支部のとある一日
今日は日曜日!遊馬さんの家に行ってお弁当を貰いに行きます!
「今日はどんなお弁当かなぁ?」
お弁当の中身が気になりながら遊馬さんの家のチャイムを鳴らす
「こんにちわー!」
「いらっしゃい!蒼音ちゃん」
居間に通してもらってお弁当が来るのを待つ
「はい、今日の皆の分ね?中身は向こうで確認してね?」
そう言って6つのお弁当を差し出す遊馬さん
「あれ?1つ多くないですか?」
「あー……まぁあれだ。その1つはどうするか蒼音ちゃんに任せるよ。機密だ何だに俺は何も知らないから」
その一言で確信する。これはギンの分だ。6つあると言っても1つは他の弁当箱に比べると小さいしこれだけじゃ私のお腹は膨れない
「分かりました!ありがたく貰います!」
「うん、貰っといて」
「いつもありがとうございます!これからも頑張りますね!」
「うん、頑張ってねー、いってらっしゃーい」
遊馬さんからお弁当を受け取り、遊馬さんの家を後にする。今日は遊馬さんの家に来る前に1体魔物を倒したけど強い魔物じゃ無くて良かった
ぐぎゅる~
「はっ!?」
お腹が鳴ってしまったけど周りに誰も居なくて良かった……やっぱりこのお弁当の匂いが食欲を誘って仕方が無い
「急いで戻ってお弁当食べよ!」
お弁当が食べたい。その気持ちが私の足を速くする
「ただいま戻りましたー!」
「おかえり蒼音ちゃん」
梓支部長が迎えてくれた。でも出迎えてくれた事は嬉しいけど今はお弁当だ
「遊馬さんのお弁当です!食べましょう!」
「分かったわ!皆を集めてくるわね?」
お弁当を持って休憩所に先に行く。そしてお弁当をテーブルに並べて皆を待った
「今日は玄斗さんのお弁当デーだ!」「どれにしようかしらぁ?」「余った物を貰います!どれも美味しいのでハズレは無いですし!」「礼奈?少しは分けてくれよ?」「この包みを開けるこの瞬間が良いのよね」
皆が各々お弁当を開けようとして気が付く。1ついつもより多い事に
「あら?これはもしかして?」
「はい、遊馬さんが用意してくれました。ギンの分ですよ」
「うおお!私の分があるのか!?」
ちょっと小さめのお弁当に取り付くギン。もう誰にも渡さないという雰囲気だ
「それじゃあ皆?食べましょうか」
お弁当を包んでいる風呂敷を皆開く。蓋も開けると……
「犬のキャラ弁だ!」「可愛くデフォルメされたうさぎですね!」「私のはぁ馬だったわぁ」「私のは鶏ですね!」「これは……ひよこか!」「は、ハリネズミ!?凄いチョイスね……これは牛蒡?よく見ると下に人参が入ってる……きんぴらごぼうなのに見た目の為に人参だけ下に入れたっていうの?これ凄い手が込んでるんじゃないかしら……」
犬、うさぎ、馬、鶏、ひよこ、ハリネズミと一部妙なチョイスもあったが、鳥そぼろや卵を使ってご飯に色が付けられ、可愛らしい動物達のお弁当が並んでいる
「玄斗さんに感謝していただきます」
「はい!いただきます!」
「「「「いただきまーす!」」」」
お弁当を皆一口食べる
「「「「「おいしー!」」」」」
毎週の楽しみとなっているこのお弁当。最近キャラ弁を作って来てくれるお陰で見た目も毎週の楽しみになっていた
「でもキャラ弁って結構時間掛かるんじゃなかったっけ?」「そういえばそうね?」
物によっては1つの弁当を作るだけで1時間かかったりする物もあるらしいが……
「じゃあ遊馬さんは私達の為に凄い頑張ってくれてるんだ……よく味わって食べないと!でも箸が勝手に進んじゃう!」
「こんな美味しい料理が毎日食べられるあの人達羨ましいなぁ」
「え?誰ですか?」
「あれ?蒼音ちゃん知らないの?玄斗さんの家にホームステイしてる人が5人居たけど……」
「見た事無いですね?もしかして魔法少女と直接会わない様に出掛けさせていたりしてるんですかね?」
「玄斗さんならそのくらいやりそうね……ホームステイも玄斗さんなら優しいから受け入れもしそうだし」
「やっぱりぃ私達玄斗さんに甘えすぎぃ?」
「「「「……」」」」
沈黙する5人。だが、ギンはそういう事をよく分かっていなかったのでお弁当を食べつつ、誰かのお弁当の風呂敷に入っていた紙を見つけた
「これなんだ?」
「ん?森のくまさん?……玄斗さんが凄いオススメしているお店?ハンバーグが絶品だって!」
「後で行ってみましょう!」
遊馬さんのオススメするお店とあれば行かない訳にはいかない。もう既にホームステイの人達の話題は無くなっていた