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オーシャン・ドミネーター

 プリンター式で空場陣を出す。これによって移動出来る空場陣が出来たのでその上に乗り、辺りを見渡す


「まるで魔法の絨毯ってか?乗った事無いけど」

 胡坐を掻いて陣に座りゆっくりと東に向かう


「居るかなぁ?」

 2人を探しながら陣を進ませる。あれ?ちょっと待てよ?陣に胡坐を掻いた状態でデカい両手をだらっと陣に乗せてるけどこれ傍から見たらどういう印象なんだ?


「おいっ!何だあれ!?」「まも……魔物?」「人っぽい?魔法少女?」「あれが魔法少女?どっちかって言ったらインドとかに居そうな神様じゃね?」

 とりあえず腕をだらっとして胡坐掻くのはやめよう。2人を見つけたら後は影移動でかっ飛ばしても良いから立っていよう


「おぉ!立ったぞ!」「あれ?なんか見た事あるぞ!」「えーと、あれだ!この前空港で飛行機受け止めたとかいうクロガネって野良だ!」「あれが?」


 ちょっと知ってる人が居たみたいだ。ひょっとして空港に居た人かな?


「よぉ!そこの人!他の野良の魔法少女とか見てないか?」

 陣を地上近くまで下ろして俺の事を知っていそうな人に話しかけた


「おぉ!?俺?いや、見てないけど……」

「そっか、いきなり話しかけてごめんな!もし他の魔法少女とか見かけたらあの亀止めに誰か来てくれって伝えてくれると嬉しい」

「あのニュースの奴か!?分かった!見かけたら伝えておく!」

 何か怖がられないで普通の人と会話出来たの嬉しいわ


「上陸させない様に頑張ってくるから!」

「おう!応援するぞ!こっちの方は任せろ!」

 そう言って、周りの人を巻き込みながら街の中に向かって行った。行動力のある人だ、俺が見つけられなくても向こうで出会えるかもしれない


 陣を上昇させ、地上から50mくらいの場所で加速陣を起動し、空場陣を蹴って加速陣を通過する


「うわっ、凄いスピードで飛んで行ったぞ!?」「何かあの子なら本当に止められそうな気がしてきた」

 後ろの方から声が聞こえてきたけどマイナスな感じでは無いので一応手は振っておこう。加速陣でぶっ飛んだ後に振っても見えるかどうかは分からないけど


「とりあえず、人集めに関しては街の人を頼るとして、今他に魔物は出てないか?」

 一番の脅威は海の亀の魔物だけど普通に今、街中に魔物が現れない理由も無い。亀だけに戦力を向けていると街中で他の魔物が暴れて街が壊滅しましたとかシャレにならない


「今の所我が感知出来る範囲には居らぬな」

「そっか、出ない方が良いに決まってるけど念の為向こうに着いた時にいっぱい魔法少女が居たら多少戻ってもらった方が良いかもな」


 デカい1匹より、小さい集団の方が厄介な場合もある。俺達は一応どちらにも対処出来るけどデカい敵の方が得意、雑魚殲滅の方が得意って人によって得意な敵が分かれている事だってある。それに今回戦う場所は海の上のつもりだ、地形的に戦えない人も居る可能性があるからそういう人は街に戻って警戒してもらった方が良いだろう


「そうだな、海の上……多人数での戦闘……知らない人との協力もあるかもしれない……船が要るか?」

 まず間違いなく飛行魔法を使う人はとても少ないと思っているので個々人で亀の近くまで飛んで行って攻撃するというには無理があるだろう。知らない人と即席で連携するというのも難しいし、俺が魔法陣で連れて行くというのも却下だ。そもそも野良と支部所属の人が協力するのも第一支部の支部長が野良の魔法少女に対して寛容だったから出来ていただけであって、第二支部の人が同じ考えを持っているかは分からない


 最悪の場合は亀と魔法少女の挟み撃ちだ。考えただけで面倒くさい


 そこで俺が考えて出てきた案は船を用意してその上で戦うという事。俺を攻撃するなら船は壊れるし、船の上なら自由に動けるから多少は知らない人とも連携が取れるだろうという考えだ


「まぁ、なるようになるか」

 ふわふわとした思考の中、俺は日高山脈を越える為、更に高く飛び上がる



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