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改訂版 異世界ツアー  作者: 黒田明人
3章 異世界・王都編
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16話 やっと見つけた

あれから5日が過ぎたが、何の音沙汰もない。やれやれ、盗賊団討伐とか言っても、この王都じゃ知れてる事件だったのかねぇ。色々調査をやって区画整理後の区画に建てる商会やその従業員の住まいに、屋敷のレイアウトから何からと、色々設計して待っているのにな。仕方が無い、コピー用紙でも売ってみるか。とは言うものの、金はもう要らないんだよな。黒金貨にして37枚分の金とか、いかに魔法学院の入学金が高いとは言え、聞いたら余裕で払える額だった。寄宿舎と言うか、宿の2階を専属で借りているらしいんだけど、それが月に金貨150枚。そして入学金が白金貨5枚で年間授業料が白金貨10枚、それが5年間の授業らしい。つまり、1人当たり学院のみで55枚あれば良いって事。宿は皆で泊まるから共用として、4人分でも学院が白金貨220枚、宿が白金貨90枚。合わせて310枚あれば良いって事になる。ほら、余裕だ。後は苛められないように、学院に寄付でもしておけばいい。そうだな、190枚出して500枚で渡しておけば良いか。でもその為には王都民に・・くそぅ、来ないならドラゴン素材売りまくるぞ。悶々として町を歩いていると、誰かが呼んでいるような気が・・


「おい、お前、この前の盗賊の件の奴だろ」

「あれ、衛兵さん、何か御用ですか」

「はぁぁぁ、やっと見つけた」

「ほえっ?」

「隊長がもう故郷に帰ったんじゃないかって、使者を出そうにも何処か分からないからって、弱ってたんだぞ」

「そう言われても何の事やら」

「あああ、そうだった。あのな、お前、ちょっと来い」

「あの、何か・・」

「あああ、その服じゃ拙いか。お前、礼服持って・・無いよな」

「無いです」

「ええと・・お前と似ている奴は・・ええと・・ミーツの奴に借りるか。よし、来い」

「は、はい」


何でもずっとオレを探していたそうで、ミーツさんとやらの礼服を借りて、王城に連れて行かれて感状とやらをもらった。どうやらこれがあれば王都民になれるらしい。オレはずっと上空で地図描いてたからなぁ。それが終わったらずっと宿で設計してたし。隠れているも同然なのに連絡とか来るはず無いよな。何はともあれ、王都民の資格確保で、奥さんも同等になるらしい。そして養子女は平民の上という、ちょっとお得な平民になるとか。それでも暗黙の区別なので、特に融合措置がある訳じゃないか。さて、後は・・


「この辺り全部欲しいんですけど」

「厳密に言うとどれぐらいだ」

「書き込んでも?」

「ああ、書いてくれ。それを元に算出するからな」

「えっと、ここから・・こうきて、こうなって、ここまで来て、こうなって、こう、かな」

「かなりだな。金はあるんだろうな」

「盗賊の報奨金がありますから」

「おお、あの大捕り物はお前か」

「まあ、生き残りですけど」

「そうだろうな。あれは国軍出動一歩手前だったからな」

「え・・そんなに」

「ああ、ギルドには手に負えんと言ってな、もはや国が動くしか無い状態だったのだ。あれで国が動けば相当の経費になっていたはず。だからな、お前は大殊勲だ。よし、そう言う事なら半額にしてやる」

「ええっ、良いんですか」

「国王直々に便宜を図ってやれとの仰せがあったからな、それぐらいの事は構わんよ」

「ありがとうございます」

「大工も優先的に回すように指示しておく。だからな、場所を決めたらすぐに建ててくれるからな」

「色々とありがとうございます」

「うむうむ」


何だかサービスが良いね。よし、そうと決まれば、大工に渡そうと描いた設計図、計48枚を渡さないと。そう思って大工さんのギルド?・・大工ギルドってのがあるのね。中に入ってさっきの人の名前を言えば、宰相様っておいおい。何で国の宰相が王都民の手続きやってんだよ。道理で国王直々とか言う訳だ。隣で聞いてたんだな。まあいいや、話は通っていると言うか、騙れば処刑だから名前を出せば確認は不要とかで、早速購入した土地の区画整理の地図を見せながら相談する。


「また面白い事を考えるな」

「でも、不便でしょ」

「確かにな。けど、身銭を切ってまでやろうってのが気に入った。最優先でやってやる」

「ありがとうございます」

「それでよ、こいつを描いた奴を紹介してくれ。うちの専属にしたいんでよ」

「ああ、それは無理かも」

「もうどっかの専属なのか?」

「冒険者なので」

「これだけの絵が描けて冒険者は惜しいな。何とか説得するから連絡先を教えてくれ」

「いや、無理ですって」

「どうしてだ、連絡先ぐらい良いだろ」

「描いたのオレだし」

「何だとっ。おい、冒険者なんか辞めて、うちの専属になれ」

「いや、そういう訳には」

「ならせめて、頼んだら描いてくれるか」

「まあ、暇なら」

「暇は作れよ、なるべくな」

「はぁ、努力します」

「よし、決まりだ。おおい、てめぇら、最優先でこいつをやるぞ」


ううむ、変なスカウトが・・


「それにしても変わった紙だな」

「東の国の手法で作られた紙でして、植物が元になっているとかで」

「ほお、それはまた変わっているが、これだけ滑らかなら描きやすいだろうな」

「ええ、なのでこういう細々とした書き物に向いていると思って」

「オレが頼んだらこいつに描いてくれるか」

「あんまり安い紙じゃないので」

「心配するな。ちゃんと払うものは払うからよ」

「はい」

「よし、後は任せろ。こいつの通りにキッチリ仕上げてやるからよ」

「お願いします」


どうやらコピー用紙は売れなさそうだ。残り9952枚か、当分あるとは思うが・・たびたび描かされると、すぐに無くなってしまいそうだな。それはともかく、大工さんのほうは終わったので、警備とメイドの調達に向かう。行く先は冒険者ギルド。廃業しても情報は残るらしく、屋敷の警備や倉庫の警備などと言った仕事の斡旋もやってくれるらしい。もちろん手数料は取るらしいが。なのでとりあえず、紹介をしてもらおうと申し込みをしておく。警備は中級以上で、元中級なら6~8人、上級が得られたら3人前後。メイドは学識がそれなりにあれば、元のランクは問わない事にした。この学識は、読み書き計算になっていて、教えられる技量があればなお良しと。給与は年棒で応相談と。手続きを終わらせて手数料を支払っておく。それはそうと、商会に馴染みが出来たのに商会造る必要は無くなったんだし。工房にするかな。工房ならオレも色々造って遊べるし・・よし、決めた。早速、大工ギルドに取って返して、商会の場所を工房にしてもらうべく、現地でサラサラと描いて渡しておく。


「大したもんだな。よくそんなにスラスラと描けるもんだ」

「慣れですかね」

「そんなもんかな。んで、どんな物を作りたいんだ」

「生活便利用品かな」

「売れると良いがな」

「売れて欲しいですよ」

「まあ、無理でもお前には絵の技能があるからな、焦る事は無いぞ」

「そんなぁ」

「はっはっはっ」


思い付いたからには全ての調整が必要になる。従業員用の住居はそのままで良いが、工房の従業員って必要なんだろうか?となると、後々日本人が集まった時に住まわせる住居が良いか。と来れば、あたかもマンション風にしてみるのも面白いな。水道もどきとして、水の出る魔導具を開発し、出た水にマナを含ませるブラックボックスも付属させ、試作品で良好となると、部屋数分の魔導具が必要になると。こんなの宿屋でやれないから、商会の裏手の隅っこを借りて造っているんだけど。ここでやっていると、欲しい素材がすぐに手に入るから、彼も大賛成らしい。場所代は要らないから好きにやってくれと言うぐらいだ。だもんで人工水晶の手配も頼んでおいた。


天然はメチャ高いけど、人工は安い。なのにMP15000も貯留してくれるって代物なのだ。だから普通なら需要も高いと思うんだけど、これが何故か需要が無いらしい。そりゃ今のオレのMPって26万チョイある。だが、普通は宮廷魔術師でも500~5000ぐらいらしい。となるとこんな大きな容量は必要がなく、必要があっても持ち運びに困ると。同じ容量でリンゴ大の紫水晶という効率の良いアイテムがある以上、高くてもそちらを持つようになるとか。そりゃ確かに貧乏術師は人工水晶を背中に背負って活動もするらしいが、それは貧乏人の烙印を押されるだけでなく、二流の魔術師という不名誉なステータスを得るらしい。そして上を目指す魔術師のステータスがこの紫水晶とか。そういう話をつらつらと聞いていて、人工水晶の製法を知る事になった。原料は何と珪素だけ。そして作って壊すとロスが出るらしく、技能向上の為に作っては壊し作っては壊しとやって、不足が出ると珪素を足してやっているとか。オレはこの、不足が出ると言うのに注目をした。それって不純物じゃねぇ?と思ったのだ。作って壊せば不純物が散り、より純度の高い水晶にならないか、という疑問だ。こういうのは化学でも学んでないと思い付きもしない事のようで、高卒の化学知識でもやれそうな勢いだ。ひとまず全部屋分と屋敷分の魔導水道を拵えた後、国中の工房巡りをする事になる。そうこうしている間に学院の手続きの時期になる。ミカから知らせを受けて早速、学院に4人分の入学手続きをしに行く。


「平民は基本的に受け付けておらんのだがな」

「これでも一応は王都民だよ」

「ううむ、それでもな、かなり高いからの」

「寄付金込みで4人分、白金貨500枚でどう?」

「なんと・・そこまで出せると申すか」

「多少、便宜を図ってくれるかな」

「もちろんじゃ。そなたの4人は同じ宿舎にしようし、余計な茶々は入れぬように徹底しておこうぞ」

「お願いね。きちんとした学問を修めさせたいので」

「うむ、全て任せておくが良い」


金を渡せば簡単に許可が出て、彼女達の入学は成った。後々、獣人がバレたとしても、茶々を入れたいなら寄付金分をオレに寄こせってなもんだ。その為の190枚なんだからよ。更に追い出そうとするなら500枚寄こせってなもんだ。ある物は使って防御すりゃ良い。金なんぞドラゴン素材を売れば良いだけなんだしよ。


どうやら彼は物作りに興味が向いたようです。さてどんな物を作るんでしょうか。

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