表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘員A  作者: 甲斐祐樹
正義の組織
13/73

第12話

「そのボタンの事だけど?」

「これは明日に参加できない時に押さないと駄目みたいです」

 僕は耳のボタンを触りながら話す。

「明日?」

「はい、通信が来た20時間後に指示された場所に集合っていう決まりなんで」

「ボタン押さなかったらどうなるの?」

「どうなるんでしょう?」

 顎に手を当て、村井は考え込んでいる。


「次に通信が来たときは押さないでおこう」

「大丈夫なんですか? ちょっと怖いんですけど」

「そんなおかしな事にはならないと思うよ。それにボク等に協力してくれなかったら、前田君逮捕されちゃうかもしれないし」

「そんな……」

「まぁ大丈夫だから! じゃあボクは南さんに明日の事、伝えてくるね」

「はい……」

 出て行く村井を見ながらため息をつく。ホントに大丈夫なんだろうか。


 桃子ちゃんの方を見ると、まだシュンとしていた。

「そろそろご飯食べようかな」

「はい……」




 3日後、午後21時。

「来た?」

 通信が来たという事で、村井が尋ねてきた。

「はい、相変わらず雑音だけでしたけど」

「押してないよね?」

「押してないです……」

「じゃあまた20時間後に様子見に来るけど、早めにご飯は済ませて待っといてね。押しちゃ駄目だよ!」

「わかりましたよ!」

 村井は機嫌が良さそうな感じに出て行った。




 翌日午後16時55分。

 部屋には村井ともう一人、白衣の男性がいる。

「こちら助手の阿部君」

「よろしくお願いします」

 阿部は頭を下げて挨拶をする。

「こちらこそお願いします。なぜ今日は助手さんも?」

「たぶん今から忙しくなるだろうから。こっちに立って手を出して」

 言われた場所に立って手を前に出すと手錠を掴まれ引っ張られる。


 カチャ、カチャ。


「え?」

「もうすぐ時間だからそのまま立っててね」

 ここに来てからずっと僕の両手を縛り続けていた手錠を、村井は突然外したのだ。

 いきなりの事で驚いたが自由になった両手を見ていると涙が出そうになる。

「いいんですか?」

「うん。でも逃げないでよ。逃げたら射殺するように言ってあるから」

 村井は笑顔で話しているが、目は笑っていない。


 涙が引いてしまった……




 午後17時。

「そろそろだね……」




 僕の足元から突然煙が吹き上がる。

「やっぱりね」

 村井が満足顔でいるが、それもすぐに見えなくなる。




 僕の全身は煙に包まれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ