皆も全員来てくれるので俺達はクロガネに変身する


変身(リリース)!」

 変身して家を飛び出し空に飛び立つ。今はエリュアスフォームの翼で空を飛びながら加速陣を使い、超速で城の所まで向かった




「飲み込まれたって感じか……とにかく入るぞ!」

 どうやら城は支部から少しだけズレた所に出現していたらしく、支部の一部が崩壊していたがまだ支部は完全には崩れてはいなかった


「おーい!誰か居るかー!居るなら返事か何か叩いてくれー!」

 城の中より先に支部の中に入ったが、俺の中での優先度はこっちの方が高い。魔法少女が無事なら今城の方から聞こえる爆発音や弾ける剣戟の音等は彼女達が戦っている音なのだろう。なら俺は知り合いが居るかもしれないこっちの調査をするべきだろう


「誰かー!誰か居るかー!」

 声を掛けながら奥に進むとゴンゴンと何か叩く音が聞こえた


「そこに居るのか!」

「誰だか分からないけどそこに居るの?出られなくなってしまったの!」

 声のするひしゃげたドアの前には鉄骨やがれきがあって完全に塞がれていた


「今行く!待っててくれ!」

 がれきを退けると崩落する可能性もあったし、そもそもがれきを退ける時間も惜しいので影移動でひしゃげたドアを通過して部屋に入る


「大丈夫か?」

「えっ!?」

 部屋の中には数人の人が居た。知っている顔も居る


「貴女は……クロガネ!?」

「おう、ちょっとごはん食べてて気が付くのが遅れた」

「ごはん食べててって……貴女って意外と呑気なのかしら?」

 軽い会話のお陰か部屋の雰囲気が少し和らぐ


「ここに居るので全員か?」

「いえ、あと1人私達を庇ってがれきの奥に……」

「オッケー、今連れてくる」

「え?」

 そう言い残し、また影移動でがれきの奥に行くと一人の女性が体育座りで壁際に座り込んでいた


「私が死んだら皆悲しんでくれるかなぁ?」

「まぁ今は死なないから悲しまないんじゃない?」

「え?」

 その人を掴んで影に引きずり込みさっきの部屋に戻る


「よし、これで全員だな?」

「え?え?」

 困惑する女性は放置して梓さんと話をする


「今、魔法少女は戦ってんだろ?」

「ええ、そうよ。出来れば貴女にも加勢しに行って欲しいけど……」

「とりあえずここの全員を安全な所まで送ってから加勢に行く。それで良いか?」

「分かったわ。あの子達に私達が安全な所まで逃げたって伝えてくれるかしら?」

「良いぜ、どうせ私達の事は心配しないで戦ってこいみたいな事言ったんだろ?」

「……ええ、そうよ。私達の事を心配して戦いにくいなんて事はしたくなかったから……」

「それ逆効果だぜ?自分達で救出してからの方が安心して戦えるけどな?」

 よくある「こっちは心配すんな!お前のやるべき事をやれ!」ってゲームやアニメだから吹っ切れてるけど現実だとそう簡単には吹っ切れる事じゃないんだぞ?



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