十一話
2014/06/01 修正
そんなこんなで次の日になった。今は白兎と一緒に出歩いている。
始めは何も買うつもりはなかったのに今はリンリという林檎そっくりの果物とモモモを二人腕で抱え食べている。
そしてやはり周りの人は俺を見ると怯えるがいつも通りだ。
白兎はリンリとモモモの果汁で口の周りを笑顔でベタベタにしている。
それを周りの女たちは見惚れている。…なんだやっぱり顔なのか?…まあ、白兎だからな。
「美味しいねー。これ…えーと…?…桃。」
「桃じゃなくてモモモな。モモモ。」
「モモモー。」
なんだか幼い子供を相手にしているような気がしてくるのは仕方ないだろう。
俺はリンリをしゃくりと食べ、これからしばらく滞在するスケジュールを立てる。
一日目は…もうそろそろ魔獣狩りでもしよう。で、六日目までは只管魔獣狩り。
七日目の午前で終わりにしてあとはゆっくり休んで体力の温存に回そう。
俺は最後の一つのモモモを食べ、隣の白兎をちらりと見る。白兎は最後のリンリの実を食べていた。
「白兎、もうそろそろ魔獣狩りをしに行こう。」
「ふぁひゃっひゃ。」
「食べたまま話すな。」
それに対して白兎はしょんぼりとしたが無視だ、無視。今のは白兎が悪い。
気を取り直して魔獣狩りへ。毎回の如く武器を持っていないために門番に止められるという事態が発生した。
閑話休題
で、今は森の中だ。そこで一旦俺たちは別行動をすることになった。
PTを組んでさえいればどんなに離れていようが関係ないらしい。
経験値も別々で倒しても二人に入る。それなら別行動でもいいんじゃね?と言った感じだ。
とりあえず走る事にした。走った後の木々は折れ、吹っ飛ぶ。モンスターも吹っ飛び、アイテムになる。
最近気が付いたが、風が強いと思っていたのは俺が走っていたからだった。
俺が走ってる程度で何故モンスターが吹っ飛ぶのか理解できないが…。いや本当に。
そう思っているとまた色彩鳥を発見した。とりあえず色彩鳥の嘴を握って砕いて足と翼と尾羽を引き千切る。
そしてそのまま首をすっぱり切り裂き、そのまま放置する。五分経てば勝手にアイテムボッスに入ってるらしいからな。
しばらく走っていると白兎を見つけて走るのをやめる。よく見れば頭を抱えている。
白兎は俺が近づいたのに気が付いたのか顔を上げて不機嫌そうな顔をした。
「きょーや!モンスター倒し過ぎだよ!!レベルアップしすぎて何がなんだかよくわからなくなってきちゃったんだから!!」
「?レベルアップしたのか?」
「うん、レベルアップしたよ。…じゃなくてさぁ!」
よくわからないが、レベルアップは目出度いじゃないか。
白兎は「きょーやって、本当に変な所で天然というか鈍いというか…。」と呟いていた。
「俺は天然じゃないし、そもそも鈍くないし俊敏だぞ?」と言うと白兎は溜息を吐いた。
「…まあいいや。きょーやさ、どのくらいお金溜まった?」
その言葉に俺はメニューを開いて確認する。…おお、かなり増えた気がする。
「1215659Gになった。」
その言葉に白兎は頭を抱えた。
「その金額だと一体何匹の魔獣轢き殺したんだろう?こんなにレベルアップしたのが分かる気がする。」
「?…とりあえず、そろそろ帰るか?辺り暗くなってきたし。」
「そうするー。」
白兎は疲れたような声で賛成した。大丈夫か?心なしか足取りがフラフラしている気がする。
俺は暇つぶしに辺りを鑑定しながら帰る事にした。
ギタィの木 レベル5
一見何もないように見えるが実は大変珍しいステルス効果のある木で樹液が美味しい。
かなり頑丈の為、加工して窓ガラスなどに使用できるかもしれない。
その他にも隠密性のあるモギの矢などにもできる。樹液はそのままでも食べられる。
ギタィの木…擬態?なるほど。でもギタィは言いづらい気がするぞ?
それとも何か?此処の世界の人たちにとっては言いやすいのか?
ついでに名前の右側にあるレベルはもしかして魔石と似たような感じか?…次。
シンキの木 レベル5
一見普通の木だがその実、溢れんばかりの神気を吸収し続けた木。
世界樹の葉と同等以上の効力を持つ。しかし発見が遅れたために世界樹がメジャーになってしまった。
樹液にはステータスを底上げする力がある。これを御神酒にすれば何処かのステータスが上がっているかもしれない。
実は甘く、フルーティで病み付きになるほどに美味。見た目はモモモ。
マソの木 レベル5
一見普通の木だがその実、溢れんばかりの魔素を吸収し続けた木。
ハイエーテル以上の効力を持つ。しかし発見が遅れたためにハイエーテルがメジャーになってしまった。
樹液には魔力を底上げする力がある。そのまま飲んでもよい。
実は若干すっぱいが病み付きになるほどに美味。見た目はレモモン。
シンキとマソは若干コピペっぽいがこれは凄いんじゃないのか?
いきなり立ち止まった俺を不思議そうに見ている白兎に説明する。
すると思い出したように「きょーや鑑定使えたんだっけ。」と言っていた。
だが俺の鑑定レベルが、Maxだと知ったら凄く驚いていた。もし俺のスキルの殆どがMaxだって知ったらどうなるんだこいつ。
「じゃあ切り倒しちゃえば?」
「…いや、そうしたら樹液が採取できない。…魔法でなんとかなるか?」
そう言うと白兎は腕を組んで悩みだした。勿論俺も考える。
無・火・炎・水・氷・土・大地・風・雷・光・闇・龍・治癒・神属性・創生は使ったところで意味がなさそうだ。
となると残りは古代属性か空間属性。候補はこのくらいだろ。
創生で造ってもいいかもしれないが、実物を見ていないとイメージできない。
造れなくはなさそうだが、その分魔力を取られそうな気がするからなしだ。
古代属性は…あ、駄目だ。鑑定したら随分と凶悪な魔法だという事が分かった。
古代魔法
古代に禁忌とされていた神殺し魔法。古代魔法の正式名は【古代禁忌最大神殺し魔法】。
少なくても一回につき魔力が一万消費する代わりに神をも殺すことの出来る魔法。
何か壮大な物語がありそうだと思ったら無意識の内に鑑定していたのか文字が浮かんできた。
古代禁忌最大神殺し魔法が生まれた理由
その昔、神々は地上に降りて戦争を繰り替えしていた。その戦争に巻き込まれた人間たちは成す術もなく死んで逝く。
それを嘆いた大賢者はとある研究をし出した。その名も【禁忌最大神殺し魔法】。
その名の通りに神を殺すという禁忌を破る魔法である。
大賢者を反対していた者たちも事態の大きさを周囲と大賢者自身に諭され沈黙した。
そして研究をして数年、ようやく禁忌神殺し魔法が完成した。
一方神々は人間を甘く見ていた。「たかが人間如き何が出来る。」と。
人間を甘く見ていたため、戦争に乱入してきた人間たちを無視していた。
その結果、古代禁忌神殺し魔法が見事神々に乱射し、様々な神々が命を落とした。
それを見た神々は人間を畏怖した。激昂など出来ないほどに心を折られた神々は何も言わずに事態を収拾する事となった。
その後の大賢者がどうなったかは誰も知らない。しかし、たまにふらりと現れたらしい。
それ以後は神々は人間界で争いをすることはしなくなったらしい。
「ふむ。」
「?どうしたのきょーや。」
「いや、なんでもない。」
つい読み耽ってしまった。とりあえず、古代魔法は使えない。残るは空間魔法か。
空間魔法…上手くいけば樹液のみを空間移動する事が出来るかもしれない。
しかしその前に何か淹れ物を作らなければ折角の樹液が勿体無い。
そのため何か―――大樽でいいだろ―――をイメージする。
とりあえず十樽造って、あとで樹液を中に入れればいい。
光に包まれ大樽が現れた。二つを残してアイテムボックスにいれる。
準備が完了してから俺は早速樹液を取るイメージする。呪文はどうするか。…まあ、言わなくても大丈夫だよな。
俺はしっかり目の前のギタィの木を見つめ、魔法を発動させるイメージをする。
そしてそのまま大樽に視線を滑らせる。しばらくして成功したかどうか確認することにした。
「…成功したか。」
「おお!流石きょーやだね。」
一つの樽で一杯になった。多いかどうかはよくわからないが…。
味見は後でいいか。アイテムボックスに入れてる間は新鮮のままで腐る事が無いから安心だ。
俺は次々と樹液を採取し、木を切り倒してアイテムを採取していった。
「きょーや、そろそろ帰ろう?」
気が付けばすっかり夜になっていたが幸いな事に辺りに俺と白兎以外の気配はない。
俺はとりあえず白兎がフラフラと何処かに行かないように手を掴んで街に戻った。
色彩鳥の翼×2→4
色彩鳥の羽×21→54
色彩鳥の頭×1→2
色彩鳥の足×2→4
色彩鳥の血液×32→60
New 色彩鳥の尾羽×1
New 色彩鳥の嘴×1
New ギタィの木材×200
New ギタィの樹液×100
New ギタィの葉×1032
New シンキの木材×216
New シンキの樹液×108
New シンキの実×540
New シンキの葉×1009
New マソの木材×208
New マソの樹液×104
New マソの実×520
New マソの葉×1027
キョウ
レベル 55→61
種族 人間
HP+10 MP+5 以下ステータス+10(最初は100)
HP 550→620(+50000+50000+50000+50000+50000+50000+50000)
MP 275→310(+50000+50000+50000+50000+50000)
STR 710(+50000+50000+50000+50000+50000+50000+50000)
DEF 0(+50000+50000+50000+50000+50000+50000)
VIT 0(+50000+50000+50000+50000+50000)
DEX 0(+50000+50000+50000+50000+50000)
AGI 0(+50000+50000+50000+50000+50000)
INT 0(+50000+50000+50000+50000+50000)
CRI 0(+50000+50000+50000+50000+50000)
LUK 0
属性
無・火・炎・水・氷・土・大地・風・雷・光・闇・龍・治癒・神属性・創生・古代・空間
装備
魔神のロングコート(黒)
荒神のVネック(黒)
邪神の手袋(黒)
悪神のパンツ(黒)
戦神のズボン(黒)
呪いの靴下(黒)
災神のブーツ(黒)
称号
漆黒の断罪者
堕落なる断罪者
冷酷なる断罪者
所持金
573275G→1215659G
ステータス
ハクト
レベル 15→48
種族 人間
HP 150→280(50000+50000)
MP 225→290(50000+50000+50000)
STR 30→70(50000+50000)
DEF 30→40(50000+50000)
VIT 50→120(50000)
DEX 30→60(50000)
AGI 25→50(50000)
INT 40→140(50000+50000+50000)
CRI 20→50(50000)
LUK 40→90(50000)
属性
無・火・炎・水・氷・土・大地・風・雷・光・闇・治癒
装備
大魔導師のローブ(白)
守り神のVネック(白)
大魔導師の杖(白)
戦神のパンツ(白)
祝福のズボン(白)
加護付きの靴下(白)
称号
無し
所持金
3950G →6950G
リンリ:林檎そっくりの見た目、味をしている。