第2話
ガタンゴトン……ガタンゴトン……
翌日僕は電車に乗っていた。
バイトから帰り、少し仮眠を取る。起きたら家事を済ませ、食事を取る。
もう行く場所は決めてある。そろそろ行こうか。
最寄り駅から電車に乗り込む。この時間は席にまだ空きがあるため座って、目的地に着くまで外の流れる景色を眺める。
「今日はいい天気だなぁ」
目的の駅に着き、時間を確認する。午後4時前。ちょうどいい時間だ。
改札を出て脇に避け、ある程度人の流れがなくなるのを待つ。
少しして辺りを見回すと待ち合わせをしているらしき人が何組か見られ、そのうちの一人に近づいていく。
違うか……
次は二人組みの男の方へ近づいていく。
40歳ほどのスーツを着たサラリーマン、20歳ほどのラフな格好の若者という組み合わせだ。
左手が徐々に疼きだす。
あちらも僕に気が付いたようで、揃ってこちらを見つめている。
そのまま近づいていき二人の側で立ち止まる。
「どうします?」
話しかけ、サラリーマンの方へ視線を送る。
「そろそろ行こうか」
「そうですね」
若者も同意する。
サラリーマンは歩き出す。その後ろを二人が続き、三人は一つになって街の中へ消えていく。
「全てはスイレンの為に」
ガタンゴタン……ガタンゴトン……
頭がダルい……体がダルい……
家に着いたのは午後8時を回っていた。
部屋に入りベッドに倒れ込む。着替える元気もなく、僕はそのまま眠ってしまった。
二日後の午後7時。
右腕に衝撃が走る。
「あいててて!」
部屋でテレビを見ていた僕は腕をスリスリ擦る。立ち上がり時間を確認する。
「明日か……大丈夫かな?」
とりあえず準備しよう。
図を広げ、紙とペンを用意する。
『ザザザ……、指令、指令、レベル2・スケールA・市内C14郵便局』
「おっ! 2か!」
紙に書き込む。しばらく待つが今日はこれ一つだった。
立ち上がり、バイトのシフトを確認して店に電話を掛ける。
「もしもし、ケン君? お疲れー。……うん、そう。今大丈夫? ……うん、明日のバイトやねんけど代わり探してて。……あ、いける? お願いしていい? ……ありがとう!ジュースおごるから! ……じゃあまた店で!」
無事代わりが見つかって良かった!
よしっ! 今日もバイト頑張ろう!