弾丸ホームカミング
料理が出来たと教えた途端5匹の獣が一斉にこちらに向かって走り寄ってきた。おい、シルエッタとか逃げ回ってた時より速いぞ?
「今日はオムライスだ」
「「「「「おぉぉぉ!」」」」」
「ほれ早く食堂に行け~」
「「「「「はーい」」」」」
ドタタタッと皆が食堂に流れ込む。遊んでお腹が減ってるんだろう誰が何処の席とか喧嘩することなくあっという間に皆席に着いた
「じゃ、皆オムレツを切ってみな?」
ケチャップライスの上にあるオムレツにナイフで切れ込みを入れるとトロッとした卵がケチャップライスを覆う
「か~~!美味そうだぜ!」「これは絶対美味いぞ……」「じゅるり……」「トロっとしてて美味しそうなの!」「ふほぉ!これは美味い!食べる前からこやつがそう話しかけてくるのが分かるのじゃ!」
切れ込みを入れた事でトロトロオムライスになった。あとはケチャップかデミグラスソースのどっちかを個人で選んでもらえば良いだろう
「そんじゃデミグラスの方を貰うぜ!」「我はケチャップだ」「私も、ケチャップ」「妾はデミグラスの方じゃ」「ケチャップを貰うのー」「せっかく作ったしデミグラスの方使おっかな。あっ!忘れてた!皆先に食べてて?」
慌てて食堂からキッチンに戻る。オムライスを作った時に卵がまだ沢山有ったので追加でもう少し作った物があったけどオムライスを持っていた時に皆を見かけて声を掛けたからキッチンに忘れていたのだ
「じいちゃんもこれは懐かしいだろうなぁ」
一応皆の分も作ったけどじいちゃんには1個だけ多くしておいた
「はい皆ごめんねー。ほい、卵焼き」
「おぉ!」
この家で初めて作った料理の卵焼き。帰ってきたら作ろうとは思ってたけど出し忘れるのは我ながら無いわー
「こりゃ懐かしいな!」「初めての頃は不味かったけどね……」
あれは喰えたもんじゃ無かったなぁ……
「うまっ!こりゃうめぇや!」「良かった、上手になってるでしょ?」
最初の見るも無残だった卵焼きから数年も経てばかなり美味くなったと自負している。あの頃は色んな料理(料理とも言えない物多数)を食べてもらったからその恩返しとしても美味しい料理は食べさせてあげたかった
「たまご、しあわせ」「これも美味いぞぉ!」「甘くて美味しいの!」「おかわりは無いのかのぅ?」
今も俺の料理を食べて笑顔になってくれる人が居るから料理が楽しく続けられているのかもなぁ
「やっぱ玄斗の飯はうめぇなぁ。どうせなら明後日くらいまで泊まっていかねぇか?」
「「「「おおぉ!」」」」
「良いの?いやまぁ部屋は有るけどさ?」
「大丈夫大丈夫!お前らいっつもゲームだけだろ?たまにはこういう外で遊べる場も必要じゃねぇか?」
言われてみれば昨日体を動かすゲームをちょっとやっただけだし、基本皆は外で遊んだりはしてないしなぁこういう機会は作った方が良いかもな
「そういう事な泊まっても良いかな?」
「「「「やった!」」」」
皆も氷鬼でボロ負けしても楽しかった様でもう一度やりたがっているが、俺には重要な仕事が残っているのだ
「とりあえず俺は自分の部屋の掃除をするよ。他の部屋は掃除済んでるんでしょ?」
「おう、先に誰がどの部屋にするか決めとくか?」
「あぁ、その方が良いかも」
割と広いし、先に自分が戻ってこれる場所を決めておいた良いだろう
「じゃあじいちゃんは皆を部屋に案内してあげて?俺は自分の部屋の事しなきゃならないから頼むね?」
皆に頼めば掃除とかすぐに終わるけどあの部屋の掃除は俺の仕事だ
オムライスを食べ終わり、ご馳走様などを済ませて食器を下げる。久々の食器洗いかもしれない、しっかり洗わないと
そして食器を洗い終えて、自分の部屋に向かって行く。入るのも久しぶりだ
「ただいま、俺の部屋」