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ウェルカムマジカルガール

4人が味見に夢中になっている最中に仕込みがあるからと奥の冷蔵室へ行く。その時ヴァイスに話しかけられる。


(何故最初にあんな事を言ったのだ?あれだと我も覗いてしまうぞ?)


(ワザとだよ、どうせ覗かれると思ってたし、だったらちょっと意味深風にしてもいいかなって。)


(なるほどな、ところでそのスマホを弄って何をしておるのだ?)

ヴァイスが俺の操作しているスマホに注目してきた。


(ちょっとタイマーをセットしてここを抜け出そうかとね。)


(何故ここから抜け出す必要がある?歓迎会を一緒に楽しめば良いではないか?)

まぁそれも一考なんだけどね。


(この歓迎会はあくまでもこの支部の新人の歓迎会だ。協力したから歓迎会に出るって事はその新人の子が本来注目されるハズなのに、料理を作った外部の協力者である俺にも多少注目が集まる可能性がある。だから歓迎会には出ない。)

あと、単純に人目に出るのが苦手。


(そんな事まで考えるとは……クロトは優しいな。)


(別にそんなんじゃないさ。それに)

そう優しさだけで抜ける訳ではない。


(このロシアン(ワサビ入り)シュークリームをおみまいするのにそこに居たら危ないだろ?)

事前に参加人数を聞いていたから出来るこのイタズラ。見れないのは残念だが後で蒼音ちゃんにでも詳細を聞けばいいだろう。


(ふっ……流石だな!そうだ!歓迎会での余興としては最高だろう。それに我らには被害は無い。協力してやったのだ。この程度は許されるだろう!)

ヴァイスも分かった様だ。


(まぁ当たった人のケアする用意もあるから問題無いでしょ?)


(ケアを用意している辺り優しいと言うのだ。)


(じゃあ味見してもらってオッケーも出たし、この爆弾(シュークリーム)の用意も出来たからここから退散させてもらいますか!)


(そうだな!)



そして調理場へと戻っていく。


「さて、調理も終わったし、一休み……」「トルルルル!」

タイマーセットしていた着信音が鳴る。


「ちょっと失礼しますね。」

そう言って、調理場を出て廊下で会話している風を装う。


「はい、はい、はいそうですね……えぇ!?分かりました……すぐ行きます……」

後半はちょっと声大きめに調理場に聞こえる様な感じで喋る。


「すいません……ちょっと急用が出来てしまったので……申し訳ないんですが帰ります……」

本当に申し訳なさそうに言う。だって騙してるからね。


「えぇ!?そんな!?」

残念そうな顔で見る蒼音ちゃん うぅ……罪悪感が……


「料理は全部出来ているんで歓迎会に出す分は大丈夫です。あとは御門さん、御門さんにはこのメモを、これは歓迎会を開いてから見てください。一応余興を作ったんで、それの説明です。」

ロシアンシューの説明だからマジで歓迎会開くまで見ないで?


「残念ですが、急用なら仕方ありませんね……メモはしっかり受け取りました。後は任せてください。」

じゃあ俺は離脱しますね^^~


「料理美味かったぞ!歓迎会出れないのは残念だけど楽しんでくるよ!」


「こんなに美味しい料理作れるなんてぇ凄いです。また今度作ってくださいねぇ?」


「遊馬さんの料理は残しませんから!」


魔法少女の3人も料理を褒めてくれるから嬉しいけど、ごめんね……誰かがロシアンシューを喰らう事になるんだ。


「それじゃ、料理出来て楽しかったよ!皆の事は秘密にするから、安心してね。」

皆に手を振り、車に乗って俺は北海道第一支部から逃げ出す事に成功した。




「行っちゃいましたね……」


「まぁ落ち込んでてもしょうがない!歓迎会の準備終わらせちゃいましょう?」


「おぅ!飾り付けとかは任せろ!」


「私も頑張りまぁす」


4人は気持ちを切り替え、歓迎会準備を進める。

今日新しく来る新人は10歳の少女。彼女が早く支部に馴染める様に歓迎会を開くのだ。


「遊馬さんの用意した余興って何なのかしら?」

メモを開こうとしてフッと脳内にあの時の言葉が蘇る。


「覗いちゃダメですからね?」


今回は約束を違わないと心に決めた。


「絶対、歓迎会を始めるまで開かないわ」

何処かで彼は嗤っているだろう。


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