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クロスドレッサー・ゲームセンター

「ふぅ、良い湯だった。風呂が用意されているって良いな?」

ヴァイスが用意してくれた風呂でゆったりぽかぽか出来た。さて、後は歯を磨いて寝るだけだ


「さて、次の人に変わってあげなきゃ」

風呂場から出る為扉を開ける


ガラッ……ガラッ


そしてそっと閉じる


「やっぱ居るかぁ……」

シルエッタが扉前に立っていた。マジでこれ止めてくれ、心臓に悪い


とりあえずシルエッタが居る事は分かった。次の風呂に入る人はシルエッタだな

「次はシルエッタね」


もう気にするのは止めよう、気にしたところでこれは直らないだろう。出来る限り平静な顔でシルエッタに風呂を譲る


「むむ、分かった、入る」

やっぱ文句がありそうだ。悪いがシルエッタと風呂なんて絶対入らないぞ?ケルの時よりヤバい事になりそうな予感は簡単に予想出来る


「ゆっくり入れよ~」

言葉だけ残し、歯ブラシを持って居間に戻る。シルエッタも俺を風呂に引きずり込めないと悟ったのか風呂に向き直った


歯を磨きながら居間に戻った時にはヴァイスとベルがゲームで遊んでいた。あれは……FPSか


「お~、やっへるねぇ」

見た所ベルが優勢だ。まぁヴァイスも負けてはいるけど楽しそうだな


「ぬおお!クロトか!中々勝てぬが何かアドバイスは無いか?」

スナイパー相手にショットガンで挑んでる時点でアドバイスも何も無い気がするが……まぁやり様はある


「とりひゃえず、ひろひとひょろでひゃひゃかわないひょ」

(とりあえず、広い所で戦わない事)


「ええ?何だって?」


「ひろひとひょろでひゃひゃかうな」

(広い所で戦うな)


「何を言っているか分からぬ!」

歯ブラシをしているせいか全然伝わらない。面白そうだからテレパシーはあえて使わなかった


「がんびゃれー」

(がんばれー)


「頑張れと言っている事は分かった!だからアドバイスを!」


「せひゃいとひょろでひゃひゃかへー」

(狭い所で戦えー)


「せはい?背後か?ベルの背後を取れば良いのだな!」

確かに背後を取るのは大事だけどタイマンじゃほぼ無理だろう。普通にベルも聞いてるし


「なるほど、狭い所には行かない様にするです!」

およ?ベルには俺が喋っている内容が伝わっていたみたいだ。さて、こうなるとヴァイスは大変だぞぉ?


「うおぉ!ダメだ、近寄れん!」

戦場の中心で障害物が少なく、戦闘距離(レンジ)が比較的長い場所にベルが居座る。ショットガン装備のヴァイスには距離を詰める手段が無い


「なべものよぼいしにゃいとだべだよ」

(投げ物用意しないとダメだよ)


投げ物(特殊兵装)が無い場合ショットガンだけだとこういう場合に対処出来ない。スモークグレネードがあった場合はスナイパーからの目線を切れるのでショットガンの射程距離まで近付く事が出来る可能性がある。フラッシュバンなら相手の視界をすべて奪ってキルする事が出来るかもしれない。グレネードなら相手の場所が分かっていれば障害物の影から敵を安全にキルする事が出来るかもしれない。と色々な選択肢が増えるから投げ物は持っておいた方が良いのだ


「なるほど、確かにこの状況だとご主人様は投げ物が無いと辛そうです!僕も勝負するです!」

ベルはショットガンだけ装備していたヴァイスの為に有利なポジションを捨て、遭遇戦を行う事を選んだ


「チャンス!喰らえ!」


「こう、です!」

ヴァイスが射程に完全に捉える前に言ってしまったのでベルに気付かれる。ベルは前に俺がケルに対して行ったQSを覚えていたのか見様見真似で撃ってみるが……


「よぉし!やっと倒せた!」

外してしまい、ヴァイスに倒されてしまった


「おひひゃったねー」

(惜しかったねー)


「でも、参考になったです!」

ベルは向上心があって偉いなぁ、ヴァイスへのアドバイスのハズがベルにアドバイスになっていた様だ


「これで、ラストです!」

リスポーンした後すぐにヴァイスの頭を撃ち抜きベルの勝ちでゲーム終了となっていた


「おめへとー」

(おめでとー)


台所で口を濯ぎ、軽く投げ物の説明をしてあげると投げ物の有用性を理解してもらえたみたいだ


「ぐぬぬ……投げナイフは少し上手くいかなかったから外してしまったが、他にも良い物が色々あったのだな」

「今度試してみるです!」


「上がった、次の人、いーよ」

反省会をしていたらシルエッタが上がってきたのでプチ反省会はすぐ終了となった


皆風呂に入って少しゆっくりした後、明日に備えて眠る事にした



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