クロスドレッサー・ゲームセンター
モール内を注目されながら歩くが、大体聞こえてくる声はヴァイスを羨む声か妬む様な声。後は女子3人が可愛いという感じの声。俺単体だけを見られている訳では無いし、ヘイトが集まってる(主に男性)のはヴァイスだ
「ヴァイス、注目されてるぞ?」
「うむ、分かっているぞ?別に気にする事では無いでは無いか?」
流石魔王様、注目される事には慣れているみたいだ。俺じゃあこんな羨望と嫉妬の視線には耐えられないわ
先程より、堂々として歩くヴァイス。確かにこの背中に付いて行きたくなるのも分かるな
「堂々として歩くのは良いけど行く先は分かってるの?」
その言葉でヴァイスの歩みがピタッと止まる。コイツ……カッコつけて歩いていたけどどこに行けば良いか知らなかったな?
「どっちなのだ?」
やっぱりだよ、どこ行って良いか分かってなかったよ。しょうがない、ここからは俺が先導するかぁ
「こっちだよ」
ヴァイスの手を引き、ゲーセンの方面に歩いていく
「美少女に手を引かれて歩くとか、見てるだけで気が狂いそう!」「あれがイケメンの力……!」「本当に親戚か!?親戚であってくれ!あれが彼女とかなら俺は!」
付いて来る奴ら何なん?発狂するなら付いてこない方が精神に負担掛からないじゃん?
「気にしないでさっさと行こう、最初はクレーンゲームでもやろうか」
皆を連れて、ゲームセンターまで行くが……まだあの人たち付いて来るのか
「ほら、着いたよゲームセンターだ」
色々な音楽が混じり、ごちゃごちゃしているがそこが楽しそうな雰囲気を醸し出している
「ほう、これがゲームセンターか中々楽しそうだ!」
「これがゲームセンターです?」
「クロト、どれが、面白い?」
3人ともやはり遊ぶ事が好きなのかソワソワしてる。ただ、ここでバラバラになるのは良くないと思うので、まずは一緒にクレーンゲームを遊ぶ事にしよう
「まぁまぁ、シルエッタ落ち着いて?とりあえずクレーンゲームでもやってみようか?」
「クレーン、ゲームって、どんな物?」
「クレーンゲームってのはあの辺にあるやつでボタンを押してアームを操作してケースの中にある物を取る遊びだよ」
クレーンゲームの軽い説明をしてまず俺がどう遊ぶか見せる
「あの人形とか良いかな?うん、行けそう」
誰か先に挑戦していたのかあと少しで落ちそうなクマの人形があった。他の人が狙ってる感じも無いので行かせてもらおう
「こう、ボタンを押している間はアームが動くから丁度良いと思った所で離す」
人形の足辺りにアームが来るように調整して、足を持ち上げる。足が上がるがアームが外れる
「あぁ」
シルエッタが残念そうな声を出すが……
「これで良いんだよ」
アームから外れた足が落ちた反動で人形の上半身が穴の方に転がり込む。ツバメ返しと言われるテクニックだ
「ほら、取れたよ」
入手したクマの人形をシルエッタに渡す
「良いの?」
クレーンゲームの説明をしていた時にシルエッタがこのクマの人形を見ていたので、最初に説明するのにも丁度良い感じだったコレを取ったのだ
「良いよ、プレゼントだ!」
こんなにうまく行くことはそうそう無いけど、こういう事も出来るよ。と分かってもらえれば色々挑戦したくなるかもしれない
「ありがとう、嬉しい!」
抱き着いてくるシルエッタ。そんなにクマの人形が欲しかったのか
「あぁ^~」「キマシタワー」「素晴らしいなっ!?」
また外野が騒いでる……
「とりあえず、皆の分のお金両替してくるから待ってて?」
3人に待っていてもらい、両替機でお金を両替する。とりあえず一人1000円分両替しちゃおう
「ほい、皆には1000円分ずつあげよう。クレーンゲームだけで使おうとしたら勿体無いから他にも見てからどれに使うか決めたら良いよ」
最初はクレーンゲームを見せたから次は何を見せようかなぁ?
100話達成!