魔装少女 起動
変身する良いところなので2話更新します。見てない人は一話戻ってみてね。
二人の一番強いと思った存在を形成する為に光の玉が激しく震える。
片方の思いはこの地を襲う魔物を倒す存在である魔法少女。
もう片方の思いはこの地にやってきて、初めてゲームというもので遊び、己の心を揺さぶった存在であるロボット。
「「変身!!」」
二人の思いが交差し、新たな存在が産まれる。
「うわっなんとかなった!」
普段の玄斗の声より高い声。
「ギュアアアアアア!!」
化け物が目の前に居るのに今までの様に弱気にならない気持ち。
「こんのぉ!!今までのお返しだぁ!!」
握りしめた巨大な拳。
「オラァ!!」
地面を踏み締め、振り抜いた拳は鰐頭をぶっ飛ばす。
モールの通路の反対側まで鰐頭を飛ばして、改めて自分の姿を確認する。
灰色の長い髪に赤い瞳。
スポーツブラとホットパンツの様な面積が少なめの謎の光沢がある黒い服。
ニーハイブーツ程の大きさの黒い脚部装甲。
そして目を引く巨大な黒き腕部。
それが今の玄斗達の姿。
「合成失敗になるんじゃないかとヒヤヒヤしたぜ。」
軽口も出るくらい落ち着いてきた。
(おおぉ!?なんだ?この体の奥底から溢れるような力は?)
おっ?ヴァイスも平気みたいだ。
まぁなんでもいい、あの野郎をぶっ飛ばす事は成功したから次はあいつをぶっ倒す!
鰐頭は混乱していた。 今まで嬲っていた男か女か分からない奴に止めを刺そうとしたら、そいつから白い男が出てきて攻撃を防いでいた。そして二人が光ったかと思ったら、空中に玉が浮かんだままで様子を見ていたが、害は無いと思い、食ってしまおうとしたらいきなり吹っ飛ばされたのだ。 何が起きたか分からなかったが、怒りだけは蓄積していた。そして獲物を仕留める為に鰐頭は走り出す。
不格好ながら走ってくる鰐頭にクロト達は迷っていた。
(ほうほう?なるほど?これをこうしたら?)カシャン!
いきなり自分の顔を覆う逆三角形の様な形をしたダークグレーのバイザーが出てきた。(何処から!?)
「なんか色々情報が流れてくるんだけど!?」
今の自分が使える技などがバイザー内に流れてくる。
(おっ?これは?)ギュィィン!!
ちょっと何したの?明らかヤバい音が鳴ってる気がする。
(大丈夫だクロトよ、腕部にパワーを送っただけだ。)
えっ!?さっきぶん殴った時まだパワー送ってなかったの!?
鰐頭が目の前に迫り、その顎で玄斗達を噛み殺そうとする攻撃を躱そうと一歩後ろに進んだら、脚部から青い燐光が現れ、残像が目の前に残った。
「はっや!」
残像を噛んだ鰐頭の顎を塞ぐように両手の巨腕でがっちり左右から押さえる。
(パワーなら負けんぞ!)
「えっ!?マジで!?」
顎を塞がれた鰐頭は、じたばた暴れるが顎はビクともしない。
(これで終わりだ!クロトよ!引き裂け!)
「分かった!うぉぉぉりゃぁあああ!!」
顎を抑えた巨腕に更にパワーが流れ、鰐頭を縦に真っ二つに引き裂いた!
「ギョア……」
短い悲鳴を上げた鰐頭は真っ二つに割れ、辺り一面が青い血液まみれになる。もちろん返り血を浴びる。
「う゛あ゛ぁ゛きったねぇ……」
辺り一面血の海の中、半分に裂かれた鰐頭に一人立つ巨腕の少女……ホラーかな?こんな所誰かに見られたら困っちゃうね~?
「魔法少女アルタイル!只今到着!魔物は何処に…ヒィ!?」
フラグ回収早すぎない?それはともかくアルタイルが来てくれたのか。ちょっと遅かったけど。
「あ、あなたはいったい何者です?もし魔法少女なら所属と魔法少女名を言いなさい!」
あぁそうか、魔法少女は基本政府管理の下、日本の各地区に配属されるし、見知らぬ魔法少女が居たら所属を確認するものか。
ただ、今は魔法少女にも政府に保護されていない未所属の通称野良魔法少女という存在も居る。
俺は間違いなく野良ですね。はい。
そして今問題なのは魔法少女名の方である。
魔法少女玄斗&ヴァイスでーす。なんて言う訳には行かないじゃん? ちょっと待ってほしい。
「あ、あぁ所属は野良だ。名前は……」
自身の腕を見る。 金属特有の光沢が有り、黒々としている。黒い金属……黒鉄?おぉいいじゃんいいじゃんカッコいい。ただ魔法少女かって言ったら、若干違うよねぇ?だって半分ロボットォ!って言っちゃった人が居るんだし。 魔法……装甲……合わせて魔装?……おぉこれだ!魔装少女クロガネ!うんうん音の響きもバッチシ!
バイザーが左右に開き、自身の顔をアルタイルに晒す。
「俺の名前は魔装少女クロガネだ!」
ようやく変身する事が出来ました。ちょっと時間掛かってしまった感があるので申し訳ないです。