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改訂版 異世界ツアー  作者: 黒田明人
2章 異世界・辺境編
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8話 お前、最短だな

宿は開いていたけどメシの時間は終わっていた。なので部屋で倉庫から野菜焼きを出してモシャモシャと・・どうにもお好み焼きだよな。ただ、ソースが無いのがどうにもな。塩味のお好み焼きって感じなんだけど、これがフクフクのお好み焼きソースなら・・ゴクリ・・ああ、思い出すと食いたくなってきた。たこ焼きも好きなんだよなぁ・・いかんいかん、自分で自分を苛めてどうするよ。オレはそんな趣味はねぇぇぇ。はぁぁ、無駄に気疲れした。水は相変わらずペットボトルだけど、中身は魔法で作って入れてみた。ちょっとマナを浸透させれば、妙に味わいの深い水になって気に入っている。単に魔法で作った水はえらく不味くて、純水の疑いがある。なのでこの方式で水が売れるかも知れないと・・ああ、またやりたい事が増えてきたな。


それはともかく、金貨900枚はでかいな。これで当分、金策の必要は無い。無いのだが狩りはやりたいと言うか、レベルを上げないといかん。確かにこのままでもドラゴンでも倒せそうな感じだけど、低レベルが狩りましたとか言っても誰も・・だーかーらー目立つのは嫌なんだって。また身体に精神が引っ張られているな。もう寝よう・・


翌日の朝も串肉と水で済ます。どうにもカップ麺食ってた頃と食生活が変わらないような。さて、今日の行き先は、まずはギルドだな。昨日の結果を聞いて、奴隷落ちになるようなら同行して、賠償として受け取ってその足で奴隷を買うと。ああ、貰った金から借金返済だ。これで変に稼いだのが誤魔化せる。銀貨40枚抜いた額を受け取ればそれでいい。で、買うのは安い女。男のほうが力があるだろうけど、そういうのは多分高いはずだ。

力も無く、学も無い、ひ弱で仕事もロクにやれない。夜の友にも物足りない・・これはどうしようかな。まあなんだ、奴隷商館で奴隷に贅沢な食事とかしないだろうし、食わせてれば丈夫になるだろ。それからで良いな。どうにも気分は飼育だな、そう言うのって。まあいいや、とにかく顔ぐらいは洗って・・買ったたらいを置いて・・【ミニウォーター】よしよし、イメージはホースから水が出る感じで良いな。すとっぷー・・止めないといくらでも出るか。水撒きのアルバイトとかやれそうだな、これ。純水が植物にどんな影響があるかは知らんが・・


「ちわぁ」

「ちょうど良かったです。今、審議になってまして」

「やっぱり有罪?」

「他にも証言者が出ましてね、彼は奴隷落ち確定のようです」

「最初はきっと真面目だったんだよね」

「そうなんですよ、彼はこつこつと真面目に働くと評判も良かったのですが、数年前からどうにも・・」

「坂道を転がり落ちだすと、止まらないって言うし」

「ああ、そうなんですね。残念です。彼ならきっと良い冒険者になると思ったんですが・・あ、終わったようです」

「お前・・よく・・生きて・・」

「死ぬかと思っただろ」

「うっ・・」

「何だよ、あの化け物は。普通の初級2に対抗出来るはずがねぇだろ。オレはギルドの無い村で少しやってたから良かったが、普通なら死んでるぞ」

「ほお、それは優秀だな」

「あいや、ちょっとだよ、ちょっと」

「リザードテイルを倒す者がちょっとか、そうなるとうちの冒険者はちょっと以下が多いって事になるな」

「初級3になるのか」

「初級10だな。あれは危険指定種になっておってな、中級のパーティ以上でしか対処出来ないと言われている」

「運が良かっただけだ。そんな偶然でランク上げてたら、信用が落ちるぞ」

「ふっふっふっ、そんなに卑下する奴も珍しい。構わんよ、オレの推薦だ」

「普通、ギルマスが推薦したら確実ですけどね」

「うえっ、何だよそれ」

「来週だったか、中級試験があるから、お前受けろ」

「早すぎるだろ、まだ冒険者になって1週間だぞ」

「ほお、そいつは凄い。お前、最短だな」


うわあああああ、そんなはずじゃなかったのに、これじゃサイトのパターンと同じだぁぁぁ。地味に暮らす計画がぁぁ・・はぁはぁはぁ、落ち着けオレ。これからゆっくりにすれば良いんだ、うんうん。そうだよ、薬草がわんさかあるんだし、更新用に使えば問題無しと。金策もやれたし、これからはのんびりと暮らせばいい。狩りはこっそりやって素材は倉庫に溜めとけば問題無いし。よし、その路線で行くか。てか、来週か。最短でも5日あるな。よし、5日間の短期集中レベリングといきますか。風の魔法の応用と言うか、これはイメージだな。【スライサー】って名前にしようかと思ったけど、透明な薄いガラスが切断するイメージじゃ魔物が切れないような気がして、結局は【ウィンドカッター】にしたんだよな。これはカマイタチのイメージなんだけど、カマイタチって目に見えないから困って、だから薄いステンレスの板が対象を切断するイメージだ。変形しないという思い込みと、固くて丈夫と言う意識のままに、空中に幻の風の刃を具現化したと思い込みで、発動呪文のままに・・えいやって・・ゴブリンはあっさりと切れたからそれでいけると思うが、でかぶつにはちょっと心配だ。まあそれは今後の課題と言う事で・・


「手続きが終わりました」

「うえっ、何の手続き?」

「今、彼は奴隷商館に連れて行かれまして、これが賠償金になります」

「はれっ、何時の間に」

「くすくす、何か考え込まれていたようですけど」

「ああ、ちょっと今後の事を少し」

「それでですね、金貨10枚のうち、ギルドが2枚いただく事になってまして」

「借金も引いといて」

「そうでしたね」

「後質問」

「何でしょう」

「お姉さん、何時寝てるの?」

「ああ、昨夜も居たからですか」

「うん、凄く不思議」

「私達は4時間毎に交代休憩をしてるんです。なので基本的には何時でも居ますけど、何時も居ないんです」

「じゃあ、昼と夜の勤務なのね」

「意外と激務なので長期は無理ですけど、その分お給料が・・あら、関係無かったですね」

「いえいえ、納得しました」

「ではこれ、金貨7枚と銀貨60枚になります」

「ああ、これで宿代が・・」

「くすくす」


ううむ、失敗したな。同行の予定が・・まあいいや、ここは短期集中レベリングをしろという、神のお告げに違いない・・なんてね。そうと決まれば早速・・そしてひたすら魔法の試行錯誤をしながら狩りに集中し、5日後の夕方に戻って来る。レベルがやたら上がったんだけど、【偽装】スキルで隠しておいたのは言うまでもない。それにしても、他人に意識を集中して【探索】を使うと、そいつのステータスが分かるとかさ、進化か、知らなかっただけなのか・・とにかく、表向きのレベルは11にしている。あのワニ倒した頃がちょうどそんな感じだったから。んで、他人のステータスに誤差を加えた感じの偽ステータスを表示してある。とても【ウィンドカッター】に熱中して乱獲をしたとは言えないし、そのせいでレベルが50を越えたとか絶対に言えないし。だけど倉庫の中には魔物の死骸がわんさかになっちまって、こりゃ売るのに苦労しそうだぞ。さて、いよいよ

中級試験か。本当はパスしたいけど、ギルマス推薦をパスしたりしたら、もうこの町には居られないからな。元はと言えばあいつのせいだけど、さすがに奴隷と言えども意味も無く殺す行為は殺人が付くってか。買い取って殺そうと思ったのに、実に残念だ。


酷薄なのは変わらないみたいですね。と言うより快楽系かも・・

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