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弾丸ホームカミング

「んん……んん?」

 眠っていた意識が覚醒して周囲の状況を確認する。確か寝る前はベルと一緒にベッドで寝ていたハズだ


「あれぇ?人が増えてるんですが?」

 ベッドには4人。ベッドの横には1人転がっていた


 何か暖かいと思ったら皆来てたのか。というか良く4人も入れたな?ヴァイスは落ちたようだがそれでも寝ているのか


「うおっ!?結構寝ちゃったか?お昼の時間はとうに通り越しちゃってるし……」

 外は大分暗くなっている。皆はご飯食べたのだろうか?


「起こしちゃ悪いしそっと……ってどうすんだよこれ?」

 右隣はベルとエリュアス。エリュアスの尻尾がベッドからはみ出しているからこっちは無理だろうし、左隣はシルエッタ……だけなら良かったんだけどベッド横に転がるヴァイスでこっちも脱出不可だな……


「後は……下か?」

 枕側は壁だし、ズリズリと下から抜け出してこの包囲網を突破するか……


「絶対バレたらヤバい……けど皆が起きた時にご飯が出来てたら嬉しいだろうし……頑張って抜けよう」

 出来るだけベッドを揺らさない様に慎重に……ゆっくりと体を下にずらしていく


「よし、良いぞ……この調子で……」

 もう少しで足が地面に着く……そうすれば一気に抜けられる!


 と思っていたが事態は悪化する


「「ううん……」」

 ベルとシルエッタが寝返りを打った


「ちょ!?」

 だが寝返りを打った方向が悪かった。2人ともこちらに向かって寝返りを打ってきたのだ


「これは……マズい」

 何とか下に移動したのは良いが、下に移動した事によって2人の足が襲い掛かってきたのだ!


「柔らかい……じゃなくて!やっべぇどうしよ……これ起こさないで抜けられるのか?」

 シルエッタはもちろんだが、ベルもケルと体は共有しているせいかすべすべでもちもちの肌のふとももが……今度膝枕頼んでみようかな?……って今はそんな事を考えている時間じゃないや。今まで以上にゆっくりと、じわじわと動くしかないな……


(どうして女の子っていい匂いがするんだろうね?)

 ゆっくりと動きながら思う。ベルは男の子だけど


「後少し……よし!」

 何とか両足が地面をしっかりと捉えて動くのも少し楽になり、4本の足から何とか逃げきった


「ふぅ、ちょっと疲れたけど何とか抜け出せたぁ……よし、皆が寝てるうちに美味しい料理作って食べてもらおう!」

 そして抜き足差し足でドアへ向かい、音を立てない様にこっそり抜け出してキッチンへと向かった




「ふふふ、クロト、気が付いてなかった」

「もう起きてたです。けど、頑張ってるみたいだったから寝たふりをしてたです」

 実は寝返りをした時にクロトに足が当たった事で目が覚めてはいたけど「起こさないで抜けれるのか?」とくぐもった声が聞こえたので2人は寝たふりをしていた


「本当に仲間思いというか何と言うかです……」「ああいう所、大好き」

 ベッドでお互い静かに笑いながら玄斗がこっそり抜け出して料理をするという事なので黙って見送った。下手に手伝いに降りて行ったら起きていた事がバレるかもしれないので2人はそのまま玄斗が料理を終えるまで待つ事にした




「んお?どうやら寝てしまっていた様だ……だが何故床に?」

「ふわぁぁぁ、くぅぅぅぅ!良く寝たぁ!じゃない!クロトとベルは大丈夫か?」

「あ、おはようです!ぐっすり寝たお陰で体調万全です!」

「クロトは、ご飯、作りに行った、こっそり行ったから、起こしに、来るかも」

「ふむ、ならば寝たふりで待つとしようか」

「そうじゃのぅ。寝たふりじゃ!くかー」

 ヴァイスとエリュアスも起きたけどシルエッタが状況説明して皆寝たふり待機をする事を選んだ


「それにしても自分が倒れたのに皆の料理か……まぁクロトらしいな」

「本気の一撃は今後封印した方が良いのではないかのぅ?」

「その事なんですが……」

 ベルが玄斗からの言葉を皆に伝えた


「そんな事を言っていたのか……どうしようもない場合以外は絶対に使わない様にを肝に銘じよう」

「賛成、クロトに、倒れて欲しくない」

「そうじゃな、クロトは妾達の大事な恩人であり仲間じゃ!安全第一で行くのじゃ!」

 皆玄斗の身を案じて本気の一撃は本当の最後の手段にするように取り決めた



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