弾丸ホームカミング
「えーっと……このデカい鎧がヴァイスの仲間?」
普通の人が着るにはかなりデカい鎧だから普通の鎧じゃなくて観賞用の鎧かと思っていた物に対してヴァイスが逸れた仲間と言ったから驚いた
「それはこの前旅行に行く前に貰った鎧だがお前さん達の仲間なのか?」
あぁ、じいちゃんがエリュアスに会う前に貰ったとか言ってた鎧か
「そうだ!だが……ディールも完全に止まってしまっている……」
ん?止まってるって事はこの鎧動くのか?
「ちょっといい?ディールってどういう存在?いや、種族って言った方が良いのかな?」
鎧が動くって言ったら幽霊的な?
「うむ、ディールは我が造ったゴーレムだ」
「鎧のゴーレム?」
「ああ、だがこちらの世界に来た時に魔力切れになってしまったみたいだ」
ゴーレムが魔力切れになったら動けない……って言うか魔力が本体なんじゃないのか?それって死んでるんじゃ……
「それって大丈夫なの?」
「反応はとても微弱だが完全に魔力が潰えている訳では無い。体を動かせるほどの魔力が残っていないっという訳だ」
「良かった、死んでいる訳じゃ無いのね」
こっちで仲間と死別とかにならなくて良かった……
「どうした、の……」「大きな声が聞こえた、の……」「なんじゃ?面白い物でも見つけたのか、のぅ……」
「「「ディール!」」」
ちょっと遅れて皆も来たみたいだ
「魔力を送れば何とかなるのかな?」
「どうだろうか……やるだけやってみよう。我1人の魔力よりクロガネで魔力を送っても良いか?」
「それはもちろん!変身」
そしてじいちゃんの前で変身した
「すっげぇな!やっぱりあっという間に変わっちまった!」
じいちゃんも俺が変身する姿を見て手を叩いている。一種の余興みたいに感じてるんだろう
「とりあえずこれで……あぁその前にじいちゃん?この鎧ヴァイス達の仲間みたいだから貰っても良いかな?」
「そういう事なら構わないぜ?他にも必要な物とかあったら言ってくれ」
ありがたい限りだ
「受け取れ!」
鎧に向かって魔力を送り込む。結構ガッツリ魔力を渡したけどそれでも鎧は動かなかった
「ア、リガ、トウ……デモ、カラダガ、タイオウ、デ、キテ、ナイ」
言葉が聞こえてきた。ありがとう、でも体が対応出来てない……こっちの世界に来た時の弱体化がディールに対して魔力を補給してあげてもそれを体に動かせる様に変換出来ない……という事なのだろう
「何か、何か無いか?」
そう簡単に解決する物が見つかるとは思わないけど探してみるしかない
(若干の魔力反応がある。あっちに行ってみてくれ)
どうやら解決出来る物かは分からないけど魔力を若干発している物があるみたいだ
辿り着いた先には黒っぽく、それでいて輝きのある。黒曜石にも似ている石があった
「これか?」
(こ、これは!?いったい何処で!?)
どうやらヴァイスには何か分かる様だ
「ん?そりゃあアフリカの族長に貰った宝石だな」
じいちゃん曰く、昔アフリカで他部族に襲われていた族長達を助けて和解させたお礼として昔から代々伝わってきた宝石を渡されたらしい。何でも「遂にこれを渡す相手がやってきた」とかなんとか
(これはエヴォリストーンではないか!)
「エヴォリストーン?」
「ん?それがこの石の名前なのか?」
(一旦変身解除だ!)
ヴァイスの意思で変身が解除されてしまった。そういう事も出来たのね
「とても珍しい石でな?これを使えば進化する事が出来るのだ!」
進化?ゲームとかではよく聞くけど実際に進化するってどうなんだろう?実感が無いから分かんないなぁ
「じゃあこれを使えばディールを進化させてこっちの世界に対応出来る種族に進化出来るって事かな?」
「「「「それだ!」」」」
どうやら俺の考えは合っていたみたいだ
「じいちゃん!」
「おうおう使え使え!その方が面白そうだ!」
じいちゃんのお陰でディールが復活出来そうだ