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改訂版 異世界ツアー  作者: 黒田明人
2章 異世界・辺境編
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11話 失格にするぞ

(う、うう・・気が付いたか、おい、しっかりしろ・・どうなったんだ・・おい、どうなっている・・あいつらが居ねぇ・・ああ、オレが目覚めた時にはもう居なかった・・オレ達、解放されたのか・・分からんが、そうだとありがたいな・・あの野郎、オレ達のアジトに侵入しやがって、何が今日からオレ達が仕切るだ、冗談じゃねぇ・・おうよ、オレ達は見張りにしちまってよ、そのくせ、手抜きしたら殺すとか脅しやがって・・けど、居ないならまたオレ達の天下だぜ・・ああ、これからのんびりやろうぜ・・しかしよ、何にもねぇぞ・・あいつら、あらいざらいかよ・・くそったれ・・手持ちの食料で何とかやりくりして、明日の昼ぐらいから村でチョイと脅してよ・・そうだな、あんまり大量じゃなきゃいけるだろ・・大量はダメだ、通報されてギルドから討伐が来るからよ・・いてて、まだ首が痛ぇ・・床で寝てたから身体も痛ぇ・・ああ、ゆっくり寝ようぜ・・おう、そうしようか・・魔物の素材、みんな取られちまったな・・ああ、せっかく溜まったと思ったのに・・交換じゃねぇと犯罪者になっちまうからな・・ああ、地味にしねぇとな)


どうにも変な見張りだったな。気絶させてステータス見たんだけど、殺人が誰も居なかったぞ。あるのは恐喝ぐらいでさ。あれって犯罪者としてもかなり軽い部類じゃないのかな。あんなの殺したら殺人ってステータスに載りそうだぞ。恐喝が3人、無印が5人ってよ、あれ本当に盗賊かよ。近くの村の悪ガキっぽいんだけどな。中級試験の先行きが気になるが、遅刻するから関係無いと。


さてと、宿にあいつらは拙いよな。狭いし・・かと言って広い部屋を借りると言うのも何だよな。まあ、暫定で借りても良いが、せめてシャワーぐらいは欲しいな。桶で行水ってのも限度があるし。待てよ・・お、あったあった【クリーン】お、何かサッパリしたな。けど、湯船に浸かるあの心地良さは無いな、やっぱり。そのうち何とかすれば良いか。てかさ、試験に参加して、途中で迷子になるって作戦はどうかな。そのまま行方不明って事にして、あいつらとレベリングすればさ。そりゃサクさんとか心配するだろうけど、無理強い中級試験とかはもう無いだろうし。んでもって王都に転居と・・これ、良い作戦っぼいよな。よしよし、これで行くか。


「ふぁぁぁ、眠いなぁぁ」

「お前、ギリギリだぞ」

「うーん、朝弱いんだよな」

「早く乗れ、失格にするぞ」

「うーん」


結局、迷子作戦を発動する事になる。宿の継続は惜しいけど、どのみちお宝たっぷりだから問題無い。野宿用品は大量に倉庫に入れてあるし、食料も数百人が数ヶ月食えるぐらい入れてある。もちろん、近隣の町村で分散して購入したんではあるが、それでも大量に買うから少し目立った。あれ、変装魔法が無かったらヤバかったかもな。その中で面白い果実とか見つけて大量に買ったが、あれは水筒の代わりになりそうだった。特にマイタンってのが秀逸で、見た目はミカンなのに食ったらスイカ味。水分たっぷりで水筒要らずだ。かなり甘いから運動の後なんかにも最適で、気に入ってあちこちの町村であったら買い占めた。なので食料の半分はマイタンなのは内緒だ。後はレモンそっくりなのに、味がグレープフルーツ。あれには驚いたな。しかも甘めだったからあれも買ったな。後はヘチマの小さい、キューリよりは大きな野菜のような果実。味はなんとメロン。あれって期間限定みたいになっててあんまり変えなくて、それでも買い占めたけど。何はともあれ、寝たフリするのも大変だという結論になる。


脇道が意外と狭くて馬車が入らず、そこから徒歩になる。これも調査とは違うと言ってたが、やはりあの奴隷になったあいつの調査なのかも知れん。さて、迷子になりますかね。途中、やはり魔物は出るようで、散開しての討伐途中、オレは意図的迷子になる。あいつらは少し探していたけど、試験に差し支えると女が試験官に文句を言い、冷たい女だと遊撃っぽい男が呟き、試験官はそれを許諾した。そういうのを木の上で眺めていた訳なんだが。デートの台詞で悪感情を抱いたか、それが君の敗因だ。優しさを発揮したら助けてやろうと思ったけど、冷たい女を助ける義理は無い。諦めて殺人付加になっちまいな・・もう用は無いとばかりに、そこから更に奥地に【飛行】で移動。森の中の広場を見つけてそこにテントを設営。魔物避けを周囲に置いて、おもむろにテントの中を覗き込む。


「手品ってもう終わったの?」

「ああ、ここはさっきの場所じゃない」

「あれ、ここ何処」

「手品だ」

「それは良いけど、これからどうするの」

「レベリングに決まってるだろ」

「冒険キター」

「先にメシ食うか」

「「お腹空いた」」

「ボクも空きました」

「さあ、色々出すぞ」


とりあえずメシを食ってからと、屋台巡りの結果を放出する。相当空腹だったのか、ひたすら食う3人。マイタンを出してやると、食うのは獣人達だけ。ミカは果物は後でとパスするが、そいつはスイカ味だ。水分を採らないと喉が詰まるぞ。姉妹に言われて食べてみたミカは、騙されたと言いつつマイタンを食べ始める。やはり甘い物に目が無いようだ。そうやってのんびりと食事を楽しんでいたが、あいつらは今頃どんな事になっているのか。ちゃんと会話して確認すれば済む話だけど、恐らく言い逃れだとそのままバッサリにする予感もある。オレなら話しておかしいと思ったら、ひとまず捕縛して村人に確認する。それから改めて殺せば良いだけの話なんだけど、忌避のある者達は勢いが無ければ恐らく殺せない。捕縛して武器の無い状態での殺しなど、好きじゃなければやれまい、オレのように。だからきっと、オレの予測通りになると思われる。そして、迷子になったオレの企みとか言い出して、何かの策略とかそんな言い逃れをするに違いない。人間を信じたらきっと裏切られる。そんな事はもう分かっているんだよ。


(タイラン・・コーツ・・トロン・・シールス・・ノット・・エラリス・・ミンツ・・ヤッカ・・これはどういう事なのですかな、冒険者様・・どうって、盗賊だろ・・村からは捕縛依頼だったはず、なのにどうしてこんな事に・・え、こいつら・・オレの息子を返せ・・返せ・・人殺し・・返せ・・人殺し・・人殺し・・うわぁぁぁ、嘘よ、どうしてアタシのステータスに・・うげ、何だよこれ、なんで殺人って。おい、試験官、これはどういう事だ・・待ってください、そんなはずは・・オレも殺人って出てるぞ、どうしてくれる・・いや、ですが・・あああ、こんなの無いわ・・返せ・・人殺し・・人殺し・・何でこんな。大体、洞窟がアジトだったはず・・あそこは村の貯蔵庫だ。奥の部屋は外から入れるように扉が付いている。だからあいつらは手前の洞窟だけで遊んでいたはずだ・・そんな、何でこんな・・おい、どうしてくれるかと聞いてるんだ・・おい、どう責任を取ってくれるつもりだ・・何が殺さないと失格よ)


人間不信になっている彼ですが、これからどう変化するのでしょうか。

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