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支部のとある一日

「今度知り合いに紹介してみるつもりですが……多分女の子が来ると思います。覚悟の準備をしておいてください」

 あのお客さんはそんな事を言っていた。まぁ冗談だろうと思っていた


「おかわりー!」「こっちもおかわりー!」「おかわりくださぁい」「お、おかわりください!」「美味しいわね!私の分もお願いします」

 最初はおかわりしてくれる事でお客さんがハンバーグを気に入ってくれた様で嬉しい事だった。だが……


「おかわりー!」「おかわりー!」「おかわりぃ」「おかわりください!」

 おかわり5回目


「おかわりー!」「おかわりー!」「おかわりぃ」「おかわりください!」「ちょ、ちょっと?皆そろそろお腹いっぱいじゃない?」

 おかわり10回目


「「「「おかわりー!」」」」

 おかわり15回目


「覚悟の準備をしておいてください」その言葉の意味をその時初めて知った気がする。この子達めちゃめちゃ喰うじゃん……


「あの……申し訳ないんですがもう材料が無くなってしまったので次でラストになります。全員を満足させられず申し訳ありません!」

「え?もう無いんですか?残念ですね」「仕方が無いわよぉ、私達だけで60個以上食べてるのよぉ?」「そんなに食べてたっけ?」「思ってた以上に食べましたね……」「あはは、お店のハンバーグぜーんぶ食べちゃったのね……」


 この女性苦労してそうだな……お客さん全員を満足させられなかったし多少割引しても良いかな

「お客様全員を満足させられなかったで少し割引させていただきます……」

「そんな!そこまでしてもらう必要はないですよ」

「いえいえ、こちらもプライドという物がありますので、それにお客様は途中で他のお客様を見ているだけでしたし少しくらいサービスさせてください」


 単純に美人にサービスしたいだけの店主さんである


「分かりました。そこまで言うならお願いします」

「はい、ゆっくりしてください。食器お下げしますねー」

 食べ終わった食器を下げる。途中で何回か下げに行ったけどここまで食べるとは……このお店始まって以来のハンバーグが完売だ




「「「「「ご馳走様でした」」」」」

「またお越しくださいませー」

 お店を出て車に乗り込む


「遊馬さんがオススメするお店。本当に当たりでしたね!」

「美味しいかった!」

「そうねぇ、本当に美味しかったわぁ」

「梓さんごめんなさい!調子に乗って食べ過ぎちゃいました」

 私もおかわりしていたので人の事は言えないが流石に皆食べ過ぎでは?とは思った


「良いのよ。あなた達が喜んでくれるならね?いつも頑張っているご褒美ご褒美!」

 支払いを終えてすっかり寂しくなった財布の事を思いつつ、その事を顔に出さない様に努めた


「いやぁとても美味かった!感謝だ!」

「ありがとうね?まぁ余裕があったらまた連れてってあげる」

 その気持ちは本心から出る物だった。お金が掛かるとかはどうでも良い。皆が喜ぶのならそのくらい軽い事だ


「今度玄斗さんに会ったらお礼しておかないと!」

「教えたくないって気持ちも分かるわぁ」

「沢山の人があのお店を知ったら私達の食べる分が無くなっちゃうもんね!」

「ねー」

 確かに60ちょっとはかなり食べ過ぎだが100食分有るか無いかの量だとあまり多い人に知られると食べられない可能性も出てくる


「あんな場所にあるお店自体そうそう見つけられる物じゃ無いけど……やっぱり何か見つけ出す力でも持ってるのかもしれないわね?」

 そもそも支部にお弁当を届けに来てその帰りにこのお店を見つけたらしい玄斗さんだ。もっと言えばお腹が減って倒れていた蒼音ちゃんを見つけたのも玄斗さんなのでそういうめぐり合わせに出会う確率が高い人なのかもしれない


「皆今日もお疲れ様。明日も頑張ってね!」

「「「「「はーい」」」」」

 そんないつもの会話を終えて私は皆を家に送った



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