『1』世界とコントローラーと秩序。
20xx年
この世の全てがある一つのツールで支配できるようになっていた。
そのツールは極一部の政治関係者や、貴族しか持つことを許されなかった。
その名も、
「world・controller」
ワールド・コントローラーだ。
これがあれば、地球に病原菌を蔓延させることだって、災害を起こすことが出来る。
これが制作されたのは、一年前の話。
第五次世界大戦が始まり、世界が乱れていた。
人は死に、飢え、同じ国のもの同士で争い、その戦争と同時にバイオテロなどが多発。
戦争が終わる頃には世界の人口は1/3になっていた。
この事態に、危機感を感じ、急遽世界政府が結成された。
そして、世界政府からの依頼で、世界屈指の科学者達が
world・controllerを制作したのだった。
それからというもの地球は世界政府の手に落ちていった。
政府の気に入らないものは全て根絶やしにされてしまう。
戦争が終わり、爆発的に人口が増えていた地球に対し、政府は選別と称し、何億という人を無差別に殺した。
それに、反発するデモも起こったがデモ隊は彼らの前には何の力も持たずただ、蚊の如く潰されていくのだった。
そんな不穏な空気に包まれた地球にある転機が訪れたのは昨日のことだった。
政府の持つコントローラーに認識されないという人間が現れたのだ。
それも、多数の。
彼らは世界政府のお偉いさんが集まる集会を狙って惨殺を始めた。
政府の奴らはコントローラーを必死に触って抵抗しようとしていたらしいが、コントローラーに認識されない彼らは政府の奴らをズタズタにすると、その場からコントローラーを持って消えたと言う。
それも、たった三十分の間に。
その件でテレビは大賑わい。
しかし、犯罪は増え、治安は悪くなる一方だ。
メディアでは彼らを正体不明だと言っているが、僕もきっと、彼らは今の科学では証明もつかない電波か何かだと思う。
何はともあれ世界はある意味で救われた。
僕はテレビを見ながらそっと、ドライバーを机に置いた。
しかし、これからまた世界は再建してまた同じ過ちを犯すのだろう。
それを、何としても阻止しなければならない。
だから僕はこれを、制作した。
「world・Judge」
これで世界を裁く。
次世代を担うのはこの僕だ。
今回の話は思いつきで書きました。
機械が全てを支配する世界が来るのは嫌ですね。