弾丸ホームカミング
大体の事情は話して楽になった俺達はじいちゃん、神名さんと一緒に遊んだ。俺の仲間の正体を話しても態度が変わらずに接してくれたのがとてもありがたかった
でも、流石に何日も居る訳にもいかないので帰らなければならない。あっちの家の掃除もしなきゃならないしな……
「じいちゃん、俺、明日帰るよ」
「おっ?もう帰っちまうのか?」
「うん、流石に向こうの家も空っぽのままだと可哀想だからね」
「ま、それもそうか土産になんか持っていけよ?」
「あ、ディール連れて行くからお土産よりあっちの方アップしてくれればそれで良い。むしろそっちの方をお願いします」
しっかり頭を下げると他の皆も頭を下げてお願いする
「おぉ、任せとけ!まぁその辺は言われなくてもやってやるよ!向こうで頑張ってんだろ?」
「まぁ、程々に?」
「あれで程々なの……?他の魔法少女の子が聞いたら怒ったり、茫然としそう……」
神名さん情報だと俺はかなりの成果らしいけど……俺の気分で事に当たってるだけだからね?その問題が大きかろうが小さかろうが関係無くやってるだけだから実感が無い
「まぁその辺は正直気にした事も無いんでどうでも良いんですけど……」
「邪魔する奴らは倒すだけだからな」
「こりゃ格が違いますわ」
神名さんが冗談混じりの言葉を掛けてきたので笑って流す。神名さんは微妙な顔をしていたけどまぁ良いだろう
今日の夜は神名さんと協力して晩御飯を作った
「やっぱ玄斗君嫁に来ない?」
「え?」
「私より優秀じゃん!」
「えぇ……」
それで良いのかメイド(仮)……
「俺はそういう結婚とか考えてないんですよね……こんな体質なんで」
こればっかりは仕方が無い。誰が悪いとか言いたくても様々な事象が折り重なって起こった事故みたいなものだし……
「あっ、なんかゴメン……」
「いやいや、神名さんは気にしなくて良いんですよ。これは俺の方の気持ちの問題なんで……」
今は時間がそこまで経っていないから俺と神名さんの差はこの程度で収まっているが、これが更に10年20年となると……考えたくはない
「そっか……」
「こっちもごめんなさい」
俺の自意識過剰じゃ無ければ神名さんをフった事になるからな……罪悪感がヤバい
「変な空気にしてゴメンね?よし、運ぼう!」
ちょっと沈んだ空気を誤魔化す為、作った料理を運ぶ事にする
「はい、運びましょうか」
俺もそれに乗り、作ったステーキを食堂に運ぶ。すると待ちわびた様に待っていた皆がフォークとナイフを手に待っていた
「うぉぉぉ!来た来たー!」
「ジュワッて!ジュワッて言ってるのじゃ!」
「良い匂いです!」
「じゅるり」
「食べなくても分かる。これは美味しい!」
「ではディールの分は我が……」
「それだけはどうかご勘弁を!食べたいんですよぉ!」
だったら食べなくても分かるって言わなきゃ良いのに……
「かなり良い肉だから美味しいよ~」
「生過ぎず、焼き過ぎずに気を付けたからね~」
良い肉は数秒焼いただけでイケるとかなんとか言う極端な意見もあるけど俺はしっかり焼きたいウェルダン派で、神名さんはレア派。せっかくだし中間を食べてみようって事でミディアムで統一してみた
「もう待ちきれないみたいだし、食べよっか。いただきます」
「「「「「いただきます!」」」」」
「いただきます!ヒュ~!美味そうだ!」
「いただきます」
用意したステーキにナイフを入れる。おぉ、スッと切れた
「おぉ……」
口の中で広がるお肉本来の美味さ、口の中で溶けるとか冗談だろうなぁって思ってたけど割と冗談じゃ無いかもしれない……
「ふほぉ!これはうめぇのじゃ!」
エリュアスの口調がじいちゃんに引っ張られるくらい美味しいらしい。これ、家に帰ってから大丈夫かな?満足しないで文句とか言われちゃったら困るな……