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ドッペル・コミューン

「こんなに美味しいお店だと場所が場所なら凄い売れそうだ」

「あはは……」

「そんなに、人が、来ない方が、良い、とか?」

 あぁ……前の仕事に疲れたとか言ってたし、繁盛する事が目的じゃなくてここでお店をやってる事が目的なのかな?


「隠れた名店、少ないけど常連さんが居るくらいのお店……そんなお店を目指しているんですか?」

「恥ずかしいけどそうだね、このお店は維持したいけど私一人しか居ないから繁盛しても大変なだけで困っちゃうから……まぁ繁盛には程遠いんだけどね……」

 こんなに美味しいハンバーグはそうそう食べられる物じゃ無い。外見が喫茶店なだけで中身は食堂って言った方が近いのかもしれない


「んー……でもあれだなぁ」

「なんだい?」

「これだけ美味しいと他の人に教えたくないなぁ……」

「えぇ!?」

 おじさんはビックリしている


「理由を聞かせてもらっても良い?」

 そりゃ聞きたくもなる


「自分が見つけた名店だから知り合いには教えたいけどおじさん1人だから人が多いと俺が食べられなくなる!」

「あはは!そう言ってもらえると嬉しいけどおじさん困っちゃうなぁ……」

「あ、でもこの店が無くなっちゃうのは嫌なんで知り合いには紹介しておきます」

 支部の人達に今度ここの事を紹介しておこう。俺が太鼓判を押せば蒼音ちゃんあたりは飛びつくんじゃ無いかな?


「お客さんのお陰でもう少し頑張ってみようって気になったよ!たまにで良いからまた来てよ?サービスするよ?」

 ほほう?


「そんな事簡単に言っちゃダメですよ?俺、おじさんを困らせるくらい連れて来ちゃいますよ?」

 俺達は6人居るし、このお店にしたら中々の人数だろう


「ははは……まぁ期待せずに待ってるよ」

 あ、信じてねーな?これ




 それからハンバーグを食べ終え、料金も払ってお店を出る。しっかり付け合わせの物も全部綺麗に食べたよ

「よし、明後日もう一度来よう。今度は皆でだ」

「うん」


 今度お弁当にでもメモを入れておこう。きっと蒼音ちゃんあたり目聡く発見してくれるだろう


 さて、帰るか

「じゃあシルエッタ。帰ろうか」

「分かった、帰る」


 周りが森のお陰でさっきのお店からちょっと離れれば人の目は無くなるし、2人なので簡単に影に沈む事が出来る


「皆待ってるかなぁ?」

「多分、ゲーム、してる」

「あぁやってそう」


 影移動の最中にシルエッタと話しながら家に帰った。こうゆっくりシルエッタと話すのも久しぶりかな?




「「ただいまー」」

「おっ!お帰りだぞ!」

「おかえりなさいなのー!」

「お帰りなのじゃ」

「おかえりー」

 皆がゲームしながらだったが返事を返してくれた


「お昼ご飯はどうだった?」

「美味かったぞ!」

「量も多くて美味かったですねぇ」

「「うんうん」」


 好評な様で何よりだ


「よし、弁当箱洗っておくか」

 持ち帰った弁当箱を洗いにキッチンに向かった




 ちょっと時間は戻り、支部では

「ちょっとギン!勝手に出て来ちゃダメじゃ無いですか」

「美味しそうな匂いがしたから……」

「それは……分かりますけど」


 確かにギンだけ仲間外れの状態だったかもしれないし、あのご飯を食べられないのは可哀想だ


「礼奈ちゃんとギンちゃん」

「どうしました?」

「さっきの人、ギンちゃん用にご飯作ってくれたわよ」

「え?」

「彼曰く何も見てないし何も知らないからそのご飯はどう扱っても良いって」

「良いのか!食べて良いのか!」

 ギンの目の前に出された小さめにカットされたおかずや小さいおにぎり等ギン用のサイズにされた料理が机に出される


「どうぞ、あの人は貴女の事を秘密にするって約束したしね」

 彼は魔法少女の事を漏らしはしないだろうし、それにギンの事も喋る事は無いだろう。もし喋られていたら私達はずっと動きにくくなっていたし、そもそも何か要求されても不思議では無い。その点を考えると玄斗という人物の人の良さに私達はかなり甘えているのだろう



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