タクティカル・ナイト
「すげぇな……全部無くなっちゃったよ」
テーブルを埋め尽くすほどあったクッキーは皆で食べちゃった結果綺麗に無くなっている。あの量なら明日に持ち越すかと思ったけどそんな事は無かった
「ふぃ~満足なのじゃ~」
「至福の時間なのー!」
「クッキーも、アイスも、最高」
「たかがクッキー……そう思っていた時期が私にもありました。今凄い幸せです」
「やはりクロトの作る料理は絶品だ!正直まだ食べられるぞ!」
まだ食べられると言われても使った物を考えると今日はもう良いかなと思っている自分が居る
「流石に今日はもう止めておこう。クッキーパーティでちょっと疲れた」
昨日今日と立て続けにフォームを使える様になった事とクッキーパーティで若干胃がもたれる感覚がして疲労感がね……
「仕方が無いか。いや、今日はありがとうだぞ!」
聞き分けのある魔王様だこと
「明日は買い物に行こう。今日は卵とか結構使ったからね?無くなる前に買い足しておこう」
卵は色んな料理にも使うので、出来れば常に冷蔵庫の中に入れておきたいタイプなのだ
「わかった、明日は、お出掛け」
「また遊んだりするのー?」
「少しくらいなら遊んでも良いかな?」
またゲーセンで皆で遊ぶのも良いだろう
「妾に荷物持ちは任せるのじゃ!」
えっへんと腕を組んで頼りがいのありそうなポーズをするエリュアス。まぁ卵を買う位だからそんなに重い物を買うつもりは無いんだけどな?
「あの……ちょっといいですか?」
申し訳なさそうにディールが俺を呼び寄せる
「ん?どうした?」
「ちょっと欲しい物がありまして……」
「ほう?何が欲しいんだい?」
自分から何か欲しいと言ってくるディール。何が欲しいんだろうか?
「あの、色々見させていただいたんですがこのプラモデルという物を作ってみたいので買ってもらえないでしょうか?」
プラモかぁ、久々に俺も組みたくなったなぁ
「良いよ?因みにどんなものが欲しいんだ?」
物によっては何万円とかする物もあるんで気軽に買えない物の可能性もあるけど……
「これなんですけど……」
空中に映像が浮かび商品の情報が浮かび上がる
「ほうほう、1/72スケールのこれかぁ」
それは装コアに出てくるラスボスの機体のプラモだ。新しい方の装コアのラスボスでは無く、過去作のラスボス。外見は超カッコイイし、AIもすっごい強いので倒すのにかなり苦労したなぁ……
「はい、どうかお願いします」
頭を下げるディール。それを見て他の皆もこっちに注目してくる
「ん?何だ?」
「どうしたのじゃ?」
「さっき何かお願いしてたの!」
「ふーーーーん?」
シルエッタさん?なんか怖いんですが?
「ディールがプラモデルを組んでみたいって言うからどんな物が良いんだ?って話をしてただけだよ」
「はい、このプラモが組んでみたくて」
そう言って空中に浮かぶ映像を他の皆にも見せるディール
「おぉ!コイツか!」
ヴァイスは戦った事があるので見ただけで分かったみたいだ
「あ、見た事、ある」
「中々良いデザインじゃな?」
シルエッタも一応ラスボスと戦っている所を見た事はある。俺がプレイ中だったのを横から見てただけだけど……エリュアスは過去作をプレイした事は無かったかな?
「万行く物じゃ無いし、買っても良いよ?」
「やったぁ!」
プラモは俺もたまに作りたくなるし、買ってあげてもいいだろう。俺も何か買おうかな?
「そうなると我も何か作ってみたいぞ?」
ヴァイスもプラモを作ってみたくなったのかやってみたいと言い出した。そうなると……
「プラモデル、簡単?」
「妾もやってみたいのじゃ!」
「カッコイイです!作ってみたいです!」
皆もプラモ作ってみたい欲が出てきたな……
「今のプラモは素組みでも十分恰好良いし、かなり簡単な部類のプラモもあるからやるだけやってみるか!」
明日は卵とか買うだけのつもりだったが、かなりの出費になりそうだ