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Data  作者: 矢野
1/5

プロローグ

初めての作品なので、拙い表現、誤字などがあると思います。



誤字脱字などがあった場合、知らせていただけると幸いです。



まだまだ始まったばかりですが、完結に向けて尽力していきますので、何卒宜しくお願いいたします。

薄ら寒い笑顔を浮かべる男、その男の目には狂気が宿っていた。



異常をきたした精神の娘。

未だ泣き止むことはなくーーーーー



ここで一つ、運命の歯車は回る。



月の明るい夜のこと、その小さな子供は家族を手にかけた。



暗い地下での生活にピリオドを打ち、地上へと続く階段に足をのせる。しかしその階段は余りにも脆いモノだった。



そして、もう一つ、



見目麗しい少年は切れ長の目を細め、その家を後にする。



歩を進めては涙をこぼす。愛しい"妹"の姿を目に焼き付けたまま、彼はその血に濡れた手を隠すように遠くへと歩き始めた。




歯車が回る廻る周るーーーーーーーー




残された少女達がいた。

皆一様に暗い瞳をしている。



彼女たちの運命はとても数奇なものーーーーー




小さな手が地面を掴んだ。




その渇いた地に落ちるものは、絶望にくれる瞳からこぼれる涙か、それとも身を焦がすような激情に包まれ流れた血であろうか。




幾度も幾度も名を呼んだ。

その高い声が枯れるまで。諦めることなど出来なかった。




小さな少女はまだ知らない。

自らを動かすその感情ーーーーーそれを人は"恋"と言い、そして誰しもがその甘い罠に掛かるのだと言うことを。




小さな少女はまだ知らない。

とうの昔に掛かっていたその罠に。その感情に。





必死に生き延びて、強くなる。

血反吐をはいても立ち止まることなどなかった。





愛でてくれたある男を思い出す。

一人の少女は記憶に思いを馳せ、悦に入り、そして殺意に燃える瞳を閉じた。




憎くて憎くてたまらない。

自分は永遠に貴方と供にいたかった。




彼女を動かすこの感情は果たして恋なのであろうか。

知ったことではないと吐き捨て、少女は闇へと溶け込んだ。






赤に染まった人間達を思い出す。

一人の少女は光を失ったその瞳、月に照らされた赤の美しさを思い出し、ペロリと舌なめずりをした。




足りない足りないまだ足りない。

自分は今でも壊れたままだ。




彼女を動かすこの感情は果たして"恋"と言えるだろうか。

他人事のように少女は気にせず、そしてまた今日も血に溺れる。





鷹のような鋭い目を思い出す。

一人の少女は自らの片割れを探す。寂しいと泣けども泣けども片割れは姿を現しなどしなかった。




どこに何処に一体ドコに。

生きているのか、死んでしまったのかも分からぬまま。




彼女を動かすこの感情はきっと"愛"。恋慕にも似た、とても深い家族の愛情。

今日も今日とて少女は愛しいモノの面影を求めて探し、彷徨う。


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