10話 再会
気が変わったようです。
早朝の鐘、推定朝の5時。そこから馬車で2時間、脇道30分って事で帰りに1泊。なので、翌日の朝は普通に出るとしても、ここには昼頃の帰還となるか。どのみち、魔物が一切出ないなんて事も無いだろうし、倒すか避けながらの移動になる。だから今から殲滅して少し残しておけば、完璧な計画になるんだけど、果たして何人居るかねぇ。頼むからたくさん居てくれよ。大所帯ならお宝もザクザクだろうしさ。門番に知られる訳にはいかないので、またしても隠密行動。夜を待って【マジックシールド】裏路地からの急上昇【浮遊】の後、地図で見た方向に高速移動。これも慣れて来たが【フライングバースト】これのイメージは戦闘機だ。ちなみに【浮遊】はヘリコプターで、通常の【飛行】はセスナのイメージになる。急加速や急制動のイメージは、車のイメージなのでそこまで強くない。さすがに衝突のイメージは嫌だしな。
お、洞窟発見だ。と言っても真っ暗だからさすがに地上は見えない。だけど【探索】で犯罪者のイメージで赤い点が・・あれ、やけに多いぞ。ここだよな、場所は。重なっているからよく分からんが、推定40ぐらいか。誰だ、下見をした奴は。まさか奴隷落ちになったあいつじゃあるまいな。まあいい、そう言う事なら少し残して残りは殲滅だ。さあて、取り出しましたるはスタンガン離れた位置に数人ずつ居るので、気配を抑えて後ろからパチッ・・隣の奴が倒れるそいつに近寄って・・その首にもバチッ・・よし、次だ。とまあ、そんな調子で4ヶ所。見張りばかりなので、討伐も簡単だと思われる。気絶した盗賊連中はひとまず倉庫に入れて、残りは殲滅するからな・・
スタンガンで洞窟前の見張りを気絶させて倉庫に。そして洞窟に侵入して片っ端から気絶させていく。生き物が入る事に気付いて良かったが、生き物が無理なら細菌とかも無理って事になるから、生肉も入れられないって事になる。細菌は除外って設定でも、魔物には寄生虫とかも居るかも知れないし、それも除外なら虫も除外になりそうだ。その境界線がよく分からないなと思っていたが・・それはともかく、総勢を倉庫に入れ、お宝物色タイムに突入する。檻の中には奴隷も居るようで、その数は4人か。獣人が3人で1人は人間か・・あれ?
『何してんの、こんな所で』
『あああっ、相良さん。助けて、出して、お願いだから』
『落ち着け、ミカ』
『送ってもらったのは良いけどさ、絡まれてアッチで交渉しようとしたら気絶させられたみたいでさ、気付いたらここだったのよ』
『ここは盗賊のアジトだな』
『やっぱり・・妙に柄の悪い男連中だと思ったよ』
『で、その身体、使われたのか』
『まだよ、アタシずっと眠ってて』
『あれから何日だよ』
『最初はそりゃ調子良かったよ。相良さんが色々入れておいてくれたからさ、飲み食いに苦労しなかったし』
『それがどうしてこうなった』
『あのね、壊れた馬車を見つけてね、その中でじっとして飲み食いしてたんだけど、誰も通り掛らなくてさ。やっと来たと思ったら』
『盗賊だったと』
『そうみたい。残った少しの食べ物はこの子達にも分けてさ』
『食事は出ないのか』
『水と古くなった固いパンが少しだけ』
『まあいい、全員解放してやる』
『やったね・・良かったね・・言葉は通じないけど』
【ファミリー契約】後は【共用設定】そして【異世界言語理解】これを【有効】これで良いはずだ。
「チビ達、名前はあるのか」
「え、言葉が分からないよ」
「名前、忘れた」
「覚えてない」
「覚えてない」
「あれ、どうして言葉が」
「後で説明するからとりあえず来い」
「うん・・みんな、行こう」
「うん、お姉ちゃん」
「はい、お姉ちゃん」
「助けてくれてありがとう」
「名前は後で付けてやろう。どのみち解放奴隷って訳にはいかんだろうし」
「え、どうして」
「持ち主が死んでも解放にはならんぞ。ちゃんと奴隷商館で開放しないと。そうじゃなければ知人が持ち主殺したら解放になっちまうだろ」
「ああ、そっかぁ」
「持ち主殺して解放になると、盗賊組合とか出来ちまうぞ」
「そうだよね、相互協力とかで」
「だからだ」
「このままで良い」
「このほうが安全」
「ボクもこのほうが良いです。解放されてもまた捕まりますから」
「獣人はそうなのか」
「そうみたいです」
「チビ達とお前の年はいくつだ」
「8才」
「8才」
「「私達、双子」」
「今年で14才になります」
「んで、ミカは17才と」
「まだ16だよ」
丘の上で周囲に魔物避けを置いて、簡易テントの中であれこれと。ミカの事情は分かったが、獣人達の事情は誘拐としか思えん。村外れで薬草採取の時に誘拐された双子の姉妹とか、冒険者になろうとして角ウサギ狩りをしてて、疲れたところを襲われて気絶とか、相当に虐げられている様子。それにしても、全員狐の獣人なんだけど、キツネさんの意趣でも混ざっているのかな。それはどうでも良いが、全員灰色狐の獣人か、グレイフォックスとなると、14才の男の子はグレイって付けて、双子は・・どうすっかな。狐と言うより猫みたいなんだよな。ミケとタマで良いか。そのうちちゃんとした名前にしてやりゃ良いし。ミカ達には手品を使うと言って、テントの外でテントを倉庫に入れる。全員一括で楽々だ。
さて、下拵えをしないと・・まずはお宝確認。大所帯ならではの大量の財物は思った通り。ボロい袋に入っているが、これはこの際どうでもいい。袋ごと倉庫に入れていく。後はツボの中に金貨がわんさか入っている。数えたら500枚あったから、ツボ1つが500枚って事にしてあるのかも。そのツボが合計で8個と、端数のツボが1個。231枚の金貨は一度出して、オレの金貨から500枚入れて倉庫と、空のツボに合わせて500枚。端数の131枚と手持ちの小銭を合わせて小袋に入れる。金貨が500枚のツボ8と140枚ほどになった。4140枚か、かなりになったな。後は銀貨と銅貨は袋にわんさかなので、後で整理しようとそのまま倉庫。後は・・これ何だ。これって冒険者のライセンスだろ。色が白いけど、これってミスリルとかか?まあ、預かっておこう。2枚あったけど、中級かな、上級かな。オレが横取りしなかったらここに、中級と初級が足される事になってたんだろうな。おや、ここは何だ。開かないな・・これ、使えるかな【アンロック】お、開いたな。これで問題なく泥棒に・・なるかよっ。
おいおい、こりゃまたとんでもないな。ボスの部屋みたいだけど、何処の貴族だよ。家具は上等だし、中には服が満載だし。テーブルも机も椅子も、更にはベッドも豪華だし。よし、全部倉庫に入れちまおう。けど、これどうやって中に入れたんだ。どっかに抜け道があるのか?あれ、これは・・ほお、でかい扉を開けると外に出られるって、洞窟の安全性が損なわれているぞ。まあ、両方の戸には突っかい棒がしてあったが。外したらガラガラと開いた。この盗賊って、もしかしたら元貴族とか言わないよな。まあいいや、ここは閉めておこう。あいつらが見つければ良いだけだ。ガランとした部屋になったな。よし、もう用は無い。後は【ロック】戸締りはしないとね。さて、気絶の見張り8人を置いて帰るとするか・・
あらいざらい回収して、中級試験の彼らに収益はあるのでしょうか。




