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戦闘員A  作者: 甲斐祐樹
正義の組織
7/73

第6話

 よく寝た……


 いや、寝ていたのか?


 頭がボーっとする。体がだるい……




「目が覚めましたか?」

 目の前に現れた手のひらが左右に揺れる。声のする方を見ると、可愛らしい顔をした女の子がこちらを覗き込んでいる。

「あ? ……はい」

「ちょっと待っていてくださいね」

 女の子は後ろを向くと、テトテトと歩いて扉を開けて出て行った。


 そのままボーっと扉を見ること数分、再び開いた扉から男性が二人入ってきた。

「大丈夫かい?」

 年配の男性、顔は強面だが笑顔を作り話しかけてくれる。

「はい、大丈夫です」

 僕は体を起こしながら答えた。少し首が痛い……

「何があったか覚えているかい?」

 少し下を向き考える。




 何があったか?




 徐々に記憶が蘇る。僕は頭を撃たれて死んでしまったんじゃなかったか?

「郵便局で……頭を……」

 顔を上げると、おじさんは強面の顔を鬼の形相に変えている。

「おい! こいつ覚えてるぞ! 山崎、みんなを連れて来い!!」

「はい!」

 後ろに控えていた爽やかな雰囲気の男性、山崎は扉も閉めずに外へ駆け出していく。

「えっ?」

 何かヤバそうな気がする……

「おまえ、ちょっと両手出せ!」

 あまりの迫力に体が勝手に動いてしまう。


 カチャッ! カチャッ!


「ちょっと! なんですかこれ!」

「はぁ? 見たら分かるだろ! 手錠だよ!」

 何が起こっているのか分からない。

 いや、うすうす分かってきたが分からないフリをしなければならない!!


「なんで手錠なんか――」

「おまえが犯罪者だからだろ!!」


 ヤバい!!

 バレてる!!

 だが僕は諦めない!


「いや……よくわからないです……」

「おまえが頭撃たれて倒れてたのは、監視カメラで確認されてるんだよ!」

 頭を掴まれ眉間に指をぐりぐりされる。

「痛い痛い! やめて!」


 バタバタバタ!


 先ほど出て行った山崎に続いて、ぞろぞろと人が入ってくる。

 その内の一人が話しかける。

「南さん、覚えてるって本当ですか!?」

「おう、こいつ覚えてるぞ!」

「いや……知らないです……」

「誰か鏡持ってないか?」

 僕の言葉を無視するおじさん(南)に、最初に部屋にいた女の子が手鏡を渡す。

「おら、見ろ」


 覗き込む僕の眉間には、黒くなった痣があった……




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