26話 異世界観光ツアー
はっきり言って会話と設定しかありません。最初、設定の話を閑話か何かで入れようと思っていたのですが、結局中に混ぜてしまいました。7年ぶりにあった彼らの話が止まらなくて・・
「あら、それじゃ転生じゃないの?」
「厳密に言うならそうかも知れんが、向こうで生まれた記憶は無いからな」
「死んだ記憶も無いの?」
「銃弾が頭をかすった記憶はあるが、あれがもし致命傷で死んでいたのなら、あの空間で身体を交換してくれたのかも知れんな」
「その人ってか、神様みたいな人には会えないの?」
「まあ無理だろうな。だからこそオレが案内を続けようと思う訳だが」
「でも移住はさすがになぁ・・」
「おいおい、移住とか冗談じゃねぇぞ」
「分かってるわよ、そんな事」
「よし、ならな、観光はどうだ」
「それなら良いかも。ねぇ、ケイちゃん、一緒に行こうよ」
「バカ、エビスと言えと言ったろ」
「良いじゃない、ここに居るのは知ってる人ばかりなんだから」
「それがそうじゃ無いから問題なんだろ」
「ふふん、心配するな・・【ゲート・オープン】【ゲートクリア】ほら、この世界から消えた」
「うおおお、マジで消えやがった」
「あいつは魔物の巣に送られたが、オレが案内すれば安全だ」
「本当に戻って来られるんだろうな」
「オレ達が戻ったのに信じられんか?」
「まだ向こうの世界とやらを見てないからな」
「私は行きたいわ。ねぇ、エビス、行きましょうよ」
「スケジュールがな・・そうだな、3日か、それぐらいなら何とか・・」
「3日で良いんだな」
「それ以上は無理だ」
「別に構わんさ。オレは案内とサポートをするだけだからな」
「ねぇ、具体的にどんな感じなの?」
「草案を見せてやる。ブログに出そうと思っていた草案なんだが、見てみるか」
「うん、見せて見せて」
★
相良圭介の異世界観光ツアー
短期 ① 3日 300万
中期 ② 2週間 400万
長期 ③ 1ヶ月 500万
永住 ④ 永久 150万
制約
Aプラン【誓約】 50万
Bプラン【契約】 500万
自動通訳 あり 1日50万
言語学習 教師斡旋 有料
④-Aの特典
・初年度人頭税代行支払い(支援)
・移住手続き代行支払い(支援)
・言語学習・語学教室斡旋(支援)
・部屋分譲・優遇措置(分割払い可)
・初期費用援助(日本円で200万円相当)
・初期費用貸与(条件により10億円分まで可)
・仲介(条件により可)
・就職斡旋(条件により可)
・事業設立支援(条件で出資可)
・特殊雇用人(条件により代行購入)
例 ③-Bの場合
・旅費2500万円
・現地通貨2500万円分進呈
約束事
・こちらの事を話したり、持って行った物品を売ったりしない
・トラブルを起こさない(状況によっては省く)
・犯罪を犯さない(状況によっては省く)
・異世界に行って帰った事を話さない
・向こうの元日本人に観光で来たと言わない
・お土産は買わない
分譲部屋
・各部屋にベッド、バス、トイレあり
・条件によっては賃貸も可能
・分割金利手数料不要
・修理(状況によっては無料)
・減価償却での買取も応相談
こちらの知識や技術、異世界の産物は私の独占になりますが、自力で行くなら自由です。旅費はあちらでの小遣いとして現地の通貨で渡す事になります。実質的にこれは支援なのです。なので不自由があるかと思いますが、そこのところご了承ください。なお、援助不要で好きにやりたいなら、500万円から承ります。ただし、どこの国からスタートになるかは分かりませんが。
★
「何と言うか・・永住の条件が凄まじく良いな」
「特殊雇用人って・・もしかして、奴隷の事よね」
「ブログに奴隷とか書けないだろ。その代わり、代行購入って言葉で暗示しているつもりだ」
「うん、そうだと思った」
「3日じゃ買えないな」
「え、奴隷とか要らないし」
「ふーん、奴隷商館に行けばきっと、ケモミミが・・」
「うわぁぁぁぁぁ」
「ちょ・・バカ、余計な事を言うな」
「移住するわ」
「くそ、こうなるから嫌だったんだ」
「お前も移住すれば良いだけだろ」
「冗談じゃあるかよ、何人も得意客抱えてんだぞ」
「じゃあ単身赴任か。佐代子、こいつと結婚するならタダで移住させてやるぞ」
「えっ・・」
「お前、タダって言ってもよ」
「約束事は守ってもらうが、全ての特典を付けてやる」
「そこまでの好条件とか、何か裏があるんだろうな」
「まあ、無いとは言わんよ」
「それがどんな裏かによるな」
「心配するな。オレ達には関係の無い裏だ」
「オレ達と言う事は、その神様みたいな奴の都合か」
「だから関係無いと」
「危険は無いんだろうな」
「お前さ、オレ達アリンコがさ、人間の都合を知ってどうにかなると思うのか」
「そこまで卑下する関係かよ」
「あいつらにとっては人の生死とか、意味が無いって理解出来るか」
「何だそれは」
「殺すも生かすも自由自在。死んだ奴を蘇生させる事も、その身体を改造する事も、簡単にやれる存在としたらどうするね」
「まさに神だな」
「死んで葬式して悲しんで、蘇生可能な存在の前では、ただの遊戯みたいなもんだろ」
「成程な、確かに関係の無い話だな」
「ねぇ、ケモミミの奴隷って買うの助けてくれるの?」
「ああ、好きな子を選べばいいし、選べないなら全員買っても良いぞ」
「ちょっと、アンタ、全員って・・」
「ちゃんと独り立ち出来るまで世話してやるなら構わんぞ」
「ああ、そう言う事ね」
「オレ達で3人、近々何とか独り立ちしそうな感じだ。あいつらが結婚したら家でも建ててやるか」
「そうね、近くなら遊びにも来やすいだろうし」
「新婚とかヤリまくりになんだろ。落ち着くまで好きにさせれば良いさ」
「あは、まあそうよね」
「それにお前も忙しくなるしな」
「えっ」
「何をしに来たのか忘れたのか」
「ああああ、そうだったわ」
「おい、エビス、体外受精の名医、紹介してくれ」
「遂にその気になったのか」
「ふふん、所長の愛人とかもうどうでも良い。オレにはこいつが居るからよ」
「知ってた・・訳じゃ無さそうだな。推測か、合ってるぞ」
「当時は何て言うか、色々と甘かったんだな。ずっと封印してたから思い付きもしなかったが、退職金と慰謝料同額で普通は気付くよな」
「実はあいつさ、隠し妻が居てな、お前が離婚してから発覚してな、すったもんだの挙句、隠し妻に刺されてさようならだ」
「何だ、あのバカ死んだのか」
「お前の元妻も重傷を負ってな、くたびれ儲けで実家に戻ったそうだ」
「あれ、脱税の共同正犯だろ」
「そういやそうだな」
「分け前着服で悠々自適か」
「待てよ、まだ時効は来てないはず。よし、突いてやろう」
「クククッ、相変わらずだな」
「得られる儲けは逃さんさ」
「ならな、魔法が本当に使える杖とか売れると思うか」
「またとんでもない物を出してくるな」
「ほれ、この杖だ」
「この石が問題なんだな」
「何でも良いから、適当な・・そうだな、ライターの火を思い浮かべながら【ファイヤー】と唱えてみな」
「お・・おう・・ええと・・【ファイヤー】うおおおおっ、すげぇぇ」
「凄い凄い」
「目立つ事に使わないならそれやるからよ。地味に使って遊んで良いぞ」
「良いのかよ、こんなすげぇもんを」
「見本で良いさ」
「安くは無かろうに」
「あははっ、良かったね、安くないんだって」
「オレの自作だ」
「こんな物が作れるようになるのかよ」
「剣と魔法の世界だぞ。かく言うこいつも魔術学院の卒業生でな、上級魔法までバッチリ使えるぞ」
「わぁ、良いなぁ」
「行きたいならまず言葉を覚え、環境に慣れてそれなりに強くなってからだな」
「え、強くって言っても」
「レベルアップさ」
「そんなのがある世界なのね」
「この世界にもあるぞ、上がらないだけで」
「どうして上がらないの?」
「お前、何か殺した事あるか」
「え?虫とか?」
「お前なぁ、ゲームでハエ殺してレベルが上がる話、聞いた事あるか」
「あ・・そうよね」
「ミカ、お前何人ぐらい殺したっけ」
「そんなの覚えている訳ないじゃない」
「嘘・・ミカ、まさか、それって」
「ああ、相手は盗賊よ。アタシの前に・・」
「またそれを言うのかよ」
「あははっ」
「まあ、考えておいてくれ。こいつが身篭ったら動けるようになるからな、話はそれからだ」
「おしっ、特急で探してやる」
「費用は預かりから引いといてくれ」
「微々たるもんだぞ」
「杖、1億ぐらいで売れないかねぇ」
「さすがにそれは無理だろ」
「罪にならない武器だぞ。裏の奴らならもっと高く買いそうだろ」
「そうか、確かに魔法で殺しても法律の枠外だな」
「それが例え公僕の前だとしても、該当する法律が無いときたもんだ」
「無ければ罪にはならんか」
「そもそも立証出来ないだろ」
「そうだな」
「ああそうそう、オレの部屋荒らした奴ら、まだ生きているか?」
「広域の奴らか、生きてるぞ」
「トップ以下全員だ。枝も末端も全て殺す。情報を寄こしてくれ」
「良いだろう」
「どれぐらいだ」
「そうだな、ざっと・・関連団体もか」
「ああ、関与があれば何万でも消してやるさ」
「それがやれるだけの実力か。そのレベルとやらはいくつになった」
「3桁さ」
「うわ、さすがだわね」
「レベル81に言われたくないな。また上げやがったな、何処で上げた」
「えへへ、ちょっとね」
「最近、やってないから関連切っといたのが仇になったな」
「それでかぁ」
「全員分配でそう簡単に上がるかよ」
「おかしいと思ってたわ」
待ち合わせの公園でいつまで話しているんでしょうね。




