表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
274/367

タクティカル・ナイト

「改善点が見つかったのか?」

「えっ?本当ですか?」

「改善点って言うべきなのかどうか分からないけど何か出来そうって思ったポイントはエリュアスのお陰で見つけた」

「妾そんなに良い事言ったかのぅ?」

「言った」

「あっ!何となく分かった気がするです!」

 シルエッタとベルは察しが良いな


「じゃあせーので言ってみる?」

 同じ事を想像しているなら揃うと思う


「分かった」「分かったです」

「せーの」

「武器化」「記録」「巨大化です!」

 見事にバラッバラでした


「「「……」」」

 そして俺達を包む気まずい雰囲気


「揃わなかった……皆、なんで、そう思ったの?」

 シルエッタが口を開いたのでまずは俺から言うか


「俺は単純に吸収した物を鎧化出来るならそれを武器に転用出来れば新しい事も出来るかなって俺は思ったんだけど……」

 鎧の武器化。前に見た吸収した物を鎧として運用するならもう少し攻撃性を増す事が出来ないかな?って


「次は僕です!華のある変化と言えば巨大化じゃないです?」

 ド直球だがある意味そっちの方が俺の案より良いんじゃね?


「で、記録?だっけ?シルエッタはなんでそれ?」

 一番気になるさっき挙げた中でも異質だった『記録』の理由を尋ねる


「ディール、触った物、鎧に、出来る。でも、昔に、触った物を、また使えるかと言ったら、違う、はず」

「それは……そうですね。言われるまで考えてもみませんでした。そもそもそんな状況が無かったものですから……」

 過去に触れた物を記録して必要な時に引き出せるのは確かに良い。引き出せる物が多ければ多い程……弾は多ければ多い方が良い。しかもその弾が重すぎて動けないなんて事はないんだ。どんどん状況に合わせた鎧に変えていく……これは確かに華がある。あれ?もしかして出した案の中で俺が一番的外れだったか?


「なるほど……つまり過去に触れた物を引き出せる力と変質させる力ですか……それは試した事がありませんでした!」

 ディールは俺の武器化とベルの巨大化を一括りにして変質と捉えたみたいだ。あれ?でもよく考えれば……


「俺の勘違いかは分からないけどディールの本来の力ってもしかして吸収じゃ無くて変質なんじゃないか?」

「え?どういう事ですか?」

「俺、ディールの取り込んだ物を鎧にする力って吸収してそれを鎧にしてるんだって思ってたんだけどディールは取り込んだ物を修理して返してくれたじゃん?」

「あっちの屋敷でやりましたね」

 じいちゃんの所で骨董品とか直した事は皆も覚えているのかうんうんと頷いている


「で、今の話で思い浮かんだのは物を吸収してる様に見えるのは実は自分に同化している工程が吸収に見えてるんじゃないのかなって」

「え!?」

「それで物と同化してるから自分の体を変質させてその物の特性を引き継いだ鎧を作る事が出来る……って事なんじゃ無いかな?」

 修復も取り込んだ物を変質させて元の形状にしているんじゃないかと睨んでいる


「後もう一つディールの力が吸収じゃないと思った理由があるんだよね」

「それはいったい何ですか!」

 食い付くディール。自分の力は実は違うんじゃないかと言われてそれの理由があるって言われれば気になるのは当然だよな


「ほらそれだよ」

 俺が指差したのは地面に落ちている木の枝だ


「これが理由ですか?」

 その枝を拾い上げるディール


「それ、さっきディールが吸収してた木の枝だよね?」

「はい、もう必要ないと思ったので戻しておきました」

「吸収が力なら必要無くても吸収した物は吸収したままじゃない?ディールが吸収した物をずっと持っている所を見たことが無いような気がするんだよね?」

「はっ!?」


 何かに気が付いたかのようなディール。吸収するものが結構大事な物とかが多かったから「返しますね~」って毎回戻していたけど多分今まで回収した物は全部戻していた様な気がする


「私の力は吸収じゃ無くて変質……何故かとてもしっくりくる気がします!」

 良い笑顔でディールが笑う。だけどこのままだと何にも解決になってないんですよねぇ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ