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改訂版 異世界ツアー  作者: 黒田明人
2章 異世界・辺境編
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6話 もう失くすなよ

さて換算と行きたいところだけど、逃げてきたと言ったからそれはやれなくなった。なので貸金契約にサイン・・は、無理だから手の平にインクを付けてペタリと。指紋とかまだ知られてないんだね。雑巾で手を拭いて、拭いて、拭いて・・落ちないぞこれ。


「ああ、それはこの薬品を使ってください」

「何このインク」

「犯罪者用の特殊なインクでして、この薬品を使わないと取れないんです」

「こんなのしか無かったのかよ」

「ごめんなさいね、これを使うのも決まりなので」

「はぁぁ、参ったな。手がチクチクするや」

「後はこれで拭いてくださいね」

「分かりました」


塩酸かよ、硫酸かよ、手が溶けるかと思っただろ。まあ、酢酸とは言わないよ。隣にサクさんが居るから。お、それか。何だかしょぼい板だな。銅板かぁ・・薄紙のようにペラペラだ。ああ、この木の板に貼り付けると。しかしまた派手な経費節減だな。糊みたいなのを裏に塗って、んでペタリと。ぐっと体重を乗せて押して押して押して・・これで良いのかな・・良いらしい。んで、サクさんが確認して、無罪放免と。ふうっ、終わったぁ。


「もう失くすなよ」

「荷物投げてもこれ守れってやつね」

「ああ、それでいい」

「色々ありがと、サクさん」

「ははっ、良いって事よ。なら、金策頑張れよ」

「あいよっ」


さて、金策は良いんだけど、ギルドの裏手に来たのは良いんだけど、どっちだったかな。確かに同じ感じの店が2軒並んでいる。なんでこんな事になってんのか知らんが、もしかして便乗商売か?片方は良心的、もう片方はぼったくりとか、ありそうな話だな。よし、左にしてみるか。売るのはもちろん、カナダの金貨。カエデのマークが可愛いアレだ。


「見た事の無い金貨だな」

「遺跡で見つけたんだ」

「使えない金貨か、まあ、銀貨50枚で買ってやるよ」

「本当にそれで良いんだな」

「おいおい、オレはサービスで言ってんだぞ」

「これ、何か分かるか」

「さあな、見た事が無いが」

「あそこにコップが置いてあるだろ」

「それがどうした」

『パララッ・・』

「んな・・それ、武器か」

「身体で知りたいなら教えてやるぞ」

「待て、待て待て、分かった、分かったから」

「で、いくらだ」

「はぁぁ・・ならな、金貨10・・パララッ・・15枚だ、これでどうだ」


マシンガン交渉は巧く行った。カエデマークの金貨10枚が、この世界の金貨150枚になった。けど、念の為、隣も入ってみるか。もしかしたらあれでも足元かも知れないからな。その時は、くっくっくっ・・


「ううむ、確かに見た事は無いが。重さからして金貨13枚ぐらいか」

「そうか、ならいいや」

「売りたくなったら来てくれ」

「ああ、その時は頼むな」


なんだ、意外と良心的じゃないか、左の店。まあそうだよな、命より金貨が大事って奴、あんまり居ないもんな。あ、そういや、金の話も聞いたんだった。通貨は100枚で繰り上がり、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、黒金貨の順に高くなっているって。後は物によって日本円との換算率が違うらしいな。不安定な経済なのかも知れん。ちなみに、人件費は銅貨1枚が100円ぐらい。これは奴隷が居るから比較的安いらしい。そして食料品が銅貨1枚が25円から50円。それで、物品だけど、一般の物品が30円ぐらいで、魔導具になると10円ぐらいらしい。それだけ魔導具造る人が優遇されているって事か。それはともかく、宿を探さないとな。後小物とか服とかも色々と・・


通りを歩く人の種類は色々だ。身なりの良い人、それなりの人、貧しそうな人、そして奴隷。見た感じ、身なりの良い人は貴族かな。それか、商人辺りか。それなりの人は平民か、冒険者の私服って感じか。そして貧しそうな人、これがスラムの住人って感じだろう。後は奴隷だな。首輪ってペットじゃないんだから。どうにも慣れないな、ああ言うのは。


建物は外周に近付くほどに安っぽい造りになっていて、北側の外周部分がスラムだと聞いた。日当たり悪そうだし。そして町の中央部分にお貴族様が暮らしておられると・・この言葉遣いは店で聞いたんだ。どうにも封建社会だよな。領主は更にその中心の屋敷になっていて、それを取り囲むように貴族の館が連なっているというのがこの町のレイアウトになる。だから田舎町とは言っても、この辺りでは都会の内らしい。聞くところによると、大抵の町は同じように造りになっているとか。


ただ、王都だけは少し違っていて、北の広い部分が王様の土地になっていて、その中心部に王宮があるらしい。そして領地前がメインストリートになっていて、中央の門から南門まで広い道があるらしい。つまり【T】の形に大通りがあるって感じなんだろう。横線の下半分には貴族の館が連なっていて、2番目の横線は富豪の館。3番目の横線がでかい商会が連なっていて、そこら辺りから平民が住む家が立ち並ぶって感じらしい。えらく物知りだなと思ったら、若い頃に王都に住んでいたって爺さんが、少し自慢かな。だから現在のレイアウトじゃないんだけど、そうそう変わるものでもないだろうし。


さて、服も買ったし袋も買った。種火の魔導具も買ったし鍋とか食器とかも買った。杖も買ったし武器と防具も買った。保存食も買ったし調味料も買った。ナイフも買ったし包丁も買った。串肉も買ったし野菜焼きって、お好み焼きを半分に畳んだようなものも買った。塩味のお好み焼きに迷ったけど、結局買った。後は宿屋で眠るだけと、宿屋は何処だぁぁぁ・・


身体に精神が引っ張られるのは本当のようで、彼はかなりのハイテンションになってます。

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