野良猫デュエット
写真を撮るデネブ、許してもらえたのか安心しているアルタイル、何かビクビクしているスカーレット、そして先程から無言のベガ。 無言コワイ。
「あのぉ?貴女は魔石を集めてどうするのぉ?」
ベガさんから質問だ、だがこれ何て答えよう?よくわかんないけど出てきたから取ってるってのが今の俺なんだけど……とりあえず濁して答えておくか。
「色々使い道があるから集めてる」
「へぇ?魔力の回復以外にも使い道があるんだぁ?」
カマ掛けられた!?というか普通は魔力回復に使えるのか。だがベガさんの誘導尋問に焦る必要はない、別にこっちの使い方を知られた訳じゃないしね。余裕な態度で居れば大丈夫だ……
「あぁ知らなかったのか?」
俺も魔力回復については知らなかった。
「初耳ねぇ」
でしょうね。
「魔物も倒したし、これで失礼するよ」
これ以上居たら絶対ボロ出すわ。
「あの!魔物討伐にご協力感謝します!」
アルタイルが感謝の言葉を言ってくる。素直な感謝は何故か恥ずかしくなる
「まぁなんだ……これからも頑張れよ?」
このくらいしか言えないけど許してほしい。
「はい!」
アルタイルはしっかり返事をし、笑顔になった。
それを見た後ひとつ頷き、俺はビルの上に飛び上がり、また誰も居ない森へ向かって駆けていった。
「行っちゃった。あれが魔装少女クロガネかー」
デネブが呟く。
「あれがクロガネちゃんねぇ……」
ベガが思案顔をしている。
「なんか凄かったです」
なんか凄かったらしいスカーレット。
「仲直りで良いんですよね?クロガネ」
嬉しそうなアルタイル。
四者四様の感情を胸に4人は支部へと帰還するのであった。
そして先程の戦闘を見ていた2人の影があった。
「今回の新人は魔法主体か中々バランスが取れてきたんじゃないか?あいつらも」
「だが、まだ注意力が足りていないな、ほら」
ビルの上に大きな蠍が居る。
「おいおい、あれは危ないんじゃないか?」
サッと自分の魔法を行使しようとするが止められる。
「待て、誰か他に居る。」
他に?野良の子だろうか。
そして1本の光が空に伸び、蠍が消える。
「な、なんだあの出力!?」
「あれほどの力を行使出来る者が居ようとは」
二人は政府所属の彼女達の事などもはやどうでも良かった。
それよりも気になる存在を見つけてしまったのだから。
「彼女をこちら側に引き込みたい所だ」
「それは同感だが、あいつらの仲間じゃないのか?」
「いや、まだ仲間ではないだろう。ほら、彼女だけ跳んで行ってしまった。」
彼女はあいつらから分かれてビルの上を跳んで移動している。
「って、追いかけないと見失っちゃうぞ!?」
「えっ?うわっ結構早い!急がなきゃ!」
キャラが崩れようが急がなければ見失ってしまうのだ。
二人が急いで追いかけるが距離が一向に縮まらない。
「あの子なんであんなヤバそうなの撃ったのにピンピンしてるのよ!もう少し疲れる様なもんでしょアレ!」
「魔力量がそれだけ多いのではないか?益々引き込みたくなった」
キャラを立て直し、追跡を続ける。
ビルの間を跳び、家の屋根を跳び、森に向かってぴょんぴょん跳んでいく。
なんとか見失わない様に急ぐが、彼女はどんどん森に向かって跳んでいく。
「やばっちょっと置いて行かれるかも……」
「私もそこまで早くないからこのペースで行かれると見失っちゃうかも……」
弱気になり、またキャラが崩れだす。
そして、二人が遂に見失うかと思ったその時、件の彼女が森の中で止まる。
「あっあの子止まったよ!やっと追いつける……」
「ふぅ、やっと目的地に着いたのか、これでやっと話せる……」
彼女と会話する為、一旦呼吸を整え、二人で歩いて近づく。
「いつまで追いかけてくるの?」
どうやら最初から気付かれていたようだ。




