接触
後ろでディールのプレイを見ていたが凄い物だった
「ガードガードガード、ここでセットアップ」
上段下段上段と振られた攻撃をガードして更にもう一発下段回し蹴りが来るタイミングでジャンプ蹴りで下段の回し蹴りを避け、敵を打ち上げる。そこからはコンボだ
「うわぁ……完璧にカウンター決めて最大コンボ入れてるよ……」
敵をコンボで横に動かし、壁際まで運ぶ。そして壁にぶつけてバウンドした所に追撃。ダウンして地面に倒れた所を追撃……プロかぁ?
そして
「キャッチしてドラゴンスクリュー……パーフェクトゲームかぁ」
相手の蹴り攻撃に合わせて掴みを入れてカウンター攻撃のドラゴンスクリューを入れる。さっきのコンボでHPの大半を失った相手は与ダメージが増える状態になっていたが、そんな事はお構いなしのディールによって一撃も喰らう事無くディールが勝った
「恐ろしい程完璧な入力だな?」
「コマンド表を見まして、このキャラが一番面白そうだと思ったので選びました。正直勝つ為だけの集中モードでしたので対戦を面白いとは思えませんでしたね……仇を取ったので後は負けるまで楽しみます」
なるほど、俺の仇を取る為に頑張ってくれたのか。そんで仇を取った後は程々にやってくのね
「オッケーじゃあジュースでも買ってくるから頑張ってね」
「はい!あっ私炭酸が良いです!」
「了解」
炭酸ジュースを買いに自動販売機に向かう。えーと何が良いかなぁ……
「ガラナで良いかな」
北海道限定である炭酸の飲み物で初めて飲んだ時甘めのコーラ風で結構好きだ
「そこの者」
「ガラナのボタンちょっと高いな……」
「おい、そこの者!」
「いよっと」
ガラナのボタンが最上列にあったので手を伸ばしながらボタンを押していると後ろから何か聞こえてくる気がする
「無視をするでない」
「んえ?俺?」
肩を掴まれて初めて俺に対して声を掛けられていると気が付いた
「えーっと気が付かなくてごめんなさい。どうかなさいましたか?」
「余と別れた者達を探して欲しいのだが……」
「は、はぁ……」
人探しですか……どうして俺なんだ?俺より頼りがいのありそうな人は居ると思うのに……まぁ別れちゃったのなら探してあげるか
「分かりました。特徴とかありますか?」
「特徴か?これだ」
そう言ってその人物は俺の頭を掴んできた
「っ!?」
粗雑な男、妖艶な女、怪しいお爺さん、奇怪な男……4人の外見等の情報が頭の中に流れ込んでくる。普通に考えればそんな事が出来る人間は居ない
「……分かりました。この人達を探せば良いんですね?」
「ほう?……そうだ。探すのを手伝ってもらえるか?」
俺に対して笑った様にも見える謎の人物。だがしっかりその人物を見ても顔が良く見えない……あからさまに魔法が使われている。隠す気も無いな……
「ええ、良いですよ?その代わりにここで悪い事はしないでもらえますかね?」
こうなりゃハッタリでも何でも良い。モールで暴れられない様に先手を打つ
「よかろう、約束しよう」
「人を探すには人手も居るでしょうし、俺の仲間を集めても良いですか?」
これは俺だけでは手に負えない。相手が俺の事をどこまで知っているか分からないがとりあえず皆を集めた方が良いだろう
「そやつらはお主と同じように魔力を持っているのか?」
ん?俺の事を知っている訳じゃ無く魔力を持っていると思って接近してきたのか
「それは人探しに必要な情報か?」
「魔力も無い者には探して欲しい者達は見えんよ。もしその仲間とやらが魔力を持っていたら魔力に惹かれて寄っていくかもしれんが……」
魔力を持たないと姿が見えない……となるとカモフラージュかなんかされてんのか?面倒だな……それに他の皆の所に居る可能性があるとなると早々に集合した方が良いか?
「じゃあ一緒に来てくれるか?どうせアンタの探し人だって居るんだろうからさ」
「アンタ……まぁ名乗っていないから仕方が無いか。ふふっ良かろう。付いて行ってやろう」
面倒な事起きなきゃ良いな……




