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スカーレット・イグニッション

「オラ!」

「カッハァ……」


 急に飛んで来た重い一撃。腹にパンチを喰らい後ろに吹っ飛ぶ


『礼奈ちゃん!?』

 中島さんの声が聞こえてきて残ったドローン2機がパンチした状態で止まっている魔物にネットとワイヤーを射出したが……


「コンナモノ、モウキカナイ」

 飛んで来たネットとワイヤーを一瞬で切り裂き、ドローン2機も破壊されてしまう


『そんな!?』

 ドローンは無くなってしまったので中島さんが直接支援する事が出来なくなってしまった


 スカーレットがパンチにより吹き飛ばされている隙にもう一つの魔石を飲み込む2型の魔物。ボコボコと体が蠢き、バキバキの筋肉が付いていた


「また……強化され……た?」

 ヨロヨロと立ち上がり魔物の姿を見るスカーレット。さっきの一撃もかなり痛かったのにまだ強くなるのか……と弱気になりそうになる


「でも……相手が強くなったって……私は負けられない!皆を護る為にも!」

 短杖(ウォンド)を支えにして立っているが、そんな恰好をスカーレットを見て魔物は嗤う


「ソンナジョウタイデ、オレヲタオセルノカ?」

 ゆっくりとこちらに歩み寄ってくる魔物。怖い怖くて仕方が無い。でも


「勝てそうに無いからって……引けないんです!ファイアスラッシュ!」

 グッと足に力を入れて魔物に向かって跳び、炎の刀身で斬りかかる


「オソイ、オソスギル」

 横薙ぎで斬ろうとした攻撃を回避され、パンチとキックの反撃を喰らう


「ごはっ……!」

 また吹き飛ばされ、壁にぶつかり止まる。ローブはボロボロで帽子も何処か飛んで行ってしまった


「ま……まだ……」

 今ここで倒れてしまったら街の人に被害が及んでしまう。そうなったら先輩達が帰ってくる場所が無くなってしまう


「ホウ?マダタテルカ?ナラバ!」

 顔に蹴りが入る。容赦がない。痛い、痛い、痛い


『礼奈ちゃ……ザザッ……れ……ちゃ……ザーーー』

 何度も蹴られて耳のイヤホンが壊れてしまい雑音しか聞こえない。あぁ、中島さんの声が聞こえない。意識も……もう……


「止めて!」

 急にこの場に相応しくない可愛らしい声が聞こえてきた。そして攻撃も止まった


「え……な、に?」

 自分の周りを包む半透明のバリアの様な物が張られていた


「ミツケタゾ!オマエヲコロシニキタノダ!」

 魔物は蹴りでは無く、パンチのラッシュに切り替えバリアを割ろうとしている。だが、このバリアはいったい誰が?


 首が動かせなかったので目だけでバリアを張った者を探すとその者が目の前に現れた


「貴女とても勇気がある。私が力を貸すから貴女も力を貸して!」

「妖……精さん?」

 目の前に小さな人が飛んで来た。見た瞬間頭の中に妖精という言葉が出てきてそのまま口にしてみた所反応があった


「妖精……そうよ!それで間違っていない。勇気ある貴女を助けたいの!名前は?」

 妖精だと答えた存在に名前を聞かれた。だけどこの場合どちらで答えたら良いのだろうか?と一瞬悩んだがすぐに考えを纏めて口を開いた


「私は……スカー……レット。魔法少女スカーレット!」

 今の私は内気な不知火礼奈じゃない。皆を護る魔法少女スカーレットだ!


「スカーレット!私はギン!貴女を助けても良い?」

 ギンと名乗った妖精はその名前に違わない銀髪だった。服は流石に白のワンピースとも何とも言えない服装だったが全体的に銀色のオーラ的な物を発してた


「アイツを倒せるんですか……?」

 バリアをガンガン殴ってくる魔物。もし回復したとしても今のままではまたすぐやられてしまう


「細かい事は後で話すけど貴女と力を合わせれば倒せるハズ!」

 だったら考える必要は無い。街を、皆の居場所を護るのが私の役目だから!


「ギン、力を貸してください!」

「良い返事!だったら一緒に唱えて!」

 何を?と思ったが頭の中に必要な言葉がすぐに流れてきた


「「エンゲージ!!」」




「フンッ!」

 魔物は両手を同時にバリアに叩きつけ、遂にバリアを破壊した。だが、その両手はギンもスカーレットも捉える事は無かった


「私は……さっきまでの私とは違います!もう一度勝負です!」

 姿の変わったスカーレットが空中から魔物を見下ろしながらそう言い放った



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