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あやめとアヤメの交換日記  作者: 深光
前略、叶山様へ
91/114

太歌流夢剣術

 放課後、彩萌はミギー君と一緒に教室に戻ったのです。

 そしたら白仮君の他に、クーリーちゃんとシェミューナちゃんもいました。シェミューナちゃんはクーリーちゃんが誘ったみたいです。

 シェミューナちゃんはちょっとテンションが上がっているようで、背中の小さい羽がパタパタと動いていました。

 意外とこういうの好きらしい、スポーツとか決闘とかそういうのを見てるとテンション上がりすぎて海とか川に飛び込むタイプらしいです。

 ミギー君がちょっと心配していました、「コイツ大丈夫かなぁ……」って小声で呟いていました。

 白仮君はそんなシェミューナちゃんに「室内の場合はどこに飛び込む予定?」って聞いてて、シェミューナちゃんは結構真剣に悩んでいました。

 それを見たミギー君が「コイツら大丈夫かなぁ、に訂正するわ」って言ってた。

 意外とミギー君は冷静だよね、クーリーちゃんと幼馴染だからかな?

 そんな感じの話をしながら教室を出るとね、ケレンさんがいたのです。ちょっと夕焼けと色が混ざってて見辛かったです。

 せっかくなので彩萌が誘ったらね、ちょっと悩んでたけど良いですよって言ってくれたのです!

 断られると思ってたので、ちょっとビックリです!


「うえぇっ!? ケレンさんもスポーツで熱くなっちゃうタイプだったの?」

「……コニュデウィさん、何故そうなるのですか?」

「えっ、なんでそうなるって……えー、なんでそうなったのかクーリーわかる?」


 シェミューナちゃんの問いかけに、クーリーちゃんは「わかるわけないでしょ」って突っ込みを入れていました。

 そう言われたシェミューナちゃんは「じゃあ私にはわかんないよ!」ってケレンさんに返してた。

 ケレンさんにはその返し方も、シェミューナちゃんの考え方も理解できなかったのかちょっと混乱したような顔をしていました。でも、シェミューナちゃんはそういう子なのです。

 白仮君はシェミューナちゃんの考え方がなんとなく分かるらしいです。「なんとなーく、ね」って言ってた。

 みんなにどういう経緯でディーテさんとアタリアンが戦うことになったのかを説明しながら廊下を歩いていたのです。

 シェリエちゃんがいないのがとっても残念だけど、でもこうやってみんなでダラダラ喋りながら歩くのも悪くないなって思います。

 シェリエちゃんもいたらよかったのに……。


「――まず、どうして魔王様やギルドの人と知り合いなのか、とか……いろいろと疑問が尽きないのですが」

「まあまあケレン、こんな事で驚いてたら頭が追い付かなくなるぜ! アヤメの知り合いは大物が多いから、聞いたらマジヤバいよ」

「……そうなのですか、では何も聞かないでおきます」


 ケレンさんは小さく「心の平安のためにも……」って呟いたのです。でも彩萌は凄くないし、へいぼんぼんですから安心してほしいです。

 そしてシェミューナちゃんが「なんでミギーがアヤメの交友関係知ってるの!? もしかして、熱愛発覚なの!?」って騒いでいましたが、別に深い意味はないです。

 クーリーちゃんも白仮君も知ってるよって彩萌が言ったら、シェミューナちゃんはちょっと残念がっていました。

 そんなこんなで校舎から出るとね、ディーテさんが見えたのです。

 彩萌が手を振るとね、ディーテさんも手を振ってくれたのです。そして彩萌は気付いたのです、ディーテさんの隣に紫色の小さい人がいるのです。

 アクセサリーがジャラジャラしていないユヴェリア王子もいたのです、遠くから見たら王子だって分からんですよ。


「彩萌さーん、お久しぶりですね。元気そうで私は何よりも嬉しいです!」

「お久しぶりです、王子はやっぱりアクセサリーがないとよく分かりませんね!」


「私をアクセサリーで判断していたのですか……!?」って王子は驚いていたけど、あれ……彩萌はこのことを言ってなかったっけ?

 王子は結構落ち込んでいるように見えます……なんか、ごめんなさい。

 だって、ユヴェリア王子ってユース君にそっくりだし……うん、ごめん王子。


「まあ……王子は元気出しなよ、とりあえず遅くなる可能性も考えて学童院と孤児院には連絡入れておいたからね」


 ディーテさんの発言に「連絡を入れたのは私ですよ」って王子は抗議していました。

 そして彩萌は何故かクーリーちゃんに苦笑いされました。王子は白仮君とミギー君に励まされていたのです、いつの間に仲良くなってたの?

 ケレンさんは心の平安を保つのに必死でした。そんなケレンさんの姿を見て、ユヴェリア王子はやっぱり凄い人なんだなって彩萌はちょっと実感した。

 ディーテさんと王子の案内で彩萌たちは“ソニア”が活動する場所に向かうのです、大学のほうにある体育館みたいな場所らしい。

 二人について行っている途中で、彩萌はシェミューナちゃんが静かなのに気が付いて振り向いたのです。

 シェミューナちゃんはディーテさんを見てました、ちょっと顔が赤いです。

「これが大人の魅力なのね……!」って呟いてたから、恋が始まっちゃったようです。

 うーん、恋をするのはシェミューナちゃんの自由だけど……正直、ディーテさんはおススメできないかなって思う。

 体育館っぽい建物の中には、結構学生さんがいました。大人っぽい学生さんが多いですね。

 中等部の人が一人いて、後は高等部の人ばっかりなんですって、一応大学生もちらほら居るみたい。

 王子の年齢は彩萌と変わらないけど、一応大学生です。

 アタリアンと李白さんもいました、今日のアタリアンは鳥のお面をつけていませんでした。あと……靴もいつもの高下駄じゃなくて、なんかバレエの時に履くようなトゥーシューズっぽい靴を履いていました。

 そしてアタリアンを見たクーリーちゃんとシェミューナちゃんが「超イケメンじゃん」って言ってた。

 ミギー君は確かにイケメンだわーって笑っていたのですが、白仮君はユヴェリア王子とディーテさんとアタリアンを見てちょっと落ち込んでいました。

 よく分からないけど……白仮君もカッコいいと思うよ、だから大丈夫だよ。たぶん。

 彩萌がそんなことを言って白仮君を励ましてたら、“ソニア”に所属している学生さんたちに咫兄弟が説明していました。

 その説明を聞きながら、彩萌たちは王子に案内されて隅のほうに移動したのです。意外と館内は狭いです。

 そこにはベンチがあったので、彩萌たちはそこに座ったのです。

 王子が一番端に座って、彩萌がその隣に座らされて、次にクーリーちゃんでシェミューナちゃんと来てケレンさんが座ったのです。

 そしてミギー君と白仮君は座るのを拒絶したのです、壁に寄りかかっていました。

 それを見てクーリーちゃんは「カッコつけたい年齢なのよ」って言ってました。でも彩萌にはミギー君はカッコつけたいって言うより、白仮君をからかいに行ったように見えたのですけども。

 だって今もニヤニヤしながら白仮君になんか言ってるよ。白仮君は鬱陶しそうにしてるよ。


「ねえーアヤメ的に誰が一番イケメンだと思う!?」

「えっ、何の話ですか?」

「クーリーはディーテ王が一番この中でカッコいいって思うって! だから彩萌とケレンさんは誰がイケメンだと思う?」


 シェミューナちゃんの発言に「私もですか?」ってケレンさんは困っていました。

 えー……この中で? この中で一番のイケメン?

 うーん……イケメンっていうのは性格も含めてイケメンだと彩萌は思うのです。でも王子はちょっと腹黒だし、李白さんは軽薄だし、アタリアンは猫が好きすぎるし李白さんの弟だし……。

 彩萌がめっちゃ悩んでいると、王子が顔を覗き込んだのです。


「悩んでいるのでしたら、私はどうでしょう? 顔は悪くはないと思っているのですけども」

「王子に言われて、彩萌がイケメンは王子だって言って納得するんですか?」


 王子は「多少は」と言ったのです。王子はそれで良いのか……。

 ケレンさんは「赤い色は兄を思い出すから李暗さんで良いです」って言ってました。そんな理由でも良いのかー。

 それでも彩萌がめっちゃ悩んでいると、シェミューナちゃんが「もー、彩萌はリーディア先生が好きだからしょうがないかー」って言ったのです。

 そういえばシェミューナちゃんは知ってたね、というかいろいろと見てたもんね……。

 クーリーちゃんが「えーっどういうことなの!?」って聞いてきたけど、もうそろそろ始まっちゃいそうですよ。もう二人とも館内の真ん中にいるよ。


「アタリアン頑張ってね!」

「えぇっ、彩萌ちゃんはお兄さんを応援してくれるんじゃないの!?」


 え? いや、彩萌は学生さんたちに舐められて辛い思いをしている咫兄弟の応援に来たんですけど……。

 そんな彩萌を見たアタリアンは、親指をグッと立ててめっちゃ良い笑顔をしていました。


「おうさ! どうやら、運は俺のほうに向いているようだぜ?」

「うわーなんかムカつくー! 彩萌ちゃんの応援なんかなくっても負けませんし、全然メンタルにダメージなんか食らってませんし!」


 ディーテさんの様子を見て「だいぶ食らってますね」って王子が呟いてた。彩萌もそう思う。

 さっきまでやる気のなさそうな感じだったのが一転して、ディーテさんはやる気が出ちゃってる感じです。

 そんなに悔しかったんだね……ごめんねディーテさん、今回はアタリアンの応援するね。でもシェミューナちゃんとかクーリーちゃんはたぶんディーテさんの応援してくれるよ。

 “ソニア”所属の学生さんはちょっとヒソヒソしてたけど、気にしません。

 李白さんは審判役のようで、二人に近い位置で立っていました。


「それでは事前に決めた通り、魔法有りの模擬戦を始める。相手が参ったと言うか、もしくは実戦なら致命傷になる一刀が入ったら終了という事でよろしいね?」


「魔法での補助は許可するが、魔法での攻撃は禁止とする」って李白さんは言ったのです。

 なんだかドキドキしてきました……アタリアン大丈夫かな、ちょっと心配になってきた。でもアタリアンも強いから、大丈夫だよね……。

 だって実戦経験はアタリアンのほうが上だもんね、ディーテさんなんていつも本ばっかり読んでるような人だし。

 李白さんが合図をすると、二人は木刀を構えたのです。

 ディーテさんの構え方とアタリアンの構え方は全然違いました。ディーテさんは体を横向きにしていて、剣を持っているほうを後ろに向けてもう片方の手を盾にするかのような構えです。たぶん、アタリアンからは剣が見え難い構え方だと思います。

 一方のアタリアンは、ディーテさんとは対照的に剣を前に出す構えです。フェンシングっぽいような、そんな感じです。

 李白さんが合図を出して「それでは始め!」ってスタートさせると、先にディーテさんが動いたのです。

 ディーテさんは切りかかるというよりは、殴りかかるというか……ちょっと荒々しい感じで木刀を振ったのです。この動きは予想してなかったのか、アタリアンはビックリしながら避けたのです。

 でもディーテさんはそれに対して、回し蹴りをしたのです。なんだか剣術の試合というより……ディーテさんの戦い方が格闘技っぽい。フレアマリーさんがディーテさんを兄貴って言って尊敬する理由が分かったかもしれない……。というかディーテさんの戦い方が意外と荒々しい、フレアマリーさんがマジで好きそう。

 アタリアンは華麗に避けてディーテさんから距離を取っていました、剣を持っていない方の手と羽でバランスを取っているように見えます。

 ……うーん、ディーテさんがなんか野生に帰っているような気がする。

 イケイケな感じで攻めるディーテさんから距離を取りつつ、アタリアンはクルクルと踊るような感じで位置を移動しているような……?

 なんか、アタリアンの動きが不思議な動きです。というか、バランスを取り辛そうな動きをしています。

 剣の先で距離を測りつつ、アタリアンはディーテさんとの距離を一定で保っています。

 ……あれ、ディーテさんの顔が野生から戻ってる。なんか楽しそうな感じになってるんですけど、この短時間で何かあったの?

 アタリアンに攻める気配はありません、でも押し負けているっていう感じでもないです。

 学生さんたちの雰囲気がグダッて来ているのが目に見えて分かるころ、王子が隣で感激の声をあげていました。


「凄いです、李暗さんの動きは長年にわたる鍛錬の賜物……! 一朝一夕で覚えられる物ではありません、やはり彼は尊敬に値する御方ですよ」

「不思議な動きをしているのは分かるけど、僕にはどう凄いのかよく分からない……」

「規則性があるのはなんとなーく分かったけど、僕にも分からん。ユヴェリア王子教えてくれー」


 気が付いたらミギー君と白仮君が近くに来ていました、彩萌も分かんない。たぶん隣のクーリーちゃんとシェミューナちゃんも分かってない。

 でもケレンさんは真剣に見ているので、もしかしたらケレンさんには分かったのかもしれないです。

 もしかしてディーテさんが楽しそうな顔になったのも、それが関係してるのかな?


「陣術です、彼の動きは足先で陣を描く為の物……それでいて隙が無いのですから、素晴らしい剣士でありながら素晴らしい魔術師ですよ、彼は!」


 なるほど……ディーテさんが楽しそうな顔をするわけですよ。

 ユヴェリア王子も魔術とか得意だもんね、魔術に興味が無かったら凄さが分からない動きなのかな。

 そんな事を考えていると、アタリアンの陣術が完成したのか足元が黄色く光っていました。学生さんたちがザワザワしているのが分かります。

 そして、魔法陣からツタが生えたのです。それはディーテさんの足とか手に絡みつくのです。

 ディーテさんも魔法を使ったのか、それとも魔術を使ったのか分からないけど……ツタが燃えていました。ディーテさん自体が燃えているようにも見えます。

 でも、ツタの方が威力が勝っているようで消し炭にできないようです。陣術は威力が高いってジェジア先生が言ってたし、そのお陰なのかな。だとしたら、ディーテさんが使ったのは魔術かな?

 動きが封じられる頃にアタリアンはディーテさんの懐に潜り込んだのです、ディーテさんは首筋に木刀を当てられたのです……。

 ディーテさんはちょっぴり驚いてたけど、なんだか嬉しそうな表情をしています。

 魔術ありきの剣術って李白さん言ってたもんね……アタリアン凄い、でもディーテさんは途中から観察することに意識を集中させてた気がするんですけど……彩萌の気のせいですか?

 ユヴェリア王子が隙が無いって言ってたし、その所為で攻めきれなかったんだよね?

 アタリアンがちょっと微妙そうな顔をしているのは、ディーテさんが手を抜いたからじゃないよね?

 彩萌はディーテさんを信じてもいいんですか、そんな失礼なことはしていないって信じていいんですか。


「先ほどの動きは術師のための足捌き、私たちが使う剣術は陣術及び挙術を扱う魔術師の為に作られたもの」


 李白さんの説明によると、本来は挙術を利用しながら剣で攻めつつ魔法陣を描くらしい。だけど今回は攻撃する魔法とかは禁止されたから、挙術は使わなかったらしいです。

 剣先で距離を測りながら足先では陣を描き、空いた手で挙術を放って隙が生まれた敵に一撃必殺って感じらしい。

 剣で仕留められなかったら、陣術で止めを刺す感じらしい……。

 この足捌きは剣だけじゃなくって槍とか杖とかでも使える動きらしい、ただ癖が強いからやっぱり修行しないとダメみたい。

 その説明を聞いた学生さんたちは拍手をしていました、彩萌たちも便乗して拍手しました。

 いつも二人が一本歯の高下駄を履いているのは、修行の一環なのかな? 今日のアタリアンは下駄じゃなくて、トゥーシューズみたいな形の靴だしね。

 そしてこの説明を李白さんがしている最中、ずーっとディーテさんがアタリアンにしつこく弟子入りを志願していました。

 教えて教えてーって付きまとわれてアタリアン困惑してます、ディーテさんの悪い癖が出てますね。

 あと、名前は太歌(だいか)流夢剣術らしいです、咫兄弟の師匠さんの太歌さんがどうしても魔術を取り入れた戦いがしたくて作ったやつらしい。


「屋内ではその華々しさを見せてあげられないけど、正直言って戦場ではフレンジアよりも私たちの方が目立つよ」


 李白さんがそう言うと、学生さんたちはちょっと興味が出てきたみたいな反応をしていました。

 そうだよね、フレンジアさんはどちらかというと相手の気を引いて攻撃を一手に引き受ける的な戦い方するもんね。盾のような、そんな人だよね。

 でもそれは冷静な時だけらしいけどね、頭に血が上ると敵に突っ込んでいくタイプらしいよ。

 咫兄弟はギルドを管理する側なので、フレンジアさんと一緒に戦う機会は少ないらしい。

 というか咫兄弟は魔術なくても目立つじゃん、羽が生えてるし白と黒(稀に金)だし第三の目があるし大きい鳥になるし……というか二人とも発光するじゃん。

 そして王子が李白さんや他の学生さんのところに戻ったあと、クーリーちゃんとシェミューナちゃんが小さくキャーキャー言ってました。


「李暗さんカッコいい、私……やっぱりディーテ王じゃなくって李暗さんが良いかなって思う……!」

「クーリー意外とミーハー、それでも私は魔王様が良い!」

「えー……笑顔が素敵じゃない、少年ぽくって」

「魔王様だって素敵な笑顔じゃん、ちょっとだめんずっぽいけどそこが良いよ!」


 クーリーちゃんとシェミューナちゃんはやっぱり女子だね、なんか女子って感じの話題だよね!

 シェミューナちゃんはどこにも飛び込めなかったからか、羽が超バタバタしていました。羽って良いね、そういう時に便利なんだね。

 彩萌が二人を女子だなぁって思って見てると、白仮君とミギー君が「女子っぽい」って呟いてて……なんか同じことを考えててちょっと面白かったです。

 そしてケレンさんは真剣な表情で考えごとをしていました。


「……叶山さん、ソニアにはどうしたら入れるか知っていますか」

「えっ、カルヴィン先生は許可が出れば誰でも入れるって言ってたよ」


「この場合は誰に許可を求めれば良いのでしょうか……」ってケレンさんは真剣な表情で聞いてきたけど……誰に聞けばいいんだろうね?

 というかケレンさんはソニアに興味が出たんだね、ソニアというよりは……太歌流夢剣術に興味が出たのかな?

 たぶん咫兄弟は弟子取ってるんじゃないかな、アリシエちゃんっていう李白さんのお弟子さんもいるし。

 彩萌がそう言うと、ケレンさんは「叶山さん、ありがとうございます」って言ってました。

 白仮君もソニアにはちょっと興味があるけど、自分は魔法が使えるから太歌流夢剣術はちょっといいかなーって言ってました。

 そもそも白仮君は剣を使わないみたいです、どっちかというと拳と魔法で戦う系みたいです。

 ……あれ、そういえば咫兄弟も魔法使えるよね? まあ……それを言うなら王子も使えるかー。





 ――あやめとアヤメの交換日記、九十頁

たまに変換ミスをする時があるけども、ミギーとクーリーとシェミューナの“彩萌”の呼び方は“アヤメ”

ちなみにアリシエも“アヤメ”




からかうミギーとからかわれる白仮

「他の人が好きな女の子に白仮君もカッコいいから大丈夫だよって励まされる気持ちってどんな感じ? なぁどんな気持ち?」

「別に何でもないから」

「気まずくってベンチに座れないくせに?」

「気まずいから立ってる訳じゃないし」

「じゃあ照れてんの? お前照れてんの~?」

「女子四人と一緒に座れるのはユヴェリア王子くらいだって!」

「僕も入れたら五人だな、ミギーは今アヤメと同じ見た目してますぅー」

「……殴るよ」

「おぉ良いぜ、来いよ!」

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